ピラタス PC-6
PC-6 ポーター
ピラタス PC-6(Pilatus PC-6)は、スイスのピラタスが開発した軽飛行機。単発プロペラ機であり、生産機数は900機以上。初飛行は1959年5月4日。愛称はポーター/ターボ・ポーター(Porter/Turbo Porter)。
概要
多目的軽飛行機であり、山岳地帯や雪上でも運用が容易なように、高いSTOL性能と丈夫な機体構造を有している。胴体断面は角型であり、高翼配置の主翼となっている。エンジンは初期型はレシプロエンジン、後にターボプロップエンジンとなった。アメリカ合衆国のフェアチャイルド社でもライセンス生産され、21世紀に入ってからも生産が継続されている。
山岳地帯や極地での運用評価は高く、日本の南極地域観測隊でも用いられたほか、ネパールでの標高5,750mにある氷河上への固定翼機の高所離着陸記録を持っている。
STOL性に優れていた事から、ベトナム戦争ではエア・アメリカが軽輸送機として使用していた他、末期にはフェアチャイルド製の機体を使用してAU-23と呼ばれるミニ・ガンシップを製造してタイに供与している。また、アメリカ陸軍は2機のターボ・ポーターをUV-20A チリカフア(Chiricahua)の名称でベルリンでの活動に使用していた。
派生型
- PC-6 ポーター
- 最初の量産型。エンジンはアブコ・ライカミング製GSO-480-B1A6ピストンエンジン(340hp)を搭載。
- PC-6/350 ポーター
- エンジンをIGO-540A1A(350hp)に変更。
- PC-6/A ターボ・ポーター
- 最初のターボプロップ型。チュルボメカ製アスタゾウIIE/G(390kW)を搭載。
- PC-6/A1 ターボ・ポーター
- エンジンをアスタゾウXII(427kW)に変更。
- PC-6/A2 ターボ・ポーター
- エンジンをアスタゾウXIVE(427kW)に変更。
- PC-6/B ターボ・ポーター
- エンジンをプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製PT6A-6A(410kW)に変更。
- PC-6/B1 ターボ・ポーター
- エンジンをPT6A-20(410kW)に変更。
- PC-6/B2-H2 ターボ・ポーター
- エンジンをPT6A-27(507kWを410kWに減格)に変更。現在生産中。
- PC-6/C ターボ・ポーター
- エンジンをギャレット製TPE331-25D(429kW)に変更。フェアチャイルド社で試作機が作られた。
- PC-6/C1 ターボ・ポーター
- エンジンをTPE331-1-100(429kW)に変更。
- PC-6/C2-H2 ターボ・ポーター
- フェアチャイルド社による独自の派生型。エンジンはTPE331-101F(485kW)を搭載し、主翼下に4箇所のハードポイントを装備し武装可能となった。AU-23の名称で正式採用。
- PC-6/D-H3 ターボ・ポーター
- ターボチャージャー付きアブコ・ライカミング製エンジンを搭載した試作機。