S&W M19

これはこのページの過去の版です。Panda 51 (会話 | 投稿記録) による 2016年4月2日 (土) 11:40個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (全体に構成整理、出典追加。)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

S&W M19は、スミス&ウェッソン(S&W)社が開発した回転式拳銃。1955年の発売当初はコンバットマグナムCombat Magnum)と称されており、1957年にモデル・ナンバー制度が導入されたあとでも、通称として残っている[2]

S&W M19[1]
S&W M66(4インチモデル)
概要
種類 回転式拳銃
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
設計・製造 スミス&ウェッソン
性能
口径 9 mm
銃身長 64 mm (2.5インチモデル)
102 mm (4インチモデル)
152 mm (6インチモデル)
ライフリング 6条右回り
使用弾薬 .38スペシャル弾
.357マグナム弾
装弾数 6発
作動方式 シングル/ダブルアクション
全長 205 mm (2.5インチモデル)
重量 905 g (2.5インチモデル)
テンプレートを表示

また、本銃をもとに、ステンレス鋼を導入した派生型であるS&W M66も本項で扱う。

来歴

1930年代に登場した.357マグナム弾は、先行する38-44 HV弾と同様、基本的には.44スペシャル弾のために設計された頑丈な拳銃を小口径化するかたちで運用されていた。S&W社でも、.357マグナム弾と同時に発表したS&W M27は、大型のNフレームにもとづいている。しかしこのような大型拳銃は、特に法執行官が日常業務で携行するのは困難であった。このことから、当時のコンバットシューティング第一人者であったビル・ジョーダンの意見を取り入れて[3]、従来は.38スペシャル弾用のミリタリー&ポリスなどで用いられてきたKフレームリボルバーをもとに、.357マグナム弾を使えるように強化して開発されたのが本銃である[2]

設計

上記の経緯より、本銃は、Kフレームをもとに、ヨーク(シリンダーの保持機構)部分をわずかに拡張したKターゲット・フレームを用いて設計されている[2]。調整可能なリアサイトを持ち、角を落としていない末広がりの長方形のスクウェアバット型グリップ、ターゲットタイプのグリップなどを備えた。

.357マグナム弾を常用するとシリンダーの歪みや破損などを起こすことがあり、そのため、Kフレームよりもひと回り大きいLフレームを採用したM586という1980年に開発された。現在は熱処理技術の向上と、シリンダーの溝の位置変更のおかげでシリンダーの破損の危険は低くなっている。

M19は1999年に、M66は2005年に生産中止となっていたが、M66は新仕様で2014年に再生産されている。

登場作品

本場アメリカの警察で採用例が多いため、アメリカアクション映画ドラマなどではステージガンとして頻繁に登場し、漫画やアニメーション作品などの他、モデルガンエアソフトガンとしても商品化されている。

映画・テレビドラマ

相棒season14
廃工場に潜んでいたチンピラが角田課長を撃った銃。
アウトレイジ
石原が2.5インチモデルを使用。グバナン大使に闇カジノの経営を強制させるシーンに登場(発砲なし)。また、大友組を裏切り、山王会にカチコミに行くフリをする場面で、自身の横領を知っていた舎弟の頭に本銃の銃口を突き付け、車内で射殺する。
ガントレット
ベン・ショックリー刑事(クリント・イーストウッド)が、M66の2.5インチを使用。
刑事貴族
須藤刑事が使用。
ザ・シークレット・サービス
冒頭のシーンに登場する。
西部警察
『ゾーン・オブ・ザ・デッド』
『ソルトン・シー』
ダイ・ハード2
タイトロープ
ウェス・ブロック刑事(クリント・イーストウッド)が、M66の2.5インチを使用。
チャイルド・プレイ
チャールズ・リー・レイ(ブラッド・ドゥーリフ)が、2.5インチモデルをマイク刑事との銃撃戦で使用。
トレーニングデイ
バトルロワイアル
元渕恭一が使用していたものを、主人公の七原秋也が使用。
『バレットブレイク』
ハンチョウ〜神南署安積班〜
3シリーズ共に村雨秋彦刑事が使用。
フェイス/オフ
ショーン・アーチャー刑事(ジョン・トラボルタ)が、M66の2.5インチをバックアップガンとして使用。
ブラインド・フューリー
ブラックレイン
ニックの相棒チャーリー・ビンセントが、M66の2.5インチを所持しており、後に松本刑事からニックへ遺品として渡される。
ブロークン・アロー
ペイバック
主人公ポーター(メル・ギブソン)が使用。
マイアミバイス
ジーナが使用。
もっとあぶない刑事
谷村刑事が初期の頃に2.5インチモデルを使用している。
蘇える金狼
TVドラマ版にて茂義賀津夫がM66を使用。
ラスト・ボーイスカウト
ジョー・ハレンベック(ブルース・ウィリス)がM19の2.5インチを使用。
リーサル・ウェポン
ロジャー・マータフが使用。

漫画・アニメ

ゴルゴ13
ゴルゴ13が2.5インチモデルをS&W M10 2インチ、S&W M36 2インチとともに愛用。
シティーハンター
16巻で槇村香が使用。
ニセコイ
鶫 誠士郎が、ブレザーの袖に仕込み拳銃として携帯している。グリップは製もしくはそれに似た色のもの。
ルパン三世
次元大介が、アニメでは4インチモデル、漫画ルパン三世Y』では2.5インチモデルを使用。ステンレスモデルではないが、使いこまれて表面処理が剥がれ、銀色になっている。

ゲーム

WarRock
ゲーム内通貨で購入可能。
バトルフィールド ベトナム
メタルギアソリッド ピースウォーカー
作中で唯一の回転式拳銃として登場。開発が進むと長銃身化やレーザーサイトの付加も可能となる。

参考文献

  1. ^ 床井雅美『最新ピストル図鑑』徳間書店、1993年、239頁。ISBN 978-4195776544 
  2. ^ a b c Jim Supica、Richard Nahas『Standard Catalog of Smith & Wesson (Third Edition)』Gun Digest Books、2007年、185-188頁。ISBN 978-0896892934 
  3. ^ Skelton, Skeeter (1969). “Bill Jordan - Top Gun”. Shooting Times Magazine 4 (11). http://www.darkcanyon.net/BillJordan_TopGun.htm 2016年4月2日閲覧。. 

関連項目