「ホッケースティック論争」の版間の差分

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しかしその気温変化を見積もるために用いられたデータのうちどれを実際に採用したかの記述が間違っており、またマンらが観測精度の誤差と考えた変化を修正して用いられていた。この出典表記の間違いや修正を「改竄」などとして批判する者があらわれ、スキャンダルとなった<ref>矢沢潔 『地球温暖化は本当か? 宇宙から眺めたちょっと先の地球予測』[[技術評論社]] [[2007年]]1月 ISBN 4-7741-3001-X</ref>。またマンのデータに対して[[小氷期]]や[[中世の温暖期]]などによる気温変動が過小評価されているのではないかなどと数多くの批判や異論が論文となって発表された。この一連の騒動をさして「ホッケースティック論争」と呼ばれ、多くの[[メディア]]で[[報道]]された。
 
批判者からの指摘を受けてマンらは[[1998年]]の論文<ref name="mbh1998" />に対する訂正記事<ref name="mbh1998_2004">[http://www.nature.com/nature/journal/v430/n6995/full/nature02478.html Mann, Bradley and Hughes: Corrigendum: Global-scale temperature patterns and climate forcing over the past six centuries, ''Nature'', '''430''', 105, 2004.]([http://www.meteo.psu.edu/~mann/shared/articles/MBH98-corrigendum04.pdf PDF])</ref>を2004年にNature誌に発表した。訂正は出典の誤記だけであり、論文の結果には変更がないと明言している<ref name="mbh1998_2004" /><ref name="KaigironHihan"/></ref></ref>
 
マンのホッケースティック曲線は[[IPCC第4次評価報告書]](AR4)のSPM(Summary for Policy-makers、政策決定者向け要約)<ref name="IPCC_AR4_SPM_ja">[http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/index.html IPCC第4次報告書 第1作業部会報告書(気象庁サイト)]</ref>には記載されず、AR4フルレポート<ref name="IPCC_AR4_en">[http://www.ipcc.ch/publications_and_data/ar4/wg1/en/contents.html IPCC WG1 AR4 Report(IPCCサイト)]</ref>の第6章の図6.10に他の再現結果と重ね合わせたグラフとして記載された。図にはマンによるものの他に、マッキンタイアを含めた12のグループと機器による計測グラフ(計13本)の曲線を重ねて掲載されている。これには中世から産業革命までの間の復元結果が大きく異なるものもある。
 
この論争の際に問題とされた500 - 1000年前の古気候の再現結果については、誤差の幅が大きい。[[IPCC第4次評価報告書|IPCC AR4]]のSPM<ref name="IPCC_AR4_SPM_ja" />には、[[過去の気温変化]](古気候)について「最近の研究の中には、特に[[12世紀|12]] - [[14世紀]]、[[17世紀]]、[[19世紀]]の寒冷な期間において、北半球の気温の変動は、第3次評価報告書で示唆されたものより大きかったことを示すものがある」と記されている。しかし、「20世紀後半の北半球の平均気温は、過去500年のどの50年よりも高かった可能性が非常に高く...」とも記されている。これは多数の研究結果を総合した結果であり、AR4フルレポート<ref name="IPCC_AR4_en" />の第6章や[[米国科学アカデミー|アメリカ合衆国科学アカデミー]]の報告書<ref>[http://books.nap.edu/catalog.php?record_id=11676 National Research Council, ''Surface Temperature Reconstruction for the last 2,000 years'', National Academy Press, 2006.]</ref>に詳しい議論がある。500 - 1000年前の気候の復元結果のばらつきは大きいが、それでも[[20世紀]]後半の気温が際だって高いことはどの復元結果にも共通している<ref name="KaigironHihan" />
 
== 出典 ==