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首相公選制を導入すべきとする議論のことを'''首相公選論'''と呼ぶ。首相公選論の背景には、議院内閣制の日本的な運用に対する不満<ref name="山口99頁"/>、現実の[[政党政治]]に対しての疑念あるいは[[政治不信|不信感]]が底流にあるとされる<ref>大石眞ほか編著 『首相公選を考える―その可能性と問題点』 中公新書、2002年、5頁(佐々木毅)</ref>。
 
首相公選論の内容としては、実質的な大統領制への転換を目指すもの、議院内閣制の原理の一部に修正を加えるもの、政党の党首選挙において一般党員による予備選挙を行うことで実質的な首相公選を目指すものなどがある<ref name="西尾128頁"/>。小泉内閣の下での「首相公選制を考える懇談会」でも、国民が首相指名選挙を直接行う案「第一案」、議院内閣制を前提とした首相統治体制案「第二案」、現行憲法の枠内における改革案「第三案」の三案が制度構想として示された。
 
大統領制のように国民が首相指名選挙を直接行う制度(例として「首相公選制を考える懇談会」の第一案)。国民から見て([[直接選挙]])、または、国会によって大統領が指名により選出される首相指名選挙を間接に行われる制度及び現行憲法の枠内における改革案(例として「首相公選制を考える懇談会」の「第ニ案」「第三案」)。国民から見て([[間接選挙]])、を採用する場合、現行の[[日本国憲法]]において[[内閣総理大臣]]は[[国会]]の議決に基づいて[[内閣総理大臣指名選挙|指名]]するとしているため([[日本国憲法第67条|67条1項]])、導入には[[憲法改正]]が必要になる(実質的な大統領制への転換を目指すにしても、[[フランス]]や[[ドイツ]]のような大統領制を目指すのか、アメリカ型大統領制を目指すのかによって大きく異なるとされる)<ref name="西尾勝著 『行政学(新版)』 有斐閣、2001年、129頁">西尾勝著 『行政学(新版)』 有斐閣、2001年、129頁</ref>。また、議院内閣制の原理の一部に修正を加える場合にも、制度によっては憲法改正が必要となる(「首相公選制を考える懇談会」の第二案では憲法に政党条項を加えるとしている)。
 
このほか首相公選論の具体的内容については、首相の議会解散権やこれに対する議会の公選首相に対する不信任決議を認めるか否か、法律案や予算案に対する首相の拒否権を認めるか否か、内閣を構成する国務大臣(閣僚)を占める国会議員の割合など、その制度像は論者ごとに大きな幅がある<ref name="山口二郎著 『内閣制度』 有斐閣、2007年、97、99頁"/><ref name="西尾勝著 『行政学(新版)』 有斐閣、2001年、129頁"/><ref name="大石70頁">大石眞ほか編著 『首相公選を考える―その可能性と問題点』 中公新書、2002年、70頁(久保文明)</ref>。なお、首相公選制のほかに衆議院議員選挙を実質的な首相指名選挙として機能・運用させる[[国民内閣制]]の議論があるが、これは憲法改正を必要とするものではない<ref>[[高橋和之 (憲法学者)|高橋和之]]著 [[ジュリスト]]1192号「議院内閣制-国民内閣制的運用と首相公選論」 有斐閣、2001年</ref>。