新聞縮刷版
新聞縮刷版（しんぶんしゅくさつばん）は主要新聞（産経新聞以外の全国紙・ブロック紙・地方紙）の紙面の原版のサイズを縮小して全ページを掲載する書籍やマイクロフィルム、CD-ROM、DVDの出版物のことをいう。
概要
一般に新聞縮刷版は毎月1回発行され、主として図書館等で閲覧することを目的に発行されている。書籍では紙面をA4サイズにリサイズ（縮小コピー）し、それを毎月1か月分まとめて掲載している。そのページ数は1日の総ページ数48ページ（朝刊32ページ、夕刊16ページ）を月31日に換算して実に1488ページに及ぶ（発行する新聞社や当日の紙面内容によってページ数が流動的に変わる）。また全国紙のそれは東京本社発行最終版を収録しているのが恒例となっている（テレビ番組欄・地方版も東京都心23区の版（新聞社によっては地方版は千代田・中央・新宿区で発行されるもの都央版の場合も）が掲載される）。
なお中日系列の各地方紙（東京新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井）は縮刷版を発行していないが、総本社である中日新聞（名古屋市内最終版）が「東京」等に代わり縮刷版を発行しており、関東・北陸地方の大型書店や「東京」・「北陸中日」・「県民福井」取り扱い新聞販売店でも入手可能である。
また、近年は省スペース化を図る目的からマイクロフィルム、あるいはパソコンで簡単に記事検索ができるようにしたCD-ROMやDVDによる縮刷版も発売されている。CD-ROMやDVDでは創刊当初（主要な新聞は明治、大正、昭和初期）からの紙面そのものを、PDF（ポータブル･ドキュメント･フォーマット）などを用いて高画質で再現（復元）できるようにしているのもある（これは、必要に応じてプリンターでプリントアウトして保存・収集することもできる）。
また、新聞社によっては誕生日（若しくは指定日）新聞の縮刷コピー発行サービスがあり、その場合は一般的に当日の朝刊の1面+テレビ（ラジオ）面がセットになるのが多い（但し新聞休刊日の場合はその日の夕刊。1月2日分は夕刊がないので3日朝刊を提供。また時代により1面が全面広告<特に昭和初期>になっていたり、番組表が存在しない場合には社会面を代わりとする新聞もあったりする）。有料だが、朝日新聞大阪本社の場合、毎年4月・5月ごろに「お誕生日新聞プレゼントキャンペーン」が行われる。八重洲ブックセンター東京本店には朝日の常設販売機があって1面と社会面いずれかが選べる。
特定の事件・出来事に関する縮刷版
大きな事件や出来事が発生した際に、その事件や出来事に関する記事のある主要なページを抜粋（もしくは全ページ掲載）した新聞縮刷版が発行されることもある。以下は例。
その他
原則として誤植・誤報・表現上の問題などがあった場合でも紙面の編集・加工などはせず原版をそのまま掲載しており、また訂正記事もそのまま載せている。但し例外として1950年9月27日朝日新聞朝刊の「伊藤律会見報道事件」といわれる捏造報道問題の箇所は、同年10月に発売された縮刷版で「お断り ここに掲載された伊藤律氏の会見記は事実無根と判明しましたので全文削除しました」として、当該記事の掲載を削除している[1]。
縮刷版を発行している新聞（日本）
- 全国紙
- 地方紙
- 業界紙
- 政党機関紙
過去に縮刷版を発行していた新聞
光ディスク（CD-ROM/DVD-ROM）版へ移行した新聞を含む。
- 地方紙
- 京都新聞（1967年〜1985年）
- 山陰中央新報（1966年10月〜1980年3月）
- 中国新聞（1966年8月〜1975年5月）
- 西日本新聞（1968年1月〜1969年12月）
- 琉球新報（1965年9月〜1969年、1993年8月〜1999年）
- 業界紙
- 電波新聞（1967年1月〜1997年8月）
- 政党機関紙
- しんぶん赤旗（光ディスク版で発行）
- 宗教機関紙
縮刷版を発行していない新聞
- 全国紙
- 地方紙
- 業界紙