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[[インカ帝国]]においては、インカ王家の始祖である[[マンコ・カパック]]の婚姻形式を模倣し、皇族の純血性を守ろうとする考えから近親婚が行われ続けた。マンコ・カパックは、財産相続を巡る争いを防止し、神の子孫である一族の血の純潔を保つため王位継承者は常に一番年長の姉妹と結婚するようにとの命令を下した{{Sfn|ランク|2006|p=636}}。だが、14代に亘り兄弟姉妹婚が繰り返されたにもかかわらず、健康上問題は起こらなかった。
 
[[ハワイ]]では王家にのみ許される特権として近親婚が容認されるだけではなく、奨励されており、[[カメハメハ3世]]は実の妹[[ナヒエナエナ|ナヒエナエナ王妃]]と通じていた
<ref>{{cite journal|和書|url=http://nationalgeographic.jp/nng/magazine/1009/feature01/mud.shtml|title=特集:ツタンカーメンの両親は誰?|journal=ナショナルジオグラフィック|date=2010年|accessdate=2013-08-22}}</ref>。古代ハワイの最も位が高い族長が姉か妹と結婚して産まれた息子は高貴な存在と見なされ、その前では誰もがひれ伏さなければならなかった。族長が腹違いの姉か妹と結婚して産まれた息子の場合は威光はさほどでもなく、その前では座るだけでよかった{{Sfn|ジャドソン|2004|pp=231 - 232}}。ハワイにおける兄妹・姉弟間の婚姻はピオ婚と呼ばれている<ref>[[桜井好朗]](編)『神と仏―仏教受容と神仏習合の世界』[[上野千鶴子]](著)「<外部>の分節 記紀の神話論理学」([[春秋社]] 2000年9月)269頁 ISBN 978-4-393-29148-1</ref>。[[ニューギニア]]のキワイ族は父娘間の結婚が認められ、[[マレー諸島|マレー群島]]やミナハッサ地方では親子、兄妹・姉弟の結婚が行われた{{Sfn|穂積|2007|pp=199 - 200}}。