新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣
新型コロナウイルス感染症対策担当大臣(しんがたコロナウイルスかんせんしょうたいさくたんとうだいじん)とは、日本の国務大臣で、新型コロナウイルス感染症対策本部において、新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する事務を担当することを命じられた者の呼称[1]。2020年3月6日に経済再生担当大臣の西村康稔が命じられた[2]。正式名称は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する事務を担当する国務大臣である[1]。
概説
2020年3月6日、当時内閣総理大臣の安倍晋三が経済再生担当大臣の西村康稔を新型コロナウイルス感染症対策を盛り込んだ「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」の担当大臣に充てた[2]。
この人事は辞令を用いたものではなく口頭での指示によるものであるが、内閣官房の担当者は「大臣の仕事は首相から口頭で指示を受けるものもあり、紙に書かれた形でなくとも、仕事の重みに差があるわけではない」としている[3]。同様の口頭による指示は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を円滑に推進するために行政各部の所管する事務の調整の担当を指示されている行政改革担当大臣の河野太郎の場合がある[4]。2020年3月17日の閣議決定により、「新型コロナウイルス感染症対策本部の設置について」の一部改正が行われ、副本部長に新型インフルエンザ等対策特別措置法に関する事務を担当する国務大臣が追加された[1]。
なお、首相官邸が発表している閣僚名簿には、新型コロナウイルス感染症対策の担当を明示した閣僚は掲載されていない[3]。また、内閣府の公式ホームページでも「西村特命担当大臣は、経済財政政策を担当され、赤澤副大臣、和田大臣政務官と共に経済財政諮問会議、税制調査会を運営するほか、経済財政運営、経済財政分析などの政策を管轄しています」と記載されているだけであり[5]、新型コロナウイルス感染症対策についての記載はない。そもそも感染症対策は内閣府の所掌ではないため内閣府のホームページに記載がないのは当然のことであるが、このことからも、新型コロナウイルス感染症対策担当は、内閣府特命担当大臣としての職務ではなく、内閣総理大臣からの個別の指示によるものであることがわかる。
西村は、2020年9月16日に発足した菅義偉内閣でも引き続き、新型コロナウイルス感染症対策担当大臣を務めている。西村は、任命の翌日に行った記者会見で、新型コロナウイルス感染症対策担当大臣の業務について「経済財政担当の内閣府の特命担当大臣ということでありますけれども、経済再生、全世代型社会保障改革、それからあわせて新型コロナウイルス感染症対策、それからTPP、こういったことを担当してまいります。いずれも重要な課題でありますので、与えられた任務、職責を全力で全うしていきたいと考えております。まず何より、この新型コロナウイルス感染症への対応、総理からはメリハリのきいた感染対策を行うということと、感染対策と経済活動を両立するということで強い指示をいただきました」と述べるにとどめ、所掌範囲などについての詳細な発言はなかった[6]。
歴代大臣
代 | 氏名 | 内閣 | 在任期間 |
---|---|---|---|
1 | 西村康稔 | 第4次安倍内閣 (第2次改造) | 2020年3月6日 - 9月16日 |
2 | 菅義偉内閣 | 2020年9月16日 - 現職 |
脚注
- ^ a b c 新型コロナウイルス感染症対策本部の設置について(令和2年1月30日閣議決定・令和2年3月17日一部改正・令和2年3月26日一部改正)第3項。
- ^ a b 新型コロナ対応の特措法、担当大臣に西村経済再生相 2020年3月6日 MEDIFAX web
- ^ a b コロナ対策「最優先課題」でも担当大臣いないけど? デジタルや万博は新設 2020年9月24日 06時00分 東京新聞
- ^ “令和3年1月19日 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の円滑な推進のための指示について”. 首相官邸ホームページ. 内閣官房内閣広報室. 2021年2月22日閲覧。
- ^ 「内閣府における大臣・副大臣・大臣政務官の担当分野表」説明テキスト 2021年3月3日閲覧。
- ^ 西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年9月17日
関連項目
外部リンク
- 新型コロナウイルス感染症対策本部 - 首相官邸
- 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の対応について - 内閣官房
- 新型コロナウイルス感染症対策推進室(内閣官房) (@Kanboukansen) - X(旧Twitter)
- 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室 - YouTube