ルアー

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ルアーとは釣りに用いる疑似餌の一種。金属、木、プラスチック、ビニールなどでできた本体とからなる。針そのものに装飾を施したものはフライあるいは毛針と呼ばれ区別される。

ルアーはその素材から、ハードベイトとソフトベイトに大きく2分され、さらにその形状からスプーンミノースピナーベイトジググラブシャッドテールなどに分類される。

ルアーの種類

ハードベイト

プラスチックや木、金属などの素材を様々な形に加工し、針を取り付けたルアーの総称。 プラグと呼ばれることもある。以下のような種類が存在する。

  • スプーン - 食事用のスプーンの先端のような、レンズ形をした金属の両端に穴を開け、その片方にフック、もう片方にラインを結ぶ「アイ」を取り付けた、単純な構造のルアー。1グラム程度の軽い物から、30gを超えるような物まで、対象の魚種によって様々なサイズが存在する。このスプーンが最初に出来たルアーで、偶然水中に落ちた食事用のスプーンに魚が食らい付いた所を目撃した者が考案したのがその始まりであった、と伝えられている。
  • スピナー - ブレード・と針にビーズやシンカーをつけたもの。古くからあるルアーで、主にトラウトフィッシングに使われる。
  • ミノー - ミノーは英語で小魚と言う意味を持ち、その名の通り小魚を模した形になっている場合が多い。基本的にボディーにアイがある。プラスチック、または木製のボディーの先端の下部にリップと呼ばれるプラスチック板が付いている。リールを巻くとリップが水流を受け、その抵抗によりルアーを潜らせると共に、ボディーを細かく振動させ、その動きで捕食魚を誘う。また、竿(ロッド)のアクションで動きをつけるジャーキングやトウィッチングといったテクニックも効果的である。ルアー自体の比重により、水に浮かぶフローティングタイプ、水中で停止するサスペンドタイプ、水に沈むシンキングタイプが存在する。長めのリップを持ち、深く潜ることができるミノーはダイビングミノーと区別して呼ばれる。
  • クランクベイト - 丸みを帯びた、高い浮力を持つ、プラスチック、または木製のボディーに、非常に大きなリップを持つ。リップの長さが長いほど深い水深まで潜る。潜ることができる水深によって、シャロークランク(約0~1m)、ミドルクランク(約1~3m)、ディープクランク(約3~5m以上)と区別されて呼ばれる。数は少ないが、サスペンドタイプとシンキングタイプも存在する。
  • シャッド - 細身のクランクベイトといった形、ミノーに似ているがこちらはおおむねリップにアイがついている。特に鱸科の魚の形を模して作られており、その魚が名前の由来。フローティングタイプ、サスペンドタイプ、シンキングタイプが存在する。
  • バイブレーション - リップレスクランクベイトとも呼ばれ、基本的にリップがついていない。投げて巻くだけで、水の抵抗を受けての振動と、それによる中に入っているラトル(金属製の玉)の音により魚を誘う。ラトルの入っていない、サイレントタイプも存在している。空気の抵抗が少なく、かなり遠くまで飛ばせる。いわゆるただ巻きで釣れるので初心者向けともいえる。数は少ないが、フローティングタイプとサスペンドタイプも存在する。
  • ラバージグ - 錘と針にラバースカートといわれる、細いゴムひもを針の周りにスカートにまとめたルアー。針にワームやポーク(豚の脂身を加工したもの)などをつけて使うことが多い。外見からは何を模しているのかわからないが、非常に根がかりしにくく、湖底や葦際を狙う場合に最も適したルアーといえる。分類上ハードベイトになるが、かなりソフトベイトに近い性質をもつ。錘の形でも多くの分類がある。「ラバジ」と略して呼ばれることも多い。
