10・15モード燃費

これはこのページの過去の版です。EmausBot (会話 | 投稿記録) による 2013年4月11日 (木) 09:03個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (ボット: 言語間リンク 1 件をウィキデータ上の d:Q10854266 に転記)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

10・15モード燃費(じゅう・じゅうごモードねんぴ、テン・フィフティーンモードねんぴ)とは、1L燃料で何km走行できるか、自動車の使用状況を配慮して決定する燃費測定方法のこと。

概要

かつて、燃費は一定の速度(日本では普通自動車の制限速度の上限である60km/h)でテスト走行を行った結果(定地燃費)を燃費として表示していた。しかし加速回数が多くなる市街地の走行では燃料の消費量が大きくなること、また、60km/hにおける定地燃費を意識するあまり、極端なギア比と出力特性のエンジンを組み合わせた自動車が登場するなど、表記上の燃費と実際の燃費が乖離し実態とそぐわない状況が生じてしまった。そこで新たに採用されたのが、市街地を想定した10項目の走行パターンを想定した10モード燃費、そして郊外を想定した15項目の走行パターンを加えた10・15モード燃費である。

なお、このテストは実走ではなくシャーシダイナモ上で行うが、その際に駆動輪に与える荷重は車両重量ごとに区分が分けられている。そのため、同じエンジンや駆動系を備える同一車種の中でも、グレードによってはわずかな重量差から負荷の区分が異なってしまい、燃費の差が生じている。例として、2代目フィットでは同じ1.3LのFF車で、1,010kgの車体が24.0km/Lであるのに対して、1,030kgの車体は21.5km/Lとなる。また、前者にサイドエアバッグなどのオプションを装着すると、燃費表記は後者と同じ21.5km/Lの扱いとなる。なお、定地燃費よりは乖離は小さいものの、依然として実際の燃費とは差が生じている。また、アイドリング状態の燃料消費も測定対象に入るため、停車中に自動的にアイドリングストップを行う一部の車種については極端に良い値が出ることもある。

国土交通省認可時の測定条件

  • 3,000km 慣らし走行後の車両
  • 完全暖機状態 60km/h 15分暖機後モード測定
  • 走行抵抗設定 車両(空車)状態+110kg(2名乗車分)
  • 搭載電気機器 OFF状態
  • エアコン OFF状態

2011年4月より新試験モードとしてJC08モードに変更される事が、2006年11月1日付けで国土交通省より公示されている。

10モードの走行パターンは都心部(靖国通り)、15モードは郊外(甲州街道)での走行パターンをモデルにしたとされる。

測定方法

  • 10モード燃費測定
    1. アイドリング状態 (20秒)
    2. 20km/hまで加速する (7秒)
    3. 20km/hをキープして走行 (15秒)
    4. 20km/hから減速して停止 (7秒)
    5. アイドリング状態 (16秒)
    6. 40km/hまで加速する (14秒)
    7. 40km/hをキープして走行 (15秒)
    8. 40km/hから20km/hまで減速 (10秒)
    9. 20km/hから40km/hまで加速 (12秒)
    10. 40km/hから減速して停止 (17秒)
  • 15モード燃費測定
    1. アイドリング状態 (65秒)
    2. 50km/hまで加速する (18秒)
    3. 50km/hをキープして走行 (12秒)
    4. 40km/hに減速して走行 (4秒)
    5. アクセルをオフにした状態 (4秒)
    6. 40km/hから60km/hまで加速 (16秒)
    7. 60km/hをキープして走行 (10秒)
    8. 60km/hから70km/hまで加速 (11秒)
    9. 70km/hをキープして走行 (10秒)
    10. 70km/hから50km/hまで減速 (10秒)
    11. 50km/hをキープして走行 (4秒)
    12. 50km/hから70km/hまで加速 (22秒)
    13. 70km/hをキープして走行 (5秒)
    14. 70km/hから減速して停止 (30秒)
    15. アイドリング状態 (10秒)
  • 上記10モードでの測定3回、15モードでの測定1回の結果から算出される。
  • この間、車両から排出されるガス中のHC、CO、CO2の排出量(g/km)を測定し、カーボンバランス法により燃費を計算する。

関連項目

外部リンク