「ニビル (仮説上の惑星)」の版間の差分

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ゼカリアの著書によるとニビルは地球の4-5倍の大きさと20-25倍の[[質量]]、約100倍の[[密度]]を持ち、現在、知られている太陽系の惑星から大きく傾いた楕円軌道を約3,600年で公転していると設定されている<ref>{{cite web|url=http://www.annunaki.org/nibiru/|title=Nibiru is Sumerian for 12th Planet|publisher=The ANNUNAKI|accessdate=2016-01-23}}</ref>。[[彗星]]に非常に似た軌道を持ち、[[軌道長半径]]は約235 [[天文単位|AU]]で、[[近日点]]は[[小惑星帯]]付近にあるが、遠日点は太陽からはるか遠くに位置しているとされている。仮にニビルが実在し、それだけの質量を持っているとしたらこれまでの観測で発見される可能性は十分にあるはずだが、[[自由浮遊惑星]]と同じく赤外線などでしか観測できない可能性を考慮しても、2009年に打ち上げられた赤外線観測衛星、[[広域赤外線探査衛星]] (WISE) の観測によると太陽から26,000 AU以内に木星以外に[[木星質量]]以上の天体がないことを確認しており、10,000 AU以内には[[土星|土星質量]](地球の95倍)以上の天体も発見されなかった<ref>{{cite web|url=http://iopscienve.iop.org/article/10.1088/0004-637X/781/1/4/meta|title=A SEARCH FOR A DISTANT COMPANION TO THE SUN WITH THE ''WIDE-FIELD INFRARED SURVEY EXPLORER''|work=The Astrophysical Journal|date=2013-12-24|accessdate=2016-01-24}}</ref>。これらの観測データはニビルまたはニビルに類似する天体が現実には存在しないことを示している。なお、ゼカリアの著書にはニビルの質量、密度、軌道などの根拠となる科学的データは一切示されておらず、初歩的な天体の[[摂動 (天文学)|摂動論]]とすら矛盾する。
 
終末論やドゥームズデー・カルトでは基本的にゼカリアの設定に加えて、地球接近時に人類や地球を滅亡させるといった設定が加えられる。この場合は比較的近い将来にニビルが地球に接近するといった人々の恐怖を煽る形式の物語や、陰謀論などと絡めて物語が創作されることが多い。実際に巨大な惑星が地球に接近しているのであれば様々な天文学的な事象が観測されるはずであるが、実際にそういった事象は起きていない。こういった終末論に対し、NASAは「言われているような話の根拠となる事実はない」、「その惑星があるならば、とっくの昔に発見されている」とニビルの存在<ref group="注釈" name="注釈1">あくまでニビルの存在を否定しているだけで、未知の惑星の存在について否定している訳ではない。</ref>については人類滅亡説を金儲けに利用する為に考えられた嘘だと全面的に否定している<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/2662082?pid=4877955|title=2012年地球滅亡説は「でっち上げ」、NASAが異例の声明発表|publisher=[[フランス通信社|AFP BBNews]]|date=2009-11-10|accessdate=2016-01-23}}</ref>。
 
== シュメール文明への風評被害 ==
ゼカリアの著書によると、シュメールの古文書には「ニビルに[[アヌンナキ]]という[[地球外生命体|生命体]]が存在しており、3,600年周期で地球に近づく度に文明を進歩させて痕跡を残した」、「地球人はアヌンナキによって創造された」、「アヌンナキは地球に飛来し、人類に[[天文学]]に関する知識を与えた」、「ニビルは自身の[[衛星]]を、現在の小惑星帯の位置にあったという設定の空想上の惑星、[[仮説上の天体|ティアマト]]に衝突させ、その破片から[[地球]]、[[小惑星帯]]そして[[彗星]]を形成した」と書かれているという<ref name="2012end">{{citeCite web|和書|url=http://2012doomsday.web.fc2.com/planet.html|title=201X年の地球滅亡危機|accessdate=2016-01-23}}</ref>。
 
他の多くの考古学者らがシュメール文明の遺物を研究した結果としてゼカリアと同様の、または類似する研究結果を発表した者はいない。ゼカリアの翻訳自体が自説に都合の良い改変や誤謬を多数含んだ学術的に根拠も信憑性もないものであり、シュメール関連の学術団体や考古学者、天文学者からは批判されている<ref>Fritze, Ronald H,. (2009). Invented knowledge: false history, fake science and pseudo-religions. Reaktion Books. p214. ISBN 978-1861894304</ref>。ニビルの衛星がティアマトと衝突して地球などが形成された件については、仮にニビルとティアマトがあったとして衝突が発生したとしても、地球や小惑星帯が形成されるというのは天文物理学的には荒唐無稽な話であり、その根拠となる理論は一切存在しない。
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== 終末論との関係 ==
終末論やドゥームズデー・カルトで人気があり、地球接近時に人類を滅亡させるなどの設定で毎年のように度々登場する<ref name="tocana2018">{{citeCite web|和書|url=https://tocana.jp/2018/04/post_16595_entry.html|title=4月23日に人類滅亡、6月24日→4月23日に前倒し! ヨハネの黙示録とニビル到来で地球大噴火、科学者も「準備しなければ」|accessdate=2021-02-08}}</ref><ref name="tocana2017">{{citeCite web|和書|url=https://tocana.jp/2017/08/post_14117_entry.html|title=皆既日食の影響で今年の9月23日に人類滅亡?ニビルが地球に衝突?数字の“33”が証明!|accessdate=2021-02-08}}</ref><ref name="tocana2016">{{citeCite web|和書|url=https://tocana.jp/2016/09/post_10951_entry.html|title=今年11月に地球滅亡!? 惑星ニビルが最接近予定、ブラッドムーンとの関係も?|accessdate=2021-02-08}}</ref><ref name="tocana">{{citeCite web|和書|url=https://tocana.jp/2015/10/post_7730_entry.html|title=【人類滅亡】2015年12月に惑星X(ニビル)が地球に衝突か?証拠映像も激写される!!|accessdate=2021-02-08}}</ref>。
日本では2003年に宗教団体である[[パナウェーブ研究所]]が「ニビルが落ちてきて天変地異が起こる」などとワイドショー等で主張し福井県に向かって大移動を行い注目された。
このように終末論などで度々題材にされるが、あくまでもニビルはゼカリアの作中に登場する天体である。
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== その他 ==
*2012年8月23日放送の[[奇跡体験!アンビリバボー]]にてニビルについて特集された<ref>{{citeCite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20160130214316/http://tvtopic.goo.ne.jp/program/cx/1407/585613/|title=奇跡体験! アンビリバボー 2012年8月23日放送回|work=goo テレビ番組|accessdate=2016-01-24}}</ref>。放送の中で「惑星ニビルが地球に接近」「NASAがニビルの存在を認めた」「人類滅亡カウントダウン」などの誤解を招く内容が放映されたがそういった事実はなく、NASAはニビルの存在を明確に否定している。
*2002年に出現した[[新星]]、[[いっかくじゅう座V838星]]にもニビルという愛称がつけられている。
*ニビル星についてバラエティ番組で最初に取り上げたのは、[[特命リサーチ200X]]である。