    • ラウンドタイプ - 銃弾のようなを形をした一般的なタイプ。
    • フットボールタイプ - 球の形をしたタイプ。ピンポイントを狙うのに向いている。
    • アーキータイプ - 先端がとがった形をしていて、さらに根がかりしにくいタイプ。
  • スピナーベイト - ラバージグの先端から、くの字型の針金が出ており、その先に一枚ないし二枚(さらに多いタイプもある)の金属製のブレードをもっている。巻くと水流を受け、ブレードが回転し、その振動と音、きらめきで魚を誘う。一目見ても魚が食いつきそうな形はしておらず、初心者には敬遠されがち。しかし、実際は極めて汎用性が高く、ゆっくり巻いても、速く巻いてもそれなりに魚を誘い、根がかりしにくく、比較的大きめの魚が釣れることから愛用する人は多い。「とりあえず一個ルアーを持っていくならスピナーベイトにする」という人も多い。ブレードには細長く葉っぱのような形をしたウィローリーフタイプや、丸みを帯びたコロラドタイプなどが存在している。それと枚数をあわせ、「コロラドシングル」や「ウィローダブル」など呼ばれる。「スピナベ」と略して呼ばれることも多い。
  • メタルジグ - 金属片にフックとアイを取り付けたルアー。金属的なきらめきで魚を誘う。その構造ゆえ非常に重く、とても速く沈むため、深場を狙うのに適している。活性が低い魚にも口を使わせやすいため、バスフィッシングにおいては冬場によく用いられる。
  • トップウォーター - 高い浮力で水面に浮き(バズベイトを除く)、その動きや水しぶき、水面でのバシャバシャといった音で魚を誘うタイプ。捕食の瞬間が目で見れるため人気が高い。様々な魚種に効果がある。このタイプは以下のように、さらに多くの種類に分けられる。
    • ペンシルベイト - 「鉛筆」という意味。その名のとおり、本体と針だけの単純な構造。そのためこれをただ巻いても、魚の様には動かないので、ロッドにより動きをつけ魚を誘う。トップウォーターの最も基本的なルアーである。
    • ポッパー - 「跳ねる」という意味。先端が大きく口を開いた形をしており、そこに水を受けて、水を跳ね飛ばしたり、「ポコン」という音を立てて魚を誘う。基本的に「ストップアンドゴー」と呼ばれるロッドアクションで使われる。
    • スウィッシャー - プラグの前後、または後ろにプロペラがついていて、リールを巻くとプロペラが回転し、音と波でアピールする。プロペラが空気の抵抗を受けあまり遠くまで飛ばないという欠点もある。
    • ダーター - 比較的マイナーなプラグ。見た目はポッパーと似ている。もぐるときの音で魚を誘う。
    • バズベイト - 「騒音」と名づけられたプラグ。スピナーベイトのブレードが大きな三角形のプロペラになっている。それに水流を受けることによって浮力を得て、プロペラが水面をかき回し、その音と水しぶきで魚を誘う。トップウォーター系では唯一水に沈むため、常に巻いていないといけない。
    • マウス・フロッグ - その名のとおり、ネズミやカエルを模したトップウォータールアー。根がかりしにくいよう工夫してあり、葦の中や睡蓮の上(リリーパッドといわれる)など、ほかのルアーでは必ず根がかりしそうな場所でも攻めやすい。しかし、その針の形状は雷魚や鯰向けで、ブラックバスに対してはあまりフッキングしにくいといった特徴もある。(針の形を工夫したバス用フロッグも存在する)

バスフィッシングにおいては、魚もスレて来ているためか、上記のどれにも分類できなかったり、2つタイプの中間のような独創的なハードベイトも多くなってきている。

ワーム・ソフトベイト

合成樹脂やラバーでできた柔らかいルアーの総称。 専用の針に絡めて、シンカーをつけたリグ(仕掛け)に付けて使用する。 リグにも多くの種類があり、その数だけ、魚の誘い方があるという奥の深いものである。 ミミズを模したルアーだと思われがちだが、基本的には魚を模したものである。合成樹脂の性質上、根がかりしたワームが半永久的に湖底に残り環境破壊につながるといわれている。その配慮として、自然に分解する素材から作られたワームも近年増えつつある。その形状によって以下のように分類される。

  • ストレート - テールも何もないシンプルな形状。そのシンプルさゆえに、ロッドアクションによる攻めの応用の幅が広い。
  • グラブ - 一般的には太目の本体の後ろに薄く渦を巻いたテールと呼ばれるものをつけたワーム。古くから人気があるワームである。テールをちぎって使う「イモグラブ」というものもある。
  • パドルテール - 本体はグラブに近いが、テールがオールのような形で甲殻類を模したワームである。
  • カーリーテール - 細身のグラブといった形。テールを最後の1cmほど残してきって使うカットテールワームはワーム攻略の一世代を築いたほどの人気の工夫。
  • リザード - 「トカゲ」という意味で、足と尾を模した5本のテールを持つ、非常にアピール度の高いワーム。日本では春先に効果があることから、バスには卵を狙う甲殻類に見えていると思われる。
  • シャッドテール・ヴィヴィットテール - 魚の形や、動きを忠実に再現すべく作られたワーム。Yの字型のテールで魚の尾ひれを再現したタイプや、円の上部と本体をつなげて、水面に垂直に立てたテールで水流を受けて振動するタイプ等がある。
  • クローワーム 太目の本体に、数本の細いまっすぐのテールを生やしたものや、ハート型のカーリーテールでエビやザリガニの外見を再現した形状のワーム。
  • チューブ ボールペンのキャップのような筒状のボディに、そこから枝分かれしたテールの付いたワーム。

その素材の加工しやすさから、上記のどれにも分類できない特殊な形状の物も多い。

リグ

ワームを使うための仕掛けのこと。基本的にシンカーの位置で名前が変わり、攻め方が変わる。

  • ノーシンカー - 針とワームだけのシンプルなリグ。浅いところや、ゆっくりした動き、ワーム本来の動きを生かしたリグといえる。比較的新しいリグである。
  • スプリットショット - ノーシンカーリグから少し離したライン上に直接軽めのシンカーをかませたリグ。古くからある基本的なリグ。
  • テキサスリグ - 銃弾型のシンカー(バレットシンカー)を針を結ぶ前にラインに通すというリグ。シンカーの後ろにビーズをはさむこともある。障害物を回避する能力が高く、葦や桟橋の下など、根がかりの可能性の高い場所に使うことが多い。
  • キャロライナリグ - テキサスリグの応用で、シンカーの後ろにスイベルなどをはさみ、20 - 30cm程度ワームから放して使う。比較的重いシンカーを使うことが多く、深めを狙う時に使う。軽めのシンカーを使うと「ノースキャロライナ」重いシンカーを使うと「へヴィーキャロライナ」という。ちなみにへヴィーキャロライナと呼ぶのは日本だけである。ヘヴィキャロと略して呼ばれることも多い。
  • ジグヘッド - 針に元からシンカーがついているもの。手軽で初心者にも使いやすいが、根がかりの可能性が高く、敬遠される場合もある。シンカーの形状やフックの形等で数多くのタイプが存在する。
  • ダウンショットリグ (ドロップショットリグとも呼ばれる) - アイにラインを結んだあと、再びアイにラインを通し、下に伸びたラインにシンカーをかませるリグ。ワームを小刻みに揺らしながら一定の場所に留めておく事ができ、じっくり攻める冬の攻め方や、プレッシャーの高いレイクに強い。特に日本では「常吉リグ」と呼ばれることもある。日本で流行したのは近年のことであるが、アメリカでは水中のウィード(水草)を攻めるときに有効なリグとして、古くから存在していた。
  • ワッキーリグ - ワッキーとは日本語では「変わった」と訳される。その名の示すとおり、少し変わったリグである。他のリグではワームの先端部に針を付けるが、ワッキーリグの場合はワームの中央部に針を取り付ける。一般的にはます針を使いシンカーは用いないことが多いが、ジグヘッドを用いた「インチワッキーリグ」や、ワームの先端にネイルシンカーを打ち込んだ「根こリグ」などの派生もある。

針の付けかたや種類、シンカーの形や位置等によりアイデアの数だけリグが存在する、と言っても過言ではなく、オリジナルのリグを研究する釣り人も少なくない。

国内の主なルアーメーカー

海外の主なルアーメーカー