電脳化

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電脳化(でんのうか)は、漫画アニメ作品「攻殻機動隊」シリーズに登場する架空のバイオネットワーク技術で、一種のブレイン・マシン・インタフェース(後述)というべき存在。

概要

脳に直接、膨大な数のマイクロマシンを注入し、神経細胞とマイクロマシンを結合させ、電気信号をやりとりすることで、マイクロマシン経由で脳と外部世界を直接接続する技術。これによって、ロボットなどのメカニックを直接操作したり、電脳ネット(作中におけるインターネットのようなもの)などのネットワークと直接接続したりできる。その結果、あらゆる情報がリアルタイムで検索・共有可能になり、完璧なユビキタスネットワークを構築した。可視化されたネットワーク上にあたかも自分が入り込んだかのように様々なネットワークを自由に行き来できるようになる。コンピュータなどの情報端末やネットワークにアクセスすることを作中では「ダイブする」と表現する。

電脳化することによって、他人との有線・無線交信などが行える他、自分の視覚情報などを感じたままに相手に伝えることができる。そのため、相手との極めて正確な意思疎通が可能になる。また、外部の記憶装置を、自分の記憶の一部として利用することもできる(作中では外部硬電脳と表記されている)。

この技術によって脳機能の解明もかなり進んでいるようだが、負の面として、現代のコンピュータと同じように、脳・人格そのものが、ハッキングの脅威にさらされる社会となっている。電脳ウィルス等の脅威にさらされ、自身の記憶の改ざんや、操り人形のごとく体を操作されたり、人格の乗っ取り[1]という事態も発生し得る。このような行為を防ぐため、多くの人は自分の電脳に攻性防壁防壁迷路と呼ばれるファイアーウォールのようなものを導入することで自分の身を守っている。

また、電脳化技術により、神経と機械の接続技術が確立したことで、脳・中枢神経系以外の肉体を機械で代行するサイボーグ技術(義体化)が登場・発達している。全身をサイボーグ化した人には、サイボーグとしての体(義体)と、人間個人としてのシェルに納められた脳という分離が起こっている。もし、シェルに収められた脳を他の義体に入れ替えてしまえば、外見と中身は別人という状態になるが、義体は量産型が主で、自動車のように多数のモデルが販売されているものの、ほとんど同じ外見のサイボーグが多数暮らしている社会となっており、個人の特定には「ゴースト」という概念が使われているようだ。

また欠点として、対象物を無意識に見るという行為ができない。これは、山田正紀による小説『イノセンス After The Long GoodBye』で語られている。

現実世界での技術進歩

ニューヨーク州立大学ジョン・シェーピン教授により電脳とも取れるラットに電極をつけた実験が既に行われている。ほか、ラットのの海馬を解析して人工海馬を作る実験も行われている。現在こうした研究は、工学分野ではブレイン・マシン・インタフェースという名で知られており、障害を持つ人々の生活をサポートすることを目標に、脳とコンピューターを接続するための基盤技術の開発が進められている[2]

注釈

  1. ^ いわゆる「ゴーストハック」と呼ばれるクラッキング行為。作中では重犯罪とされている。
  2. ^ 脳内チップが未来を変える! 米国サイボーグ研究最前線 - 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 - nikkeibp.jp

関連項目