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景浦は、高校時代に二日酔いで地方予選・決勝戦に出場。酒の臭いを[[ニンニク]]で隠して飛距離155m以上のサヨナラ本塁打を放つが、ベースランニング中の嘔吐で飲酒がバレてしまい、優勝は取消しとなる。その後、社会人・野花食品を経て北大阪電気に進むも、試合中のプレーをめぐって監督とトラブルになり、懲戒免職。居酒屋「大虎」でヤケ酒を飲んでいたところを、南海スカウト・[[岩田鉄五郎]]に熱心に誘われ、[[1973年]]にドラフト外で[[福岡ソフトバンクホークス|南海ホークス]](後の福岡ダイエーホークス、福岡ソフトバンクホークス)に入団。連載はそこから開始する。夜は「大虎」(後にこの店の看板娘・桂木サチ子と結婚)で一升酒を飲み、昼はバッターボックスで酒しぶきをあげる。その後、景浦は現実の時間と同じスピードで年齢を重ね、2009年に62歳で引退するまで強打者としてホークスで活躍。現役引退後も連載は続き、一時は球界から離れていたがホークス球団会長である[[王貞治]]の強い希望で、二軍の助監督として球団に復帰した。
 
この作品には実在するプロ野球関係者も随所に登場する。加えて初期の話では、当時の南海を支えた裏方にもスポットライトを当てており<ref group="※">当該エピソードには「SEMI-DOCUMENT」というサブタイトルが付記されていた。</ref>、南海球団史を知る上で貴重な資料となっている。例としてスコアラー兼[[打撃投手]]の[[西村省一郎]]、通訳の[[市原稔]](後に阪神コーチを経て南海にコーチとして復帰)、マネージャーの[[鈴木正 (野球)|鈴木正]](元南海内野手。後のコーチ・スカウト時代は登場なし)、杉浦正胤、[[上田卓三 (野球)|上田卓三]](現役投手時代にも登場)、[[村上悦雄]](引退直後は打撃投手も兼任)、[[大石弥太郎]]、更に広報の[[永井正義]](それ以前は[[スポーツニッポン]]の記者や[[毎日放送]]の[[野球解説者]])、ビデオマンの[[佐野誠三]]、スカウトの[[堀井数男]]、スコアラーの[[渡会純男]]、元スコアラーの[[尾張久次]]などが挙げられる。選手や監督が主役となることの多い野球漫画作品において、裏方の仕事を題材にした数少ない事例である。
 
何度か作者が連載をやめようとしたが、思いとどまった事を[[上田利治]]に話したところ、「それが良い、あぶはパ・リーグの宝だから」と言われている。一方、福岡に移転した1990年代以降は年齢<ref group="※">福岡初年度(1989年)の時点で42歳。前述の同期選手はこの時期ほとんどが現役を引退しており、中でも田淵は1990年から92年までの間福岡ダイエーの監督を務めており、景浦とは「選手と監督」との間柄になった。</ref>にもかかわらず[[キャリアハイ]]に突入、[[三冠 (野球)|三冠王]]などタイトル獲得や日本記録更新、60歳を越しても現役<ref group="※">なお、実在する日本のプロ野球選手で歴代最年長は[[中日ドラゴンズ]]の[[山本昌]]である(50歳1ヶ月)。</ref>かつ4番に座るなど現実離れした描写が顕著化するようになる<ref group="※">この描写は「[[ドカベン プロ野球編]]」など同時期の水島作品に共通して見られる傾向である。</ref>。ホークスが強豪チームとなった2000年代以降は、セ・パ各球団の主力選手が景浦の一挙手一投足に感動し、'''「全部あぶさんのおかげです」「やっぱりあぶさんは凄い」'''と述べるワンパターンかつ[[マンネリ]]オチが乱発されるなど、南海時代から大きく作風が変化していった。こうした状況を水島ファンでもある[[伊集院光]]は、[[指名打者|DH制]]導入や本拠地移転等での「連載を止めるタイミング」を見失い、(作風を変化させながら)連載を続けざるを得なかったのではないかと指摘している<ref>「[[伊集院光 深夜の馬鹿力]]」TBSラジオ 2013年12月23日放送分より</ref>。