ポロス
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ポロス (Φόλος, Pholos) は、ギリシア神話に登場する、半人半馬の怪物であるケンタウロス族の一人。ラテン語ではフォルス (Pholus) という。
アルカディアのポロエの洞窟に住居を構えていた。シレノスととねりこの木のニュムペの息子。ケイロンと同じく、他のケンタウロス族とは出自が異なり、野蛮ではなかった。
神話
英雄ヘラクレスは、狂気によって自分の子を殺してしまった。その罪を償うため、エウリュステウスの元で12の功業をせねばならなくなり、その第4番目の仕事としてエリュマントスの野猪を生け捕りにすることになった。
ヘラクレスはエリュマントス山に行く途中、ポロエにてポロスと出会い、歓迎された。ポロスは宴でヘラクレスには焼肉を勧めたが、自分は生肉を食べた。（これは、モンゴルやタタールなどの騎馬民族が生肉を好んで食べたことから来ているのであろう。）
ヘラクレスは酒が欲しくなり、ポロスの所有していたディオニュソスから授かったという酒甕を無理矢理開けてしまった（あるいは開けさせた）。この酒はケンタウロス族の共有物となっていたため（一説にはヘラクレスが来るまで開けるなとディオニュソスに命じられていたため）、勝手に飲んだことを他のケンタウロスたちが怒り、岩ともみの木で武装してヘラクレスを襲撃してきた。
まずアンキオスとアグリオスがポロスの洞窟に入り襲ったが、ヘラクレスは燃え木を投げつけてこれを退けた。さらにヒュドラの毒のついた弓矢で応戦した。ケンタウロスたちはケイロンのいるマレアまで逃げた。ヘラクレスはそこまで追いかけ、ケイロンの影に隠れてうずくまっているケンタウロスたちに対して矢を射たところ、エラトスの腕を突き抜けてケイロンの膝に刺さってしまった。ヘラクレスはケイロンに彼から手渡された薬を塗ったが、ヒュドラの毒は不治であったために治らず、ケイロンは不死のため苦しみから逃れることが出来ず、プロメテウスに不死性を譲ることで死んだ。
その後、ケンタウロスたちのうち、エウリュティオンはポロエに、ネッソスはエウエノス河に、一部はマレア山にとバラバラに逃げ、残りの者はケンタウロスたちの母である雲ネペレが大雨を降らすことによって助けられ、ポセイドンによってエレウシス山に隠され難を逃れた。
一方ポロスは小さな矢が大きな者どもを倒したことに驚き、死体から矢を抜いて眺めていたところ、誤って落としてしまい、矢が足に刺さって死んでしまった。ヘラクレスがポロエに戻ってきたところ、ポロスが死んでいることに驚き、彼を弔ったという。
後に、ポロスはケンタウロス座として天にあげられたことになっている。