アイランド型カッター

これはこのページの過去の版です。Open-box (会話 | 投稿記録) による 2010年6月11日 (金) 21:47個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎関連項目)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アイランド型カッター英語: Island class cutter)は、アメリカ沿岸警備隊カッター。公称船型は110フィート級(WPB 110' class)。

アイランド型カッター
基本情報
艦種 110フィート型カッター
就役期間 1985年 - 現在
同型艦 49隻
前級 ポイント型/ケープ型
次級 センチネル型
要目
排水量 満載: 165トン
全長 110フィート (34 m)
最大幅 21フィート (6.4 m)
吃水 7フィート (2.1 m)
機関方式 ディーゼル×2基, 2軸推進
速力 29.5ノット (54.6 km/h)
航続距離 3,000海里 (5,600 km)
乗員 士官2名, 曹士14名
兵装 Mk.38 25mm単装機関砲×1基
M60 7.62mm機関銃×2丁
テンプレートを表示

本級は、従来使用されてきた82フィート級カッター(ポイント型)および95フィート級カッター(ケープ型)を更新するために開発された。コストを削減するため、設計はVT グループの既存の巡視艇に基づいている。平甲板船型で、船体は鋼製、上部構造物はアルミニウム合金製とされており、荒天時の運用で安定性を確保するためにフィンスタビライザーが装備されている。ただし就役当初は、荒天時の運用で船体に亀裂が入るという問題があり、WPB-1317以降では船首部が強化された。船首部未強化のWPB-1301〜1316はAシリーズと称されており、また、船首部強化済みのうち、機関がパクスマン-バレンタ 16 CMであるものをBシリーズ、キャタピラー3304TであるものをCシリーズと称する。

本型は、主兵装として、Mk.38 25mm単装機関砲を1基搭載する。これは、人力操砲の単装型マウントに、25mm×137弾を使用するチェーンガンであるM242 ブッシュマスターを搭載したもので、アメリカ海軍や沿岸警備隊の艦艇に広く搭載されているものであるが、発展型のMk.38 mod.2や海上保安庁20mmRFSのような遠隔操作・FCS連接型の機関砲システムに比べると、射撃精度の点では大きく劣る。

123フィート級の「マタゴルダ」。黄色い柵に囲われたスリップ・ウェイとSRP複合艇が見える。

2002年より、沿岸警備隊の総合的近代化計画である統合ディープウォーター計画の一環として、本型への改修が行なわれた。これは、船体後方を4メートル延長させて、ここにスリップ・ウェイが設置し、7メートル級の高速複合艇であるSRP(短距離追跡艇)を搭載するというものであり、改修された8隻のカッターは、123フィート級カッターと称されるようになった。しかし、船体延長工事は強度の低下を招き、船体に亀裂が生じるなど深刻な問題が生じたことから、2006年には123フィート型の全艇が退役に追い込まれている。

参考文献

関連項目