Bウイルス感染症

これはこのページの過去の版です。Madness (会話 | 投稿記録) による 2007年4月7日 (土) 03:06個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (記述の追加、修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

Bウイルス感染症(びーういるすかんせんしょう)とは旧世界ザル由来の人獣共通感染症感染症法における四類感染症ヒトおよび新世界ザルにおいて致死的な疾病として知られる。

歴史

1932年に米国のポリオ研究者Brebner, W.がアカゲザルに咬まれ、急性進行性髄膜脳炎で死亡したものが最初の報告とされている。Bウイルスという名はこの患者の名前に由来する。

原因

ヘルペスウイルス科アルファヘルペスウイルス亜科に属するBウイルスの感染を原因とする。Bウイルスの正式名称はcercpithecine herpesvirus 1であるが、herpes simiae virus(サルヘルペスウイルス)、cercopithecine herpesvirus 1(オナガザルヘルペスウイルス)とも呼ばれる。

疫学

主に米国における発症例が確認されており、世界中で40例程度が報告されている。Bウイルスは東南アジアに常在する。日本にも存在するが、ヒトでの感染は確認されていない。自然宿主マカク属サルであり、単純疱疹様の症状を呈するが、死亡例はきわめてまれである。サル間では主な伝播経路は接触感染あるいは母子間の産道を介した垂直感染である。ヒトへの伝播はサルによる咬傷が主な感染源であり、実験室でサルの組織材料などを扱う際に傷を通して感染することもある。ヒト-ヒト間の伝播は起こらないとされている。

症状

早期症状として接触部の激痛掻痒感、外傷部周囲の水疱潰瘍リンパ節腫大、中期症状として発熱、接触部の感覚異常などであり、晩期症状として頭痛悪心嘔吐意識障害脳炎を示す。致死率は50%程度とされる。前述のとおりサルでの死亡例はまれであるが、実験的に脳内接種すると、脳炎、脊髄炎を起こして死亡することが報告されている。

診断

皮膚病変、脊髄液血清より特異ウイルスゲノムの検出あるいは抗体の検出により確定診断を行う。

治療

感染初期におけるアシクロビルガンシクロビルの投与は発症予防に有効であるとされる。

予防

ワクチンは実用化されていない。サルを取り扱う者は飼育管理、防御衣類、消毒処置などに関するガイドラインを遵守する。

関連項目

参考文献


Template:Medical stub