ヨルディ・クラーシ

オランダのサッカー選手

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ヨルディ・クラーシ(Jordy Clasie, 1991年6月27日 - )は、オランダハールレム出身のサッカー選手クラブ・ブルッヘKV所属。オランダ代表。ポジションはミッドフィールダー

ヨルディ・クラーシ
名前
ラテン文字 Jordy CLASIE
基本情報
国籍 オランダの旗 オランダ
生年月日 (1991-06-27) 1991年6月27日(33歳)
出身地 ハールレム
身長 169cm
体重 69kg
選手情報
在籍チーム ベルギーの旗 クラブ・ブルッヘKV
ポジション MF
利き足 右足
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2010-2015 オランダの旗 フェイエノールト 131 (8)
2010-2011 オランダの旗 エクセルシオール (loan) 32 (2)
2015- イングランドの旗 サウサンプトン 48 (1)
2017- ベルギーの旗 クラブ・ブルッヘKV (loan)
代表歴2
2008-2009 オランダの旗 オランダ U-18 3 (0)
2009-2010 オランダの旗 オランダ U-19 12 (0)
2010-2013 オランダの旗 オランダ U-21 12 (1)
2012- オランダの旗 オランダ 15 (0)
1. 国内リーグ戦に限る。2017年5月28日現在。
2. 2015年3月12日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

経歴

クラーシはを故郷のハールレムでキャリアをスタートさせる。彼に最初のシューズを送ったのは父親の友人だったヴィレム・ファン・ハネヘムで、ハールレムのストリートでフットボールをするのを度々見かけていたファン・ハネヘムは、小さなクラーシが大きなポテンシャルを備えていることを見抜いたという。クラーシはハールレムのHVV DSKでクラブ・フットボールを初め、同じくハールレムのHFC EDOを経て、自身が11歳となった2000年のある大会でフェイエノールトのスカウトの目に止まり、移籍が決まった。

フェイエノールト・ユース

フェイエノールトのユースチームに入ったクラーシは電車、または全てを差し置いてでも息子をプロのフットボール選手にしようと願った父親の運転する車で毎日ハーレムからロッテルダムへ通った。クラーシも父親同様に家族を大切にする人間であり、兄弟と特に父親が彼にとって全てに近い存在であることから、彼らの名前をタトゥーにして体に刻んでいる。

フェイエノールト・ユースでも、その体格からトップ選手になれるか多くの大人に疑問視されていたが、育成責任者 ステンリー・ブラルトがそのフットボール能力を高く評価してクラーシのための特別メニューを組むなど尽力した。いつかデ・カイプでプレーする事を夢見ていたクラーシは遂にU17チームへ到達。同じチームにはレロイ・フェルルク・カステグノスステファン・デ・フライエルヴィン・ムルデルリッキー・ファン・ハーレンと多くのタレントがおり、クラーシはそこでファン・ハーレン、シャビル・イソフィと共に中盤を組んだ。2008-09シーズンにフェイエノールトはA1とA2でリーグ戦優勝。クラブの財政難でAユニオールの多くの選手がトップチームへ上がっていたため、クラーシはこの両チームでキャプテンとしてプレー、シーズンで2枚のカンピューン・スハールを掲げている。

クラーシは2010年8月15日にレンタル先のSBVエクセルシオールにおいてプロデビュー。相手はフェイエノールトだった。この試合でエクセルシオールは3-2という勝利を挙げ、クラーシは1週間後にはナイメヘンでNECナイメヘン相手に初ゴールを決める。エクセルシオールで不動のスタメンとなったクラーシはこのシーズンでリーグ戦32試合出場2得点という数字を残した。

フェイエノールトへの帰還

2011年夏にフェイエノールトに戻ったクラーシは監督 ロナルド・クーマンのもとでプレシーズンからスタメンのポジションを掴み、プレーするチャンスを得ることに成功。フェイエノールトでの公式戦デビューはリーグの初戦となる、昨シーズンに所属していたエクセルシオールとのアウエーゲームだった。その後FCフローニンゲンとのホームでの試合でフェイエノールトでの初ゴールを決めると、シーズンを通じて1試合に欠場したのみで、エールディヴィジのトップMFに成長した。活躍を見せたクラーシはDe Telegraafなどが主催するエールディヴィジ年間最優秀選手ランクで2位となりZilveren Schoen(シルバーブーツ)を受賞、プレゼンターとして彼にそのシューズを授けたのは今回もファン・ハネヘムだった。

2012-13シーズンは、背番号を前シーズンの16番から6番に変更。ステファン・デ・フライに続く第2キャプテンを任され、デ・フライが怪我で離脱した期間はキャプテンマークを巻いてチームを率いた。このシーズンのクラーシは足首、肩、鼻の負傷に苦しむなど決してトップパフォーマンスではなかったが、33試合出場とチームで2番目に長くピッチに立っている[1]。2013年7月6日にフェイエノールトと4回目となる契約にサインし、2016年まで契約を延長した[2]

フェイエノールトのリーダー

2013-14シーズンも不安定なチームの中で本来のパフォーマンスをなかなか発揮できなかったが、次第に調子を取り戻す。3月9日のFCフローニンゲンとのアウエーゲームからキャプテンに就任。アルヘメーン・ダッハブラットとフットボール・インターナショナルの年間最優秀選手ランクでどちらも2位と高い評価を得た[3]

2014年夏の移籍市場でFC Portoから強い関心を受けていたが、移籍金で合意に至らず、フェイエノールトが6年ぶりの欧州戦本大会となるELグループステージ進出を決めたことで残留を選択。8月29日にフェイエノールトと実に5回目となる契約にサインし、2018年まで契約を延長した[4]。名実共にリーダーに成長したクラーシはピッチ内外でチームを牽引、シーズンスタートに失敗したチームを落ち着かせ、自身もワールドカップからわずか1週間のバカンスでの合流というタフなスケジュールながら次第に調子を上げ、第10節のカンブールとのアウエーゲームではフットボール・インターナショナルで週間最優秀選手に[5]、第19節のアヤックスとのアウエーゲームでも好パフォーマンスを見せ、同じくフットボール・インターナショナルで週間最優秀選手に[6]、アルヘメーン・ダッハブラッドには10月と1月の最優秀選手に選ばれた[7] [8]。シーズン終盤にはチームの失速と呼応するかのように自身も調子を落としたが、シーズン・トータルではアルヘメーン・ダッハブラッドとフットボール・インターナショナルの年間最優秀選手ランクでどちらも2位と評価を得た[9]

ステップアップの準備が整ったと感じたクラーシは2015年7月15日にサウサンプトンFCへの移籍を決断、5年契約にサインした。移籍金はボーナス込みで推定約1500万ユーロと報道されており[10]、フェイエノールトが受けとったのはボーナス抜きで推定クラブ史上歴代3位の約1280万ユーロ (レンタルでプレーしていたエクセルシオールが5%を、talentpoolが18.33%を受け取った)[11][12]。2017年夏にクラーシがボーナス条件を満たしたことで移籍金の総額が1500万ユーロに達し、フェイエノールトのクラブ記録と報じられた[13]

代表歴

オランダ代表として各年代でプレーした。

プレースタイル&評価

中盤の底でゲームをコントロールする役割を得意としており、小柄だが競り合いに負けないフィジカルと前進守備のタイミングを見極める視野で相手からボールを奪い、密集地帯でもボールを奪われないボールコントロールの技術と、数10m先へ正確なパスを送るキックテクニックを備える。

ヴィレム・ファン・ハネヘムは自らのかつてのチームメイト ヴィム・ヤンセンを例に出し「彼も繋ぎ役の選手。多くのものが見えており、テクニックを備えているから競り合わなくてもボールを奪えることができる。そして何より重要なのは、常に前を見て、ボールを前へと運ぼうとする選手だということ」と評した[14]

また、ファン・ハネヘムはクラーシがオランダ代表でのデビュー戦であるトルコとのワールドカップ予選で低調な出来だったことを受け、「彼は司令塔 (spelverdeler) ではなく、黄金の繋ぎ役 (verbindingsspeler) 。だから彼のプレーは周りの選手たちの能力に大きく影響されるんだ」とチームメイトの支援を受けられなかったクラーシを擁護[15]、その言葉の通りにクラーシは数日後のハンガリーとのワールドカップ予選では活躍を見せた。

フェイエノールトの監督 ロナルド・クーマンもクラーシをチームに欠かせない重要な選手と認めつつ、「彼の存在が効果を発揮するのはチームがコンパクトなプレーでスペースを狭められている時。そういう時には彼はベストの