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== 製造 ==
開発国の米国のほか、ベルギー、オランダ、トルコや韓国などでライセンス製造がおこなわれた。米国での製造は主にフォートワースで行われてきた。しかし2011年以降受注減や[[F-35 (戦闘機)|F-35]]の生産拡大に伴いロッキードの航空部門長は2017年の9月にフォートワースの工場から最後のF-16を納入し、サウスカロライナ州グリーンビルに移転するために2年間の生産休止を行うと発表した<ref>[https://aviationweek.com/awin/possible-f-16-production-line-lull-stirs-worries Possible F-16 Production Line Lull Stirs Worries]</ref><ref>[https://www.defenseone.com/business/2017/03/lockheed-move-f-16-production-line-south-carolina/136365/ Lockheed to Move F-16 Production to South Carolina - Defense One]</ref>。グリーンビルでの製造は2019年4月より開始され、ロッキードはF-16を製造し、現地で試験してからバーレーンやスロバキアのような米国の同盟国に売却すると発表した。ロッキードでは今後同工場で2019年後半よりF-16ブロック70の製造を開始する予定である<ref>[https://defence-blog.com/news/lockheed-martin-launches-production-of-f-16-fighter-jets-in-greenville.html Lockheed Martin launches production of F-16 fighter jets in Greenville – Defence Blog] defence-blog.com | April 24, 2019 </ref>。
 
== 採用状況 ==
[[F-15 (戦闘機)|F-15]]は[[1960年代]]後半から[[1970年代]]末にかけての[[インフレ]]により高価になり、[[アメリカ空軍]]でも当初計画されていた配備済の[[F-4 (戦闘機)|F-4]]全機を[[F-15 (戦闘機)|F-15]]と発展型で置き換える事ができなかったため、F-16を並行配備して作戦機数を確保している。
 
低い高度での任務が主軸となる対地攻撃任務は制空任務より損耗率が大きいため、高価な[[F-15 (戦闘機)|F-15]]が制空任務専門に充てられたのに対し、相対的に安価なF-16は制空・対地の双方の任務に用いられ、フランスの[[ミラージュ2000 (戦闘機)|ミラージュ2000]]などとともに小型・軽量ながら現代の本格的な[[マルチロール機|マルチロールファイター]]の先駆けとなった。
 
F-15系列機に対する対地攻撃任務面の長所として、軽量小型でかつCCV設計の採用によって空気抵抗が小さく、高度300m以下での低高度での機動が上回っている点もあげられている<ref>[http://search.external.lmco.com/search?q=cache:jPJrMtIh904J:www.lockheedmartin.com/aeronautics/about/Locations.html+4%2C000+built+F-16&access=p&output=xml_no_dtd&ie=UTF-8&client=default_frontend&site=default_collection&proxystylesheet=default_frontend&oe=ISO-8859-1 Locations | Lockheed Martin Aeronautics Company]{{リンク切れ|date=2015年6月}}</ref>。しかしその一方で、兵器の搭載量に関してはF-15には及ばない。
 
アメリカ空軍をはじめ多くの国で運用中であるが、設計寿命の8,000飛行時間を迎える機体が現れたことから、[[2020年代]]からは[[F-35 (戦闘機)|F-35 ライトニングII]]への更新が進むとされる。アメリカ空軍も2012年時点で1,020機あるF-16を2020年代までにF-35Aに入れ替える予定であったがF-35の開発は遅延。2017年4月には、配備期間を2040年以降まで延長する決定がなされた<ref>[http://www.cnn.co.jp/usa/35099755.html 米空軍、F16機の配備期間を延長 2040年以降まで] CNN(2017年4月13日)2017年4月19日閲覧</ref>。さらに寿命を4,000飛行時間延長して12,000飛行時間とする機体構造補修(SLEP)とAN/APG-83 SABR AESAレーダーへの換装を中心とした延命計画が、ブロック40・42・50・52の300機に行われる予定である<ref>「KFニュース&ニュース 米空軍がF-16の延命計画を承認」 『[[航空ファン (雑誌)|航空ファン]]』第66巻第7号 文林堂 2017年</ref>。また、[[F-35 (戦闘機)|F-35]]の量産化が始まって以降も、その安価さを武器にF-35を導入できない中小国などへの販売が依然として続けられている。中古機の需要も高く、特にベルギーとオランダは冷戦終結に伴う軍縮により戦闘機戦力の削減を進めていったことで余剰化したF-16の大きな輸出国となっている。
 
セールスで競合するのは[[F-5 (戦闘機)|F-5]]、[[サーブ 39 グリペン|グリペン]]、ミラージュ2000、[[MiG-29 (航空機)|MiG-29]]といったローコストが売りの軽量戦闘機であるが、[[アビオニクス]]やエンジンのアップデートにより後に登場した機体にも劣らないことから、[[F/A-18E/F (航空機)|F/A-18E/F]]、[[ユーロファイター タイフーン]]、[[ラファール (航空機)|ラファール]]、[[Su-27 (航空機)|Su-27]]、F-35など高価な高性能機とも比較されている。