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== 英語学における文型 ==
{{See also|動詞型 (英語)}}
[[英語]]においては、文型は[[動詞]]によって強く律束され[[動詞型]]の分類に基づいた基本5文型をベースとした文型解説がなされることが多い。
 
英語教育における基本5文型とは、S([[主語]])、V([[動詞]])、O([[目的語]])、C([[補語]])とによってつくられた以下の5つの[[文型]]のことである。
* 第1文型 S+V (主語+動詞) : 例文 She laughed. (彼女は笑った)
* 第2文型 S+V+C (主語+動詞+補語) : 例文 He is happy. (彼は幸せだ)
* 第3文型 S+V+O (主語+動詞+目的語):例文 She drives a car. (彼女は自動車を運転する)
* 第4文型 S+V+O+O (主語+動詞+目的語+目的語):例文 He gave me a gift. (彼は私に贈り物をくれた)
* 第5文型 S+V+O+C (主語+動詞+目的語+補語):例文 Everyone calls him Bob. (みんなは彼をボブと呼ぶ)
 
=== オニオンズ ===
基本5文型については、[[C・T・オニオンズ]]が、An Advanced English Syntax(1904)の中で、The Five Forms of the predicate(述部の5形式)と動詞を分類し、これが5文型の原形となった<ref name="kbn2">久保野 雅史 「英語学を文法指導に生かす(2) 」神奈川大学心理・教育研究論集 第 47 号(2020 年 3 月 6 日) </ref>。
 
=== 細江逸記 ===
[[細江逸記]]は『英文法汎論』(1917)で、動詞を5つの公式の文に分けた<ref name="kbn2"/>。
:I 自動詞
:A. 陳述完全自動詞 (第1公式の文)
:B. 陳述不完全自動詞 (第2公式の文)
:II 他動詞
:C. 完全他動詞 (第3公式の文)
:
D. [[与格]]動詞 (第4公式の文)

:E. 作為動詞 (第5公式の文)
 
[[山崎貞]]は、『新自修英文典』(1921)で、文の形式を動詞の種類にしたがって、Five Sentence Patterns(5文型)に分けた<ref name="kbn2"/>。
 
=== パーマーと長沼の「文型」 ===
日本の英語教育における5文型は、C.T. Onionsの述部の5形式や、H.E. Palmerの動詞型から借用されたものと説明されることが多い<ref name="nt"/>。しかし、日塔(2011)の論証によれば、歴史的には、[[日本語教育]]において「文型」が登場し、それを[[長沼直兄]]から[[ハロルド・E・パーマー]]に伝えられ、27動詞型となり、戦後、基本5文型となった<ref name="nt">{{Cite journal|journal=Dialogos|author=日塔 悦夫|year=2011|title=文型と動詞型との関係について|url=http://id.nii.ac.jp/1060/00005062/|issue=11|pages=239 - 255|publisher=東洋大学文学部英語コミュニケーション学科|language=ja|ISSN=1346-3101|accessdate=2024-02-21}}</ref>。
 
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来日したハロルド・E・パーマーが1928年に和文で『機構的文法』を出版し、ここで訳者の[[長沼直兄]]から「文型」を紹介され、用いたとされる<ref name="nt"/>。パーマーは construction-type(構型)とsentence-type (文型)を同じ意味で用いており、意味としてconstruction-typeを重視した<ref name="nt"/>。パーマーは1922年に長沼直兄と英語教授研究所を設立した<ref name="nt"/>。
 
=== 7文型 ===
Quirkらの A Comprehensive Grammar of the English Language(1985)では、SVA(主語+動詞+副詞語句) と SVOA(主語+動詞+目的語+副詞語句) を加えた7文型([[節 (文法)|節]]の類型 clause type)を提唱した<ref>Quirk, R., S. Greenbaum, G. Leech and J. Svartvik,(1985)A Comprehensive Grammar of the English Language, Longman.</ref><ref name="kbn2"/>。
 
== 脚注 ==