薄 (駆逐艦)

薄（すすき）は、大日本帝国海軍の駆逐艦で、樅型駆逐艦の12番艦である。

艦歴

計画	1917年度^[1]
起工	1920年5月3日^[1]
進水	1921年2月21日^[1]
就役	1921年5月25日^[1]
その後	1940年4月1日哨戒艇編入、第三十四号哨戒艇と改名^[1] 1941年高速輸送艦に改造^[1] 1943年3月6日船団護衛中「矢風」と衝突し沈没^[1] 1943年5月1日第四予備哨戒艇^[2]
除籍	1945年1月10日^[2]
性能諸元（計画）
排水量	基準：公表値 770トン常備：850.00トン
全長	全長：290 ft 0 in (88.39 m) 水線長：280 ft 0 in (85.34 m) 垂線間長：275 ft 0 in (83.82 m)
全幅	26 ft 0 in (7.92 m)または7.93m
吃水	8 ft 0 in (2.44 m)
深さ	16 ft 3 in (4.95 m)
推進	2軸 x 400rpm 直径 8 ft 6 in (2.59 m)、ピッチ3.378m または直径2.565m、ピッチ3.353m
機関	主機：ブラウン・カーチス式オールギアードタービン(高低圧) 2基^[3] 出力：21,500shp ボイラー：ロ号艦本式缶(重油専焼) 3基
速力	36ノット
燃料	重油250トン
航続距離	3,000カイリ / 14ノット
乗員	計画乗員 107名^[4] 竣工時定員 110名^[5]
兵装	45口径三年式12cm砲単装3門三年式機砲 2挺 53cm連装発射管 2基4門魚雷8本
搭載艇	内火艇1隻、18ftカッター2隻、20ft通船1隻
備考	※トンは英トン

艦歴

1920年（大正9年）5月3日、東京石川島造船所で起工^[6]。1921年（大正10年）2月21日午後3時30分進水^[7]。同年5月25日竣工^[8]。

1937年（昭和12年）から1938年（昭和13年）まで、日中戦争において華北沿岸の作戦に参加した^[1]。

1940年（昭和15年）4月1日、哨戒艇に類別変更。第三十四号哨戒艇に改称。

太平洋戦争において南方で海上護衛、哨戒作戦に従事^[1]。1943年（昭和18年）3月6日、船団護衛中にカビエン南方で特務艦矢風と衝突し沈没^[9]。同年5月1日、第四予備哨戒艇となり、1945年（昭和20年）1月10日に除籍。

艦長

※『日本海軍史』第9巻・第10巻の「将官履歴」及び『官報』に基づく。

艤装員長

石井先知少佐：1921年2月10日^[10] - 1921年3月19日^[11]

駆逐艦長

石井先知少佐：1921年3月19日^[11] - 1921年7月1日^[12]
西川速水少佐：1921年7月1日^[12] - 1922年12月1日^[13]
久我徳一少佐：1922年12月1日^[13] - 1923年6月11日^[14]
長尾惣助少佐：1923年6月11日^[14] - 1924年12月1日^[15]
広瀬末人少佐：1924年12月1日 - 1927年6月20日
（兼）宮武重敏少佐：1927年6月20日^[16] - 1927年12月1日^[17]
高橋一松少佐：1927年11月15日^[18] - 1928年12月10日
中川浩少佐：1928年12月10日 - 1929年10月3日
村上暢之助大尉：1929年10月3日 - 1931年11月2日
佐々木丙二大尉：1931年11月2日^[19] - 1932年5月30日^[20]
森可久少佐：1932年5月30日^[20] - 1932年12月1日^[21]
野間口兼知大尉：1932年12月1日^[21] - 1934年11月15日^[22]
田村礼三少佐：1934年11月15日^[22] - 1935年11月15日^[23]
（兼）宇垣環少佐：1935年11月15日^[23] - 1936年5月26日^[24]
（兼）愛甲文雄大尉：1936年5月26日^[24] - 1936年12月1日^[25]
（兼）上杉義男少佐：1936年12月1日^[25] -

脚注

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ 『日本海軍史』第7巻、301頁。
^ ^a ^b #日本海軍全艦艇史資料編「主要艦艇艦歴表」12頁。
^ #帝国海軍機関史下巻pp.589-590(四八五-四八六頁)
^ #一般計画要領書p.16、士官6名、特務士官3名、下士官26名、兵72名
^ #海軍制度沿革10-1(1972)pp.601-602、『大正八年六月十日(内令一八二) 海軍定員令中左ノ通改正セラル二三等驅逐艦定員表ヲ附表ノ通改ム | 第六十表 | 二三等驅逐艦定員表 |(詳細、備考略) |』將校、機關將校6人、特務士官准士官3人、下士26人、卒75人
^ #T10公文備考24艦船1/駆逐艦菊、葵、萩、薄、藤製造一件(1)画像3『大正九年五月三日株式會社東京石川島造船所取締役支配人内田徳郎海軍大臣加藤友三郎殿貳等驅逐艦薄起工修了御届ノ件貳等驅逐艦薄今三日午前拾壱時起工ヲ了シ候間此段御届申上候敬具(終)』
^ #T10公文備考24艦船1/駆逐艦菊、葵、萩、薄、藤製造一件(2)画像33『大正十年二月二十一日(中略)二等驅逐艦薄今二十一日午后三時三十分無事進水執行ヲ了シ候間此段御届申上候敬具 (終)』
^ #海軍制度沿革11-2(1972)pp.1074-1075、昭和3年2月14日附内令第34号、艦船要目公表範囲。
^ 『日本海軍護衛艦艇史』99頁。
^ 『官報』第2557号、大正10年2月12日。
^ ^a ^b 『官報』第2588号、大正10年3月22日。
^ ^a ^b 『官報』第2676号、大正10年7月2日。
^ ^a ^b 『官報』第3102号、大正11年12月2日。
^ ^a ^b 『官報』第3259号、大正12年6月12日。
^ 『官報』第3684号、大正13年12月2日。
^ 『官報』第142号、昭和2年6月21日。
^ 『官報』第279号、昭和2年12月2日。
^ 『官報』第266号、昭和2年11月16日。
^ 『官報』第1455号、昭和6年11月4日。
^ ^a ^b 『官報』第1624号、昭和7年6月1日。
^ ^a ^b 『官報』第1778号、昭和7年12月2日。
^ ^a ^b 『官報』第2364号、昭和9年11月16日。
^ ^a ^b 『官報』第2663号、昭和10年11月16日。
^ ^a ^b 『官報』第2818号、昭和11年5月27日。
^ ^a ^b 『官報』第2976号、昭和11年12月2日。

参考文献

海軍省/編編『海軍制度沿革巻十の1』明治百年史叢書第182巻、原書房、1972年4月（原著1940年）。
海軍省/編編『海軍制度沿革巻十一の2』明治百年史叢書第185巻、原書房、1972年5月（原著1941年）。
海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第9巻、第10巻、第一法規出版、1995年。
片桐大自『聯合艦隊銘銘伝』光人社、1993年。
- 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』普及版、光人社、2003年。
『日本駆逐艦史』世界の艦船 1992年7月号増刊第453集(増刊第34集)、海人社、1992年。ISBN 4-905551-41-2。
世界の艦船 No. 507 増刊第45集『日本海軍護衛艦艇史』（海人社、1996年） ISBN 4-905551-55-2
日本舶用機関史編集委員会/編『帝国海軍機関史』明治百年史叢書第245巻、原書房、1975年11月。
福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1。
「二等駆逐艦及水雷艇一般計画要領書附現状調査」。

アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
- 『大正10年公文備考巻24 艦船1/駆逐艦菊、葵、萩、薄、藤製造一件(1)』。Ref.C08050173100。
- 『大正10年公文備考巻24 艦船1/駆逐艦菊、葵、萩、薄、藤製造一件(2)』。Ref.C08050173200。

薄 (駆逐艦)

目次

艦歴

艦長

脚注

参考文献

関連項目