イーサネット

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イーサネット (Ethernet) は、コンピュータネットワークの基本的な仕様を定義するもので、7層あるOSI参照モデルの下位二つ、基本的な物理層、データリンク層を規定する。OSI参照モデルを参照するため、上位のプロトコルを変更することなく、ネットワークの種類が変わったり、タイプの違うネットワークと組み合わせであっても、そのままネットワークを利用することが出来る。

etherは、どこにでも存在すると考えられていたエーテルの名からつけられた。

現状のオフィス(ビル、部屋)や家庭のネットワーク(ローカルエリア・ネットワーク:LAN)ではイーサネットとTCP/IPプロトコルの組合せが一般的である。

イーサネットには、速度と物理的な使用により種類がある。しかし種類が違ってもお互いに接続してコンピュータネットワークが構成できるようになっている。特にオペレーティングシステムなどのソフトウェアからは、違いを意識する必要はない。現在、最も普及しているのが100Mbpsの伝送能力がある100BASE-TXで、次世代規格として1000BASE-Tなどがある。

通信方式

基本的には、各端末は、任意の時刻にデータを送信できる。ただし、ネットワーク上には、一度に一つの端末しか送信できないため、複数の端末が同時に送信した場合は、データの衝突を各端末に通知する。通知を受けた各端末は、ランダムな時間、間隔をおいてから再送信する。こうした方式による通信方式を、CSMA/CD方式という。

ネットワークの形は、最初に標準化された10BASE5や、10BASE2などは、バス型ネットワークを構成していたが、現在、普及している10BASE-Tや100BASE-TXなどでは、ハブを介してスター型につなぐ方式になっている。

Macアドレスを持つ。


歴史

1972年1973年にかけて、Xeroxのパロアルト研究所 (PARC) において、ロバート・メトカフを中心に開発された。1973年5月22日、特許として登録したため、この日がイーサネットの誕生日とされる。発明当初の伝送速度は2.94Mbpsであった。これは、当時開発中のコンピュータAltoのシステム・クロックに合わせたためだとされている。

その後、インテルDECが開発に加わり、1979年、3社の頭文字をとってDIX仕様を制定する。伝送速度は10Mbpsだった。翌年の1980年には、この仕様をIEEE 802委員会に「Ethernet 1.0規格」として提出・公開した。

現在、普及しているイーサネットは、1982年に提案された「Ethernet 2.0規格」をもとに、1983年にIEEE 802.3 CSMA/CDとして策定された仕様である。

この後、ケーブルの媒体の種類(同軸・ツイストペア・光ファイバー)の違いや、伝送速度(1/10/100/1000/10000Mbps)の違いなどにより、さまざまな規格が策定されている。

10メガビット・イーサネット

10メガビット・イーサネットでは、物理層として主に三つのタイプのものが用いられた。

  1. 10Base-5(テンベースファイブ)
    太い同軸ケーブルを利用したイーサネットである。この同軸ケーブルに、タップという分岐装置を取り付けることにより、各装置との間で通信を行なう。タップは、同軸ケーブルの心線に針を刺すような形で接続を行なう。
    多くの同軸ケーブルが黄色だったため、イエローケーブルと言われることもある。
  2. 10Base-2(テンベースツー)
    10Base-5は、ケーブルが太いため引き回しに難点があったり、分岐装置の取り付けが面倒という問題点があった。そのため、同軸ケーブルだが細いものを、線の両端にコネクタを取り付けて、簡単に接続可能にするようにしたのが10Base-2のイーサネットである。
    コネクタを使った接続のため、取り扱いが容易になったが、分岐するときには一旦線の途中のコネクタを切り離し、T型の分岐コネクタを取り付けなければならないため、動的なメンテナンスにかけるという難点があった。
  3. 10Base-T(テンベースティー)
    UTPケーブルを使い、各末端機器とハブとを結んでスター状に配線をするイーサネットである。各機器は、ハブとの間だけで結線が済むため、動的に各機器を変更することが容易である。

100メガビット・イーサネット

  • 100Base-T(ヒャクベースティー)
    スイッチングハブを利用したスター型ネットワークのみ可能。UTPケーブルだけでなくSTPケーブルも使う場合がある。
  • 100Base-TX(ヒャクベースティーエックス)
  • 100Base-FX(ヒャクベースエフエックス)
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ギガビット・イーサネット

1ギガ・ビット/秒の仕様のイーサネットを言う。

  • 1000BASE-T(センベースティー)
    エンハンスドカテゴリー5(CAT5E)以上のUTPケーブルを使用する。10BASE-T/100BASE-TXとの互換性が高いため、一般にも普及し始めている。
  • 1000BASE-TX
  • 1000BASE-SX(センベースエスエックス)
  • 1000BASE-LX(センベースエルエックス)
  • 1000BASE-LH
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  • ジャンボフレーム

10ギガビット・イーサネット

10ギガ・ビット/秒の仕様のイーサネットを言う。伝送速度の関係から伝送媒体は光ファイバーが中心である。また、伝送媒体が光ファイバーであることからCSMA/CD方式ではないことも特徴である。

伝送速度による分類

  • 10GBASE-W WANを考慮しSONET/SDHとの接続が容易となるようにした規格(9.95Gbps)
  • 10GBASE-R LAN/MAN用規格(10.3Gbps)
  • 10GBASE-X 低速伝送を多重化した規格

伝送距離による分類

  • 10GBASE-C 15m以下(ツイストペア用規格:検討中)
  • 10GBASE-S 300m以下
  • 10GBASE-L 10km以下
  • 10GBASE-E 40km以下

普通は伝送速度と伝送距離を組み合わせて10GBASE-LRのように呼ぶ。現在利用されている規格は次の通りである。

  • 10GBASE-SR マルチモードファイバ 300m
  • 10GBASE-LR シングルモードファイバ 10km
  • 10GBASE-ER シングルモードファイバ 40km
  • 10GBASE-LX4 マルチモードファイバ 10km (3.125Gbps×4)

関連項目