ホクリクサンショウウオ
ホクリクサンショウウオ(Hynobius takedai)は、両生綱有尾目サンショウウオ科サンショウウオ属に分類される有尾類。
ホクリクサンショウウオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[a 1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Hynobius takedai Matsui & Miyazaki, 1984 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ホクリクサンショウウオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Hokuriku salamander |
分布
形態
オス10.8センチメートル、メス10.1センチメートル[1][a 2]。体側面に入る皺(肋条)は左右に12本ずつ[1][a 2]。尾は側偏するが鰭状にはならない[a 2]。
上顎中央部に並ぶ歯の列(鋤骨歯列)はやや切れこみの浅いアルファベットの「U」や「V」字状[1][a 2]。四肢はやや短く[1]、胴体に沿って前肢(および指)を後方へ後肢(および趾)を前方に伸ばしても接することは無い[a 2]。趾は5本[a 2]。
卵嚢の表面に入る皺が不明瞭[1][a 2]。オスは背面の色彩が暗褐色[1][a 2]。メスは背面の色彩が黄褐色で不明瞭な斑紋が入る[1][a 2]。
アベサンショウウオ、トウホクサンショウウオと類似した外見を持ち、両者の中間的な存在とされる[4]。外見からこれらと区別して特定することは困難である[3]。過去にはこれらと混同されたこともある[3]。成体での特定は難しいが、卵嚢に入った条の模様によって特定することができる[4]。トウホクサンショウウオ、アベサンショウウオの卵嚢にはある横条がホクリクサンショウウオのそれには存在しない[4]。
生態
夜行性で、日中は落ち葉や木の下に隠れている[3]。標高250m以下の低い山の裾や丘陵に生息する[3]。湧き水や水溜り、雑木林などで繁殖し、そこからあまり移動しない[3]。
食性は動物食で、節足動物、陸棲の巻貝、環形動物などを食べる[a 2]。幼生は節足動物、環形動物などを食べ、餌が少ない場合は共食いも行う[a 2][3]。
繁殖形態は卵生。堆積物が多い水中で産卵する[3]。1-4月に林縁周辺の池や側溝にある落ち葉や木の枝など[3]に26-148個の卵を1対の卵嚢に包んで産む[1][a 2]。卵は3月に孵化する[1][a 2]。幼生は7月以降に変態し幼体になるが、幼生のまま越冬し翌年の春季に変態する個体もいる[1][a 2]。生後3年で性成熟する[1]。
人間との関係
開発や渇水による生息地の破壊、水質汚染などにより生息数は激減している[1]。ペット用の乱獲、人為的に移入されたアメリカザリガニによる幼生の捕食などによる生息数の減少も懸念されている[a 2]。