気候地形学

これはこのページの過去の版です。F077019 (会話 | 投稿記録) による 2009年6月30日 (火) 02:34個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎気候地形学史)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

気候地形学(きこうちけいがく Climate Geomorphology)とは、気候条件が地形形成に影響を与えるという点から、地形を考察する学問地形学に含まれ、気候学とも密接な関連がある。関連する地形形成作用としては、風化侵食作用のほか、土壌生成作用、岩屑移動が含まれる。

気候地形学的観点から気候帯ごとに気候地形(Climate Topography)の分類が行なわれる。同じ地質条件であっても、気候条件が大きく異ってしまうと、別の地形に発達することになる。気候帯の分布としては、極地方を中心とする氷雪気候地形区、中緯度~熱帯の湿潤気候下の地形区に2大別され、さらに乾燥(気候)地形区が帯状分布を破る区域として現れる。また、高度の高い山岳では、地表で見られる帯状分布が垂直方向に現れ、アルプスなどに見られるように、河食地形に続いて周氷河地形、氷食地形が高度とともに現れる。

歴史

約60年前までは地形の調査では、個々の地形の典型例に注目するのが普通であり、気候地形学はまだ新しい観点からの研究であった。気候に制約された風化および、土壌形成プロセスの細分は、F.フォン・リヒトホーフェン(1886)によって最初に試みられ、ロシアやアメリカなどの学者によって系統的に引き継がれていった。1933年以来、とりわけJ.ビューデルにより、気候は地形よりも速く変化するので、地表の起伏には、現在および過去の地形形成プロセスが反映されているとし、取り上げられてきた。

参考文献

  • 地形学辞典 町田貞ほか編 二宮書店 ISBN 4-8176-0023-3
  • 気候地形学 ヘルベルト・ウィルヘルミー著 谷岡武雄・北野善憲訳