「シスターコンプレックス」の版間の差分

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[[和製英語]]であり<ref name="yonekawa"/>、もともとは[[フェティシズム]]の俗語であったが、分析心理学ではフェティシズムと[[コンプレックス]]の概念が関連したものであるため、コンプレックスという用語で一般化した。ただし、正式に認められた心理学用語ではない。相手が兄弟の場合、[[ブラザーコンプレックス]]と言う。
 
シスターコンプレックスは、特に「姉妹に対する恋愛的感情」や「自分のものにしたい独占欲」のある兄もしくは弟、と言う図式で捉えられる<ref>『用例でわかる カタカナ新語辞典 第3版』学研辞典編集部,[[学研ホールディングス|学習研究社]],2011年7月,256ページ ISBN 978-4053032645</ref><ref>{{Cite book |和書|author=横田正夫|authorlink=横田正夫|year=2016|title=教養のトリセツ 心理学|publisher=[[日本文芸社]] |page=123|isbn=9784537261448}}</ref>。シスターコンプレックスの男性にとって姉や妹は性的な憧憬とも重なって理想化されたイマーゴとなり、自身の人生に親以上の影響力がある場合がある。例えば、姉や妹と共通点や似たところがある恋人や配偶者を選んでいたりすることなどである<ref>『きょうだいコンプレックス』[[岡田尊司]],[[幻冬舎]],2015年9月,173-174ページ ISBN 978-4344983915</ref>。一方、同性(姉妹に執着する姉や妹)にも使われることがある。この場合は、「姉を慕う妹」「妹想いの姉」として、わりあい肯定的に見られることが多い
 
[[大林宣彦]]は、[[手塚治虫]]が「自分の横で座って漫画を描いている妹ほどエロティックな存在はなかった」と語っていたというエピソードを挙げ、手塚をシスター・コンプレックス型の作家であると述べた。大林によると、シスター・コンプレックス型の作家は大地に根を生やさず、地球を飛び出して宇宙に行ったり未来に行ったりしながら失った「妹」を探し続けるという点で特徴付けられ、性を断念して妹しか愛せないということを自覚しているという特質を持つという。彼によると、シスター・コンプレックス型の作家には[[黒澤明]]、[[ハワード・ホークス]]、また大林自身が含まれる<ref>{{Cite book |和書|author=大林宣彦|authorlink=大林宣彦 |year=2008|title=ぼくの映画人生|publisher=[[実業之日本社]] |page=118|isbn=9784408420110}}</ref><ref>{{Cite book |和書|author=大林宣彦 |year=2015 |title=大林宣彦の体験的仕事論 |publisher=[[PHP研究所]] |pages=246-248|isbn=9784569825939}}</ref>。[[米澤嘉博]]は、手塚治虫が他人に見せずにいた彼の特徴の一つに、シスターコンプレックスを挙げている<ref>{{Cite book |和書|author=米澤嘉博|authorlink=米澤嘉博|year=2007|title=手塚治虫マンガ論|publisher=[[河出書房新社]] |page=299|isbn=9784309269597}}</ref>。[[石ノ森章太郎]]は、自らが姉に対するシスター・コンプレックスであると述べている<ref>{{Cite book |和書|author1=石ノ森章太郎|authorlink1=石ノ森章太郎|year=1998|title=絆 不肖の息子から不肖の息子たちへ|publisher=[[NTT出版]] |page=89|isbn=9784757150089}}</ref><ref>{{Cite book |和書|author=|year=1989|title=漫画超進化論|publisher=[[河出書房新社]] |page=76|isbn=9784309711751}}</ref>。麓直浩は、妹に対して恋情を抱いたかのような[[小野篁]]と[[在原業平]]の歌を引用し、彼らはシスコンであると指摘した<ref>{{Cite book |和書|author1=山田昌弘|author2=麓直浩 |year=2010|title=ダメ人間の日本史|publisher=[[社会評論社]] |pages=17-20|isbn=9784784509775}}</ref>。また麓は、[[三島由紀夫]](平岡公威)が妹の[[平岡美津子]]を愛していたと述懐していたことや、『[[熱帯樹 (戯曲)|熱帯樹]]』などの兄妹相姦を含む作品を執筆していたことに触れ、三島はシスコンであると述べている<ref>{{Cite book |和書|author1=山田昌弘|author2=麓直浩 |year=2010|title=ダメ人間の日本史|publisher=社会評論社 |pages=188-194|isbn=9784784509775}}</ref>。