阿部慎之助

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阿部慎之助（あべしんのすけ、1979年 3月20日 - ）は、千葉県浦安市出身のプロ野球選手（現役期間 2001年-）。セントラル・リーグ、読売ジャイアンツ所属の捕手。右投左打。背番号は10 （2001年～）。2007年はキャプテンを担う。

経歴

プロ入り以前

安田学園では高校通算38本塁打。2000年 9月、中央大学在学中にシドニーオリンピック野球日本代表に選ばれる。2000年 11月のドラフト会議において、ドラフト1位（逆指名）で巨人に入団。

プロ入り後

2001年は読売ジャイアンツでは山倉和博以来23年ぶりの新人捕手開幕スタメンとして出場しその試合で初打席初安打初打点（2点）を含む4打点をあげる。最終的に打撃では新人にもかかわらずシーズン13本塁打をあげる。この記録は田淵幸一以来2人目の記録である。守備では捕手として苦しむ。しかし当時の巨人で村田真一に代わる正捕手の育成が急務だった事もあり長嶋監督は我慢強く起用を続け、これによってプロ野球捕手としての経験を重ねる。また同い年で同期入団の三浦貴とは共に開幕一軍に加わりバッテリーを組んだ。

2002年は原辰徳監督の元、前年の経験を生かし攻守にわたって日本一の立役者の一人となり、ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得するなど守備でも高い評価を受ける。この年は8月の3度を含む4度のサヨナラ打を打ち、「サヨナラ慎ちゃん」と呼ばれる契機となった（後述）。

2003年はシーズン半ばでの故障もあり94試合の出場に留まる。しかし故障前までの打撃は好調で規定打席には不足したものの打率.303を記録する。

2004年は開幕から本塁打を量産し4月中に16本を放ち5月12日にはプロ野球史上最速（非公式だがメジャーを含めても最速であるとされる）の開幕33試合目での20本塁打を記録する。しかしこの後量産ペースは失速し5月（残り期間）・6・7月はそれぞれ2本ずつに留まり、8月には故障もあって、最終的には33本塁打にとどまる（余談だが33試合目までの量産ペースを出場した108試合続けたと仮定すると約65本、シーズン138試合では約84本となりいかに特異なペースだったかがわかる）。とは言ってもシーズンで33本塁打は巨人所属捕手としては史上初めて30本塁打を越えた成績であり、月間16本塁打は、王貞治の球団記録を超え、1981年の門田博光（元南海・オリックス・ダイエー）、1994年の江藤智・当時広島）と並んだ日本タイ記録である。また規定打席に到達した上で初めて打率3割（.301）も記録した。11月には日米野球に捕手・代打で全8試合中､6試合に出場したが、13打席11打数0安打2四球という結果だった｡

2005年は前年から引き続いて故障に苦しみ、特に右肩を故障した影響がスローイングに現れ盗塁阻止率が極端に低下した。しかし打撃は好調でシーズンを通じて5番打者に定着し最終的に打率は3割を越え（.300）、出塁率（.365）得点圏打率（.352）はチームトップの成績であった。8月23日横浜戦では、プロ入り後初めて一塁手として出場。これは右肩痛で捕手としての守備が難しいものの巨人の攻撃の中心となっていた阿部を守備の負担が少ない一塁手として出場させた。2006年は2006 ワールド・ベースボール・クラシック日本代表に選出されたが、前年からの故障があり出場を辞退。コンバート問題は原監督がキャッチャーとして起用することを明言し、本人も捕手継続を希望したことで解消されている。

2006年は打率が4年ぶりに3割を割り、本塁打も自己最低の10本に終わるなど、打撃面ではあまり目立った活躍はできなかった。しかし、課題であった盗塁阻止率は.443と自己最高・リーグトップの数字を記録し、守備面の成長を見せ付けた。また、同年10月18日、日産の元ミスフェアレディの女性との婚約を発表。

入団当初はリード面での経験不足が指摘されたが大幅に改善されつつある。

年度別成績

年度	試合	打席	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	塁打	打点	盗塁	盗刺	犠打	犠飛	四球	死球	三振	併殺	打率	失策
2001	127	428	386	40	87	18	0	13	144	44	3	0	2	2	31	7	79	9	.225	4
2002	127	511	446	62	133	26	0	18	213	73	4	1	4	3	46	12	81	10	.298	6
2003	94	371	314	46	95	15	1	15	157	51	1	1	3	4	40	9	52	7	.303	7
2004	108	436	379	61	114	22	1	33	237	78	0	0	1	0	43	13	87	6	.301	2
2005	130	534	476	56	143	16	0	26	237	86	0	2	0	6	51	1	78	15	.300	11
2006	129	497	452	39	133	26	2	10	193	56	0	2	4	2	35	4	76	8	.294	3
通算	715	2777	2453	304	705	123	4	115	1181	388	8	6	14	17	246	46	453	55	.287	33

年度	試合数	刺殺	補殺	併殺	失策	捕逸	守備率	企図数	許盗塁	盗塁刺	阻止率
2001	125	846	63	8	4	6	.996③	68	44	24	.353④
2002	126	1013	65	15	6	9	.994③	50	30	20	.400④
2003	93	772	51	4	7	4	.992⑤	61	39	22	.361②
2004	108	894	56	10	2	4	.998②	56	38	18	.321③
2005	98	793	55	10	8	1	.991⑥	72	53	19	.264⑤
2006	128	916	83	7	3	7	.997②	88	49	39	.443①
通算	678	5234	373	54	30	31	.995	395	253	142	.359

主なタイトル

ベストナイン、ゴールデングラブ賞、最優秀バッテリー賞（相方は上原浩治）

いずれも2002年

エピソード

名前の由来は、母親が池畑慎之介のファンだったことから。
ひょうきんな性格からコミカルな面もみせており、松山千春などのモノマネをすることでも有名である。
地元出身で父の高校時代の同級生でもあるミスタータイガース掛布雅之(4代目)が少年時代の憧れ。左打ちも掛布の影響である。ちなみに掛布のものまねをよくテレビでもよく披露している（父親は習志野高校時代、掛布を差し置いて4番を打っていた）。
子供の頃のポジションはサードだったが、現役時代捕手だった父親の指示で捕手にコンバート。高校から捕手に専念するようになり、今では「（試合中常に考え続ける）捕手以外のポジションだと“間”が開き過ぎて打撃にも影響が出る」と語っている。
入団当時、目標とする選手は「古田敦也捕手です」と答えたが、後に同じ質問に「打てて守れる捕手です」と答えるようになった。
2005年に日本ハムOBと巨人OBの試合で9回に代打で登場し､同点ホームランも放っている（試合は9回引き分けだった）。
「ズームイン!!サタデー」（日本テレビ）内のスポーツコーナーでチーム内の中央大学OBの堀田一郎、亀井義行の3人で「中3トリオ」を結成。阿部は「二男」という位置づけとなっている。
得点圏、特にサヨナラの場面に強く「サヨナラ慎ちゃん」と呼ばれている。（通算サヨナラ安打･本塁打は2005年現在で既に9回を数える）
サヨナラ打など活躍した後のお立ち台で「最高でーす」と言う事でも有名である。2006年からはファンと一緒になって「最高、最高、最高でーす」と言うことになったが、2006年は一度も披露されずに終わった。2007年シーズンでは韓国語で最高の意味の「チェゴミダ」を言う事になったが、これは李承燁がお立ち台で｢最高です｣と日本語で言うのに対して｢それなら自分は韓国語で言おう｣ということからなったものである。
実は中央大学は卒業しておらず中退である。よって最終学歴は安田学園高校卒業。しかし、平日に試合が行われる東都大学野球連盟加盟校では、このようなケースは珍しいことではなく、卒業に準じた修了として扱われている。
打席に入る時のBGMは2006年はMINMIの『FRIENDS』だったが、2007年からは以前使用していたアース・ウィンド・アンド・ファイアーの『セプテンバー』に戻している。
2006年の深刻なイジメ問題に、自身も中学2年まで「顔」が原因でイジメにあっていた事を、読売新聞夕刊で告白した。
一年目には守備時に打者の打球が股間にあたったり、三塁への送球をかなり逸らしたり、デッドボールで両軍ベンチの選手が出てきてしまったりした（阿部本人は素直に一塁に行こうとしたが）事など、珍プレーが多かった。
野球漫画『おおきく振りかぶって』の登場人物である阿部隆也は、構想当初は、阿部「伸之介」という同音名であったが、この後に巨人に阿部が入団することとなり、混同を避けるため名前を「隆也」に変更している。

略歴

2000年 9月　中央大学在学中にシドニーオリンピック野球日本代表に選ばれる。
2001年　中央大学からドラフト1位（逆指名）で読売ジャイアンツに入団。127試合に出場。
- 2001年 3月30日　東京ドームの阪神戦にてプロ初出場、初安打、初打点。
- 2001年 4月13日　東京ドーム横浜戦にてプロ初ホームラン。
2002年　127試合に出場し巨人の日本シリーズ制覇に貢献。ベストナイン、ゴールデングラブ賞受賞。
2003年　94試合に出場。オールスター出場。
2004年　108試合に出場。オールスター出場。シーズン33本塁打は読売ジャイアンツ所属捕手での最多本塁打記録
- 2004年4月　月間16本塁打（日本タイ記録）を記録。月間MVPを受賞。
  - 2004年 4月9日-4月16日　6試合連続本塁打の記録を記録。
  - 2004年 4月28日　1試合3本塁打を記録。
2005年　130試合に出場。怪我のため一塁手としての出場も含む。
- 2005年 8月23日　横浜戦で、プロ入り後初めて一塁手として出場。
2006年 10月18日　会社員の女性との結婚を発表した。
2007年 6月9日　東北楽天ゴールデンイーグルス戦で球団史上第72代目の4番打者となり、2HR5打点の活躍を見せる。
2007年 6月14日　オリックス・バファローズ戦で平野佳寿から球団初の200満塁ホームランを決める満塁ホームランを放った。

外部リンク

先代: 二岡智宏

読売ジャイアンツ4番打者: 第72代

次代: -

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