MADムービー
既存の映像や音楽などを、個人が編集、再構成したコンテンツ
MADムービー (マッド-)とは、既存の音声・ゲーム画像・動画・アニメーションなどを個人が合成し、再構成したものである。主にファン活動の一環として行われる。
- アニメーションを複数合成して作成したアニメMAD(またはMADアニメ)
- ゲームなどの静止画を複数合成し、音楽をつけて動画作品とした静止画MAD
- 製作者自身が撮影した実写映像とアニメソング等を合成した実写MAD
- ゲーム・ラジオやTV放送の音声のみを合成した音声MAD(「つぎはぎニュース」などはこれに分類される。「ムービー」ではないが、便宜上併記した)
などに大別される。
制作方法
素材となる音声や画像・動画をキャプチャやリッピング、ソフトウェアからの場合はsusieなどのツールを用いて準備し、各種編集機材やアプリケーションソフトで編集する。 静止画MADやアニメMADでは、Adobe PremiereやAfter Effectsが作成に利用されることが多い。
上記のノンリニア編集はPC性能の発達した1997~8年頃から利用されるようになったが、それ以前は複数台の録再機とミキサーを利用したリニア編集が主であった。 現在においても少数ではあるがリニア編集にて作成している作者も存在する。
流通と社会の対応
MADムービーの前身は、1970年代末頃から大学のサークルなどで製作されていたMADテープである。これらは、カセットテープに収録した上で同人誌と同様の流通経路で流布されていた(同様にビデオテープをもちいたMADビデオも存在した)。大阪芸術大学の学生がアニメーションサークルで作ったテープが起源だと言われている。
近年ではインターネット環境の整備や、パソコンの性能向上によってマルチメディア能力が向上したため、インターネットを通じて流通することが多い。FTPやP2Pファイル共有ソフトも積極的に利用されている。インターネットで流通する場合は後述する数々の理由によりファイルの分割・偽装や埋め込み・暗号化が行われることも多々ある。
また製作者や好事家による上映会も行われている。
MADムービーの作成は素材となる作品の著作権者に無断で行われることがほとんどであり、しばしば著作権の侵害として問題になる。