荒野の果てに

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荒野の果てに』は、

  1. 朝日放送制作の必殺シリーズ第1作『必殺仕掛人』の主題歌。
  2. クリスマス・キャロルの一つで、キリスト教においては、聖歌・讃美歌となっている楽曲である。以下に詳述する。

キリストの降誕を羊飼いに告げる天使

荒野の果てに(あらののはてに、フランス語: Les Anges dans nos Campagnes英語: Angels We Have Heard on High)とは、クリスマス・キャロルの一つで、キリスト教教会においては、聖歌・讃美歌でもある。

概説

この歌は16世紀に遡るフランスの伝統的なキャロルが元となっている。英語で一般に使われる歌詞は、1862年にジェイムズ・チャドウィックが翻訳したものである。

フランス語での原題である「 Les Anges dans nos Campagnes(レ・ザンジュ・ダン・ノ・カンパーニュ)」とは、「我らが牧場(野辺)にて天使が」の意味である。(フランス語の campagne は、「田舎・田園地帯・地方」や、「戦場」というような意味であるが、ラテン語を起源としており、古い用法としては、「平野・平地・野辺」という意味がある)。英語では、「 Angels We Have Heard on High(いと高き処に我らは聞きたり、御使いたちが)」と訳されている。

英語の翻訳の場合も、元のフランス語の歌の場合も、最初の「御使い(天使)たち」は、二行目に続く歌詞の主語となっている。フランス語の場合、「 Les anges dans nos campagnes / Ont entonné l’hymne des cieux 」と続き、「我らが牧場にて、御使いたちが、天より聖歌を歌い始めり」という意味になる。チャドウィックによる英語の翻訳の歌詞では、「 Angels we have heard on high / Sweetly singing o’er the plains 」となり、「いと高き処に我らは聞きたり、御使いたちが、牧場を越えて甘美なる歌をうたいし(ことを)」という意味である。

このクリスマス・キャロルは、「Gloria(グロリア)」のチューンで普通歌われ、英語では、エドワード・シッペン・バーンズ英語版が編曲した曲で歌われることが多い。

曲の特徴

英語で一般に使われる旋律は、上記のバーンズのものであるが、バーンズの曲の特徴は、ラテン語で歌われる斉唱部分の「 Gloria in excelsis Deo 」の歌い方に特徴がある。この部分はメリスマを使った、長く続く旋律の高低移行が独特で印象的である。

Gloria in excelsis Deo(いと高き処に神に栄光あれ)」は「グロリア・イン・エクチェルシス・デオ」であるが、この「グロリア」を長く伸ばしてメリスマの旋律を歌う。

グロー・オー・オー / オー・オー・オー / オー・オー・オー / オーリア / イン・エクチェルシス・デーオー

このように、グロリア(栄光)のなかの「オ」の部分を長く伸ばして歌う。

日本語訳の聖歌

日本語訳では、実は、カトリック教会の『カトリック聖歌集(1966年版)』にある「あめ(天)のみつかいの」が有名である。クリスマス(降誕)ミサでの司祭退堂(閉祭)の歌としてよく歌われている。『カトリック聖歌集』以前の『公教聖歌集(1933年版)』では「あふげやあふげ」というタイトルであった。第二バチカン公会議(1962~65年)後に発行され、現在のミサで主流となっている『典礼聖歌集』もしくは『カトリック典礼聖歌集』では日本人作曲のものという編集方針のため、この曲は含まれていない。しかしながら、クリスマス・キャロルの日本語聖歌が大変少ないため、よく親しまれているこの聖歌が用いられている。 また、プロテスタント系である日本基督教団の『讃美歌 (1954年版)』などでは、「荒野の果てに」というタイトルになっている。このタイトルは、『讃美歌21』でも継承されており、他方、『聖歌』と『聖歌 (総合版)』では、「君なるイェスは 今生(あ)れ坐(ま)しぬ」というタイトルとなっている。なお、『カトリック聖歌集(1966年版)』『公教聖歌集(1933年版)』『賛美歌(1954年版)』、いずれも最初の行から歌のタイトルが取られている。

『カトリック聖歌集(1966年版)』では121番、『公教聖歌集(1933年版)』では36番、また、『讃美歌 (1954年版)』では 106番で、同じ日本基督教団の『讃美歌21』では 263番、そして日本福音連盟の『聖歌』では 138番に、聖歌の友社の『聖歌 (総合版)』では86番に、『日本聖公会聖歌集』では91番に割り当てられている。「賛美歌 106番、荒野の果てに」と呼ばれることも多いが、これは日本の日本基督教団讃美歌委員会が編纂した『讃美歌 (1954年版)』での番号である。

フランス語の歌詞

英語の歌詞

外部リンク


references: en:Angels_We_Have_Heard_on_High, 05:10, 23 March 2007 を参照して作成(一部翻訳)
contributors: Georgia guy, SimonP, The Anome, 80.168.224.248, Kommodorekerz et al.