豊島 (香川県)
香川県、瀬戸内海にある島
豊島(てしま)は 瀬戸内海の東部、小豆島の西方3.7kmに浮かぶ島。直島諸島に属す。行政区分は香川県小豆郡土庄町になる。
豊島 | |
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![]() 高松→土庄の船中から遠望 手前左は男木島 | |
所在地 | 日本(香川県) |
所在海域 | 瀬戸内海 |
座標 | 北緯34度28分00秒 東経134度04分00秒 / 北緯34.46667度 東経134.06667度 |
面積 | 14.4 km² |
海岸線長 | 19.8 km |
最高標高 | 340 m |
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地理と自然
- 山:壇山
- 標高339メートル。島のほぼ中央に位置し、頂上からは瀬戸内の島々を一望できる。天気の良い日であれば、瀬戸大橋や淡路島も見ることができる。
- 山頂付近には樹齢200年前後と見られるスダジイの群生林が見られ、麓にはクヌギ林が広がっている。ごく最近まで人の手が入っていたようで、里山の様相を呈する。
- 湧き水:唐櫃の清水
- 唐櫃岡(からとおか)地区にわき出る湧水。喉の渇きを覚えた弘法大師が杖で地面を掘ったところ、清水がわき出たとの伝承がある。
- 古くから地区住民の生活・交流の場として用いられてきた。
- 壇山の麓に広がるクヌギ林が豊かな水を涵養していると見られ、河川、ため池、水路などの水面面積は他の離島の3倍にもなる。
- 遺跡
- 礼田崎貝塚
- 島の南に位置する、西日本では最も古い部類の貝塚。およそ9000年前のものであることが確認された。
- 水ヶ浦遺跡・横引ヶ浜遺跡
- 島の西端に位置する、縄文末期から弥生時代にかけての遺跡。住居跡らしき形跡や出土品があったが、後述する産廃の不法投棄事件の折、事業者によって破壊された。
産業
- 特産の石材である「豊島石」が有名で、豊島村史によれば平安末期からおよそ1000年にわたって石の採掘が行われていたという。
- 水資源に恵まれ、自給して余るほどの農産物が生産されていた。また早くから酪農も行われていた。
- 瀬戸内の潤沢な漁場に恵まれて漁業も盛んで、文字通りの「豊かな島」であったが、過疎化と高齢化の煽りを受け、いずれの産業も不振に見舞われている。
教育と福祉
- 土庄町立豊島小学校
- 土庄町立豊島中学校
- 乳児院「神愛館」
- キリスト教社会運動家賀川豊彦によって、戦前のサナトリウム跡を利用して設立された乳児院。
- 農民福音学校
- 賀川豊彦によって設立された農民学校。セツルメント論に基づく教育が行われ、今日の大学レベルの農学が教えられたという。
- 特別養護老人ホーム「ナオミ荘」
- 知的障害者更生施設「みくに園」
離島にもかかわらず福祉施設が充実しているため、「福祉の島」として有名である。
交通
- 小豆島フェリー
北岸にある、豊島の中心地の家浦港と、北東岸の唐櫃(からと)港にフェリー乗り場がある。宇野港から、家浦港・唐櫃港に寄港して、土庄港とを結ぶ旅客フェリーが運航されている。
- 豊島フェリー
家浦港と高松港を結ぶ不定期旅客フェリーと、定期高速船が運航されている。
観光・名所・名産
- 宮の浜海水浴場
- 宮の浜、神子ヶ浜バンガロー
- 豊島石
- 壇山の麓に産する塩基性角礫凝灰岩。耐火性に優れ、多くは生活用品に加工された。また苔が付きやすい特性のために、灯籠などの石材にも重用された。
産業廃棄物問題
悪質な事業者により、1975年から16年間、産業廃棄物が違法且つ大量に投棄・野焼きされた。1990年に兵庫県警が摘発し明るみに出た。不法投棄の実態が不明であったため、公害等調整委員会が大規模な実態調査を行った結果、約56万トンの廃棄物が投棄されていたことが判明した。また、同委員会における調停手続において、事業者側が住民に解決金を支払うこと、香川県が住民に謝罪し廃棄物を撤去・処理すること等を定めた調停が成立した。この調停に基づき、現在、香川県直島において廃棄物の処理が行われている。
この問題発覚時、地元局・山陽放送がスクープし、全国ネットでも伝えられた。その後も住民側を取材し、香川県側の黙認姿勢を追及した。
現在不法投棄現場は一般の立ち入りを禁止しており、重機による産廃の掘り出しと、直島に産廃を移送するための梱包作業が行われている。 事前に予約を入れれば、産廃現場と産廃問題に関する資料館の見学が可能。
位置情報
関連リンク
- 廃棄物対策豊島住民会議
- 豊島問題ホームページ(香川県HP)