「エンジンオイル」の版間の差分

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; 部分合成油・半合成油(セミシンセティック、パートシンセティック、シンセティックブレンド)
: 鉱物油や高度水素分解油にPAOやエステル(あるいは水素化分解油)を混合し、品質を高めたもの。その配合率や基油は日本では規定がなく(海外においても明確な規定はない)、表示義務もないためその詳細は消費者側は不明である。従来、鉱油と合成油をブレンドしたものをグループIII基油に置き換える事もあり、グループIIIベースオイルを部分合成油や半合成油と呼ぶケースもある<ref>[http://www.nks-ris.co.jp/knowledge/oil/category.html 日興産業株式会社:潤滑油の基礎知識 > 自動車用潤滑油について > エンジンオイルの種類]を参照</ref>。グループIIIを合成油とした場合、グループI/IIにグループIIIをブレンドした場合も部分合成油や半合成とする事も可能であり、グループIIIとPAOのブレンドは後述の全合成と呼ぶこともあるので、消費者からの判断はますます困難となっている。
 
: [[フィッシャー・トロプシュ法]]による炭り一酸炭素と水素ガスから触媒反応原料とする用いて合成された基油。 [[原油価格]]高騰のために単価としては石油よりも安価な[[天然ガス]] ([[GTL]]) から作られる製品こと増えてきてこれを部分合成油・通常は半合成油と呼ぶかに属するが化学合成油・全合成油とする場成油と呼ぶかについては議論がある。
 
; 化学合成油・全合成油・合成油(シンセティック)
: PAO([[ポリアルファオレフィン]])は工業的には石油から分留したナフサ、もしくは天然ガスから得たエチレンを合成することでαオレフィンとし、それを重合することで成分や分子量を一定にしたもので、重合度を調整することで幅広い粘度を比較的自由に作れる。鉱油に比べると低温流動性、せん断安定性などが安定しており、鉱油に比べ製造コストは高いものの合成油としては比較的低コストで大量生産が可能な点、鉱油と同様に無極性の炭化水素で鉱油からの置き換えも行いやすいなどという点から、エンジンオイルにおいて(グループIII基油を除き)一時は最も多用される化学合成油であった。
 
: [[フィッシャー・トロプシュ法]]による炭化水素ガスを原料とする基油。 [[原油価格]]高騰のために単価としては石油よりも安価な[[天然ガス]] ([[GTL]]) から作られる製品が増えてきている。これを部分合成油・半合成油と呼ぶか、化学合成油・全合成油・合成油と呼ぶかについては議論がある。
 
: [[エステル]]はポリオールエステル、ジエステル、コンプレックスエステルなどがあり、一般的には動植物の[[脂肪酸]]と[[アルコール]]を化合して生成される。組み合わせ次第で様々なエステルが存在するため性能や特性は千差万別となる。エステル結合部分の[[カルボニル基]]が[[極性]]を持ち、特にその酸素原子にあるδ-(負の極性)は、オイル自身を金属表面に吸着させる効果があるが、加水分解によって劣化しやすい欠点があるが、現在ではこの欠点を改良した[[ポリオール系]]のエステルが使われるようになっている。極性が高い場合は添加剤の働きを阻害する事もあり、鉱油やPAOに比べコストも高く寿命も短いことから、エステルを100%使用する事は一般的ではなく、配合の成分として使われることが多い。