ポリーシャ
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ポリーシャの地図（20世紀）。
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| ポリーシャの森。イヴァン・シーシキン画 | ||
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| ポリーシャの沼地。イヴァン・シーシキン画 | ||
ポリーシャ（ウクライナ語：Полісся、ベラルーシ語：Палессе[1])は北ウクライナと南ベラルーシの間に位置する歴史的地名である。スラヴ人の発祥地であり、古代より東スラヴの文化と伝統が保存されてきた地域とされる。19世紀以降、東欧の人類学者のメッカとなった。20世紀末、チョルノーブィリ原子力発電所事故により著しい被害を受けた。
地理
ポリーシャの地名は「沼地の森林」の意味している。当地方は東欧平原の西部に位置し、プリピャチ川とブーフ川に挟まれる湿地と森林を連続した地帯となっている。
ポリーシャの中心地は現在ウクライナのヴォルィーニ州、リウネ州、ジトーミル州、キエフ州、チェルニーヒウ州、スームィ州の北部と、ベラルーシのブレスト州とホメリ州の南部を占めている。また、従来よりウクライナ人とベラルーシ人が居住していた現在のポーランドの東部（ルブリン県）とロシアの西部（ブリャンスク州）もポリーシャ範囲に含まれることもある。
ポリーシャの一流の河川はドニプロ川、デスナ川、ホールィニ川、ストクヒド川、スティル川、プツィチ川とヤセリダ川である。最大の都市はピンスク、トゥリウ、ブレストなどである。
歴史
- 3世紀：スラヴ・バルト文化圏が分立する。プリピャチ川の以北はバルト人、プリピャチ川の以南はスラヴ人の文化圏が成立する。
- 5世紀‐8世紀：ポリーシャは東スラヴ人に属するデレホーヴィチ族、ヴォルィニャーヌィ族、デレブリャーヌィ族、ポリャーヌィ族とシヴェリャーヌィ族の交際地となる。
- 10世紀：ポリーシャはキエフ・ルーシの領土となる。
- 12世紀末：キエフ・ルーシの分国としてトゥリウ・ピンシク公国が成立する。
- 13世紀：モンゴル帝国の侵略によりキエフ・ルーシが滅亡する。ポリーシャの大部分はキエフ・ルーシの後継者たるハールィチ・ヴォルィーニ大公国の領土となる。
- 14世紀半ば：ハールィチ・ヴォルィーニ大公国で大公朝が絶えたため、その後継者たるリトアニア大公国はポリーシャを支配下に置く。
- 14世紀‐16世紀：「ポリーシャ」の地名は初めて記録に登場する。当時は「ポドレーシェ」、「ポリャーシェ」、「ポリーシェ」と呼ばれる。
- 17世紀：ポリーシャはポーランド・リトアニア共和国の領土となり、ポーランド王国とリトアニア大公国の国境地帯となる。
- 18世紀：ポーランド・リトアニア共和国の分割によりポリーシャはロシア帝国の領土となる。
- 1918年：ロシア帝国の崩壊後、ポリーシャはウクライナ国の領土となる。
- 1920年：両共和国はソビエトのロシアに滅亡され、後者の傀儡国家たるウクライナ・ソビエト社会主義共和国とベラルーシ・ソビエト社会主義共和国はポリーシャを分割する。
- 1941年‐1944年：第二次世界大戦中、独ソ軍の進退によりポリーシャの人民は大きな打撃を受ける。
- 1975年：ポリーシャのチョルノーブィリで原子力発電所が建立される。
- 1986年：チョルノーブィリ原子力発電所事故によりポリーシャは放射性物質に甚だに汚染される。
- 1991年：ソ連が崩壊し、ウクライナとベラルーシが独立を果たす。ポリーシャは依然として両国の間に分割され、国境地帯となる。
人口
ポリーシャの人口は、ポリシチュク人（ポリーシャ人）が中心となっている[2]。彼らがウクライナ人の一派と見なされ、ウクライナ語の北部方言に属するポリーシャ語を用いる。ポリシチュク人の宗教は正教とカトリック教である。彼らの伝統は古代東スラヴ人の文化的特徴を色濃く保存している。
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教会 -
民家 -
四角の屋敷 -
養蜂舎
脚注
参考文献
- 『ポーランド・ウクライナ・バルト史 』/ 伊東孝之,井内敏夫,中井和夫. 山川出版社, 1998.12. (新版世界各国史 ; 20)
- Енциклопедія «Українська мова». — Київ, 2005. （＜ウクライナ語＞大辞典 / キエフ、2005.）