「上田実 (医学研究者)」の版間の差分

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'''上田 実'''(うえだ みのる、[[1949年]][[5月30日]] - )は、日本の[[歯科医師]]、[[再生医学]]者、顎顔面外科医、[[名古屋大学]]博士(医学)。[https://u-factor.com/ 株式会社U-Factor]取締役。[https://saisei-ken.com/ 株式会社再生医学研究所(SAISEIKEN)]代表取締役会長。名古屋大学医学部教授、[[東京大学医科学研究所]]教授を歴任した。
 
[[皮膚]]、[[骨]]の再生医療の研究者として知られ、世界で初めて[[幹細胞]]の分泌する[[サイトカイン]]が組織再生の主役であることを発見、従来の定説を覆した。<ref>{{Cite web |url= https://r.nikkei.com/article/DGXNZO22680850S1A200C1CR8000?s=5|title=点鼻薬で脳梗塞治療 名大がマウスで効果確認 |publisher=日本経済新聞 |accessdate=2019年10月27日}}</ref><ref>{{Cite web |url= https://r.nikkei.com/article/DGXNASDG1000Z_Q1A510C1CR0000|title=タンパク質 移植し骨再生名古屋大、ラットで成功|publisher=日本経済新聞 |accessdate=2019年10月27日}}</ref>さらにそれを含有する幹細胞培養上清を用いて、皮膚、骨の臨床応用に成功し、<ref name="名前なし-pYoM-1">{{Cite web |url= https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26772731|title=Head & Face Medicine . Katagiri et al. (2016)12:5 First in human study and clinical case report of alveolar bone regeneration with the secretome from human mesenchymal stem cell |publisher=Head Face Med |accessdate=2019年10月27日}}</ref><ref>{{Cite web |url= https://wgc2016.aconf.org/en-us/index.html|title=7th World Gene Convention (2016.Nov.3rd-5th , Shanghai) |publisher=BIT's 7th Annual World |accessdate=2019年10月27日}}</ref>日本学術会議会長賞<ref name="名前なし-pYoM-2">{{Cite web |url=https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu56/siryo5-1-2.pdf |title=第2回産学官連携功労者表彰(平成16年度) |format=PDF |publisher=内閣府 |accessdate=2019年10月28日}}</ref>、日本再生医療学会ジョンソン&ジョンソン賞を受賞している<ref name="名前なし-pYoM-3">{{Cite web |url=https://www.jsrm.jp/awards/ |title=学会賞各賞 |publisher=日本再生医療学会 |accessdate=2019年10月28日}}</ref>。
 
再生医療の黎明期から再生医学の研究にたずさわり、研究論文数は600以上にのぼる。なかでも実際に人に応用した臨床症例数は、100例をこえ国際的にみても他の研究機関を圧倒している。また[[文部科学省]]や[[科学技術振興機構]]、AMEDなどの再生医療プロジェクトや委員会でも手腕を見せた。
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そのころ欧米では研究者と企業の連携が活発に行われていた。[[イエテボリ大学]]ではチタンインプラントの研究が企業主導でおこなわれていた。また再生医療の発祥の地であるボストンには、多くのバイオベンチャー企業が生まれつつあった。培養皮膚の開発者であるグリーン氏は「Bio-surface社」を立ち上げ商品化をすすめていた。またニューヨーク大学では皮膚科教授であったG・ノートン氏が自身の人工皮膚の実績を持って「Advanced Tissue Science社」の社長に就任。上田自身も1999年、日本初の再生医療ベンチャーである「[[ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング|Japan Tissue Engineering]] 」の創設に参加している。
帰国とともに上田の研究活動はさらに加速させ2000年代には、ほとんどの組織が研究の対象となる。政府はミレニアム・プロジェクトを打ち出し再生医療分野に大型の予算を配分。
この研究費によって骨、皮膚はもとより、角膜(2000)、歯(2002)末梢神経(2003)、循環器(2003)、尿管(2003)運動器(2004)、唾液腺(2004)、まで研究対象を拡大し、臨床研究も活発に行った。上田は骨の再生医療にターゲットを絞り研究に拍車をかけた。これらの功績により2014年日本学術会議会長賞を受賞する。<ref>{{Cite nameweb |url="名前なしhttps://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu56/siryo5-pYoM1-2".pdf |title=第2回産学官連携功労者表彰(平成16年度) |format=PDF |publisher=内閣府 |accessdate=2019年10月28日}}</ref>
名古屋大学における皮膚、骨の再生医療は、豊富な研究費と人材に恵まれたこともあり奨励数を伸ばし海外講演、論文発表も飛躍的に増加した。全国から研究者が見学に訪れ、マスコミの取材も頻繁であった。しかし「こうした表向きの成功とは別に『ほんとうに幹細胞が組織を作るのか?』という根本的を持つようになった」と当時の心境を語っている。
 
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2006年教室の総力をあげてこの仮説の実証実験がはじまる。2010年頃には対象疾患は脳梗塞、[[アルツハイマー病]]、[[脊髄損傷]]、多発性脳硬化症、[[低酸素脳症]]、[[糖尿病]]、[[肝炎]]、[[腎不全]]、[[心筋梗塞]]、肺線維腫症、[[関節リウマチ]]、[[アトピー性皮膚炎]]。いずれも有効な治療法が見つかっていない難病に特化。名古屋大学医学部では多くの研究室が、難病に幹細胞による治療を試みていた。脳梗塞は脳神経外科で、関節リュウマチは整形外科で、というようにそれぞれの研究グループが疾患モデル動物に幹細胞の移植実験をおこなっていた。当時こうした難病に対して世界の研究グループが幹細胞の移植実験をおこなっていた。そうした状況下で上田らは幹細胞の代わりに培養上清の投与を行い、幹細胞と同等の再生効果を示すことを実証したのである。
 
2012年から培養上清の臨床応用をスタート。骨<ref>{{Cite nameweb |url="名前なし-pYoM-1" https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26772731|title=Head & Face Medicine . Katagiri et al. (2016)12:5 First in human study and clinical case report of alveolar bone regeneration with the secretome from human mesenchymal stem cell |publisher=Head Face Med |accessdate=2019年10月27日}}</ref>皮膚の再生に加えてアレルギー疾患、中枢神経疾患に顕著な治療効果を示した。2016年時点で症例数は100例を超え、その結果の一部は同年上海で開催されたThe 7th World Gene Conventionで発表され大きな反響を読んだ。ここで幹細胞療法にかわる培養上清療法が提唱された。2017年これらの功績に対して The Johnson & Johnson Innovation Awardが授与された。<ref>{{Cite nameweb |url="名前なし-pYoM-3"https://www.jsrm.jp/awards/ |title=学会賞各賞 |publisher=日本再生医療学会 |accessdate=2019年10月28日}}</ref>
 
===培養上清液の製剤化へ===