ヤマハ・VMAX
ヤマハ・VMAX(ブイマックス)とは、1985年にヤマハ発動機から海外へ輸出が開始された大型自動二輪車の1つ。一時期、日本国内でも販売されていた。
概要
基本情報 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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排気量クラス | 大型自動二輪車 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エンジン | 1,197 cm3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
内径×行程 / 圧縮比 | __ × __ / __ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最高出力 | 99.3KW/7,500rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最大トルク | 12.0kg-m/7,500rpm | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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正式名称はVmaxである。アメリカではVmax12の名称で販売された。車体種別はネイキッドタイプともアメリカンタイプともとれない独特なもの。搭載されるエンジンは水冷4ストロークV型4気筒1,200cc。0mphからの発進加速での速さを競い合うドラッグレース、アメリカンなモータースポーツに参加する競技車両を彷彿させるデザインが、独特の魅力を醸し出す。発表当時、その加速力はポルシェをも凌ぐと言われ、ドラッグレースの距離0〜1/4マイル(約402m)までの到達時間は10秒台に到達する実力を誇った。発売からすでに20年以上経ったものの、日本の大型オートバイ市場の中でも根強い人気を保っている。また、燃料タンク(本物はシートの下)やエアダクトはダミーという、奇抜なデザインも人気になった。
Vブーストシステム
この車両最大の特徴は、Vブーストシステムと呼ばれる装置を搭載していたことであった。エンジンの回転数が6,000回転を超えた辺りからキャブレター下部にある、インテークマニホールドの前後を繋ぐバタフライバルブが開き始めて8,500回転で全開となり、1気筒当たりツインキャブ(2つのキャブレターが連結された状態)に変化し、高回転時のみ大口径キャブレターを装着した状態を作り出し、多量の混合気をシリンダー内に積極導入する仕組みである。実際、6,500回転あたりから豹変する強烈な吹け上がりは、当時の量産市販車世界最大の出力であった145psを実感させるに十分なものであった。但し、後に発売された国内仕様の車体には、馬力規制の関係上、採用は見送られた。しかしながら、国内仕様に後付でVブーストを搭載するキットや、フルタイムVブーストシステムなど、Vブーストに関係のパーツが販売されており、国内仕様を海外仕様以上に仕上げることも可能となった。
逸話
Vmaxを作る際、本国(日本)のエンジニアが、アメリカ合衆国側に「作るにあたってどの程度の出力を目安にすれば良いか?」と言う質問に対しアメリカ側は「出せるだけ」と即答したという事は有名な話。
製作しているうちにあまりにも重くなりすぎたため、当初の0-1/4マイルの目標タイムを達成できないと危惧したヤマハのエンジニアがどうせダミーなんだからとエアスクープを非金属製にしようとするや、デザイナーが「『エンジンの部品』がプラスチックのバイクなんてあるか!」と憤怒したため、フェンダー等を除く車体外装のほとんどはクロモリ鋼かアルミニウムで構成されている(もちろん目標のタイムはクリアされている)。
デビューのお披露目時、WGPのヤマハワークスライダー、ケニー・ロバーツによるバーンアウトのデモンストレーションと、初代カタログに2頁わたる見開きのバーンアウトの写真があまりにもセンセーショナルだったため、それ以降、北米ではVmaxタイプの、いわゆる「マッチョ・バイク」の保険料が高騰したという逸話が残っている。
時代を感じさせるエピソードではあるが、デビューから数年は「誰も全開にし続けた者はいない。」という伝説がまことしやかに世間に流布されていた。