IRCAM

フランスの、音響および音楽の探求と共同のための研究所

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IRCAM(イルカム)はパリポンピドゥー・センターが管轄する音響音楽研究所である。正式には Institut de Recherche et Coordination Acoustique/Musique と称される。

IRCAM 正面玄関
大ホール、エスパス・ドゥ・プロジェクション
地下2階廊下。地上部から日光を取り入れる構造になっており、地下でも明るい。右側のガラスで仕切られた部分は各オフィスおよび研究室になっている
無響室
北隣のポンピドゥーセンターからIRCAMの建物とストラヴィンスキー広場の池、南隣のサンメリ教会を見下ろした俯瞰写真

IRCAMの組織はポンピドゥー・センターが管轄するが、建物はポンピドゥー・センターの中ではなく、その南隣に位置するストラヴィンスキー池(ジャン・ティンゲリーニキ・ド・サンファル夫妻の可動噴水彫刻がある)の地下に存在する。これは建物を切り離し地下に置くことで外部からのノイズを可能な限り遮蔽するためである。内部には、残響をコントロールする可動壁や多くの常設スピーカーを抱えたコンサートホールをはじめ、無響室や録音スタジオなど様々な音響実験のための施設、およびサーバーに接続されたコンピュータ端末によるマルチメディア図書館などを備えている。

1970年より計画が開始され、ピエール・ブーレーズが初代総裁に就任した。音響技術の研究をはじめ、フランスの現代音楽シーンに絶大な影響を与えている。作曲家、特に若手に対し研究員制度を設けて学習研究の機会を提供しており、初期よりここで研鑽を積んだ作曲家は数多く、中でもスペクトル楽派と呼ばれる共通の作風を持つ一派は、フランスの現代音楽の主要な潮流を占めるほどの影響力を持っている。

またアンサンブル・アンテルコンタンポランという現代音楽アンサンブル団体が所属し、IRCAMとの協力によって生まれる作曲家たちの作品の演奏に多大な貢献を果たしている。

2006年1月1日より、それまでの総裁ベルナール・スティグレールに代わって、フランク・マドレーネが新たな総裁に着任した。マドレーネはそれまでアルス・ノヴァ・ブリュッセルやムジカ・ノヴァ・ストラスブールなどの現代音楽祭の音楽監督を務めている。IRCAM総裁就任の挨拶では、ラジオフランスをはじめとするフランスやヨーロッパの様々な外部団体とのコラボレーション計画を抱負として語っており、今後IRCAMが外部団体に対して開かれた機関として働いていくことが期待される。

関連項目

外部リンク