香盤

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香盤(こうばん)は、香道に使われる盤。詳細は香道#香道の道具を参照。

香道の香盤は、碁盤の升目のように縦横の直線で構成される。これと見た目が似ていることから、香盤と呼ばれる事柄がある。以下は、いずれも興行界の用語であるが、互いに全く別の事柄を指している。

劇場における香盤

劇場における香盤は、劇場客席の座席表である。観客がどこに座るかを示す。

制作裏方における香盤

  • 出演者と出演時期(出演順番、登場時刻、場面)を対比させた表。
    • 演劇・撮影・イベント等で裏方が用いる進行表。スケジュール表。細かな時間単位で区切られる。
  • ストリップティーズなど興行の出演者リスト。および登場順番。
    • 10日単位など長い単位で決定される。寄席で、この意味を指す言葉として「番組」という語が使われる。寄席での香盤は下記の通り別の意味になる。

落語界における香盤

落語における香盤は落語家内部の序列を表す。表として実在するのでなく、あくまで抽象的なものであり、「落語家相互の順番」である。これによって、協会内部の序列、落語家相互間の私的交友における上下関係(座る位置、どちらが敬語を使うか、命令できるのはどちらかなど)、寄席の割りを直接決定する。

香盤は落語家の協会内部で作成される。その順序は他の協会では通用しない。香盤の順位は身分階級が絶対的な基準となる(この場合、「会長・副会長」も一つの身分である。また、落語協会のみ「役員」という身分がある)。そして、同一身分階級内での上下は、その身分になった順番により決まる。

  1. 会長・副会長経験者 - 会長になった順
  2. 副会長経験者 - 副会長になった順
  3. 現役の会長
  4. (落語協会のみ)役員 - 役員になった順
  5. 真打 - 真打昇進順
  6. 二つ目 - 二つ目昇進順
  7. 前座 - 前座身分になった順(注:現在は、実際の入門のあと、見習いを経ないと前座になれない)

江戸落語では香盤は常に公開されており、現在ではウェブサイト等で一般に公開されている。上方落語では、香盤は存在するが部外者には公開されておらず、決定基準も明らかにされていない。協会が落語家に与えるペナルティとして、その落語家の香盤を下げることがある。