マサ

マサ (Masa) は、石灰水処理したトウモロコシの穀粒から作られるパン生地であり、中央アメリカや南アメリカの伝統的な家庭料理に使用される。トウモロコシはグルテンを持たないので単純に製粉して加水し、こねてもパン生地としての粘り気は得られないが、石灰水処理によって粘り気のあるパン生地とすることができる。マサは主にトルティージャやタマレスの材料として使用される。

マサを薄く延ばして焼いたもの

メキシコでは、完熟したトウモロコシの穀粒を石灰および水と一緒に加熱処理し、一晩放置してから水でさらしてアルカリを除き、これを伝統的にはメタテと呼ばれるサドルカーン式の石臼とマノと呼ばれる石杵で、食品工業的には粉砕機で細かく挽くことによって作られる。マサを円状に薄く延ばして焼き、挽肉やチーズなどの具を巻くと、トルティージャとなる。マサを辛口の挽肉で包み、それをさらにマサで包むと、タマレスとなる。石灰水処理（ニシュタマリゼーション）の食品化学的意義についてはトルティージャの項目で詳述。