削除された内容 追加された内容
39行目:
 
== 概要 ==
官営[[日本製鉄八幡製鉄所|八幡製鐵所]]を中心に複数の製鉄業者が合同して[[1934年]](昭和9年)に発足した[[日本製鐵|日本製鐵株式會社]](日鉄)が前身である。日鉄は[[太平洋戦争]]後の[[過度経済力集中排除法]]により4社に分割される([[財閥解体]])が、このうち[[八幡製鐵|八幡製鐵株式會社]]と[[富士製鐵|富士製鐵株式會社]]という鉄鋼メーカー2社が同法廃止後の[[1970年]](昭和45年)に合併し、新日本製鐵(新日鉄)は発足した。
 
新日鉄は[[高炉]]を構え、[[鉄鉱石]]を原料に[[銑鉄]]から[[鋼|鋼材]]までを一貫して製造する[[製鉄所|銑鋼一貫製鉄所]]を持つ「[[高炉メーカー]]」の一つである。鉄鋼業の指標となる[[粗鋼]]の生産量は年間2,750万トン(2009年度実績)<ref>平成22年3月期決算短信による。</ref> で、日本国内では[[市場占有率|シェア]]首位<ref>[http://www.japanmetaldaily.com/statistics/sharemainpr/details/index.html 主要品種の生産シェア 2008年度|日刊鉄鋼新聞](鉄鋼新聞ウェブサイト)による。</ref>。[[イギリス]]の金属情報誌{{仮リンク|メタル・ブリテン|en|Metal Bulletin}}によれば、粗鋼の生産量は世界第6位(2009年時点)<ref>粗鋼生産量約2761万トン。上位5社は順にアルセロールミタル・[[河北鋼鉄集団]]・[[宝鋼集団]]<!--原文「上海宝鋼集団」だが社名変更済-->・[[武漢鋼鉄]]・[[ポスコ]]。出典は{{PDFlink|[http://www.nsc.co.jp/company/pdf/nscguide2010_j_77.pdf 主要鉄鋼企業 - 粗鋼生産上位30社]}}(新日鉄ウェブサイト)。</ref> である。世界シェア首位の[[アルセロール・ミッタル]]とは粗鋼生産量でおよそ3倍の差があり、[[敵対的買収]]の脅威が高まっているとされているが、これに対し新日鉄では、同業や川下メーカー、[[商社]]との[[株式持ち合い]]や、日本国外の製鉄所建設を含めた増産計画などの対抗策を打ち出している<ref>2007年9月28日付[[日本経済新聞]]朝刊では、株式持ち合いを進めた結果、新日鉄の安定株主比率は5割程度にまでおよぶようになったと報道される。</ref>。一方、国内シェアは2位の[[JFEスチール]]と拮抗するが、国内シェア3・4位の住友金属や[[神戸製鋼所]]と株式の持ち合いを進めるなど緩やかなグループ形成をしている。
 
生産拠点の銑鋼一貫製鉄所は[[日本製鉄君津東日本製鉄所君津地区|君津]]・[[日本製鉄大分九州製鉄所大分地区|大分]]・[[日本製鉄名古屋製鉄所|名古屋]]・[[日本製鉄八幡九州製鉄所八幡地区|八幡]]・[[日本製鉄室蘭製鉄所|室蘭]]の5か所。このほかにも高炉のない工場を5か所構える。これらの生産拠点において、[[鋼板]]や[[条鋼]]、[[鋼管]]など各種鋼材や[[チタン]]圧延材などの生産を行っている。製品は[[製造業]]向けの高級鋼材が7割を占める<ref name="annual report">新日鉄の「アニュアルレポート(平成21年度)」による</ref>。
 
このように事業会社として動く一方、グループ企業を束ねる[[持株会社]]としての側面も持っており、新日鉄は[[事業持株会社]]として機能している。グループ企業は[[大阪製鐵]]などの鉄鋼業者のほか、[[建設業|建設業者]]の[[日鉄エンジニアリング|新日鉄エンジニアリング]]や[[化学メーカー]]の[[日鉄ケミカル&マテリアル|新日鐵化学]]、[[情報通信]]企業の[[日鉄ソリューションズ|新日鉄ソリューションズ]]など、鉄鋼業から派生した業種の企業を含んでいる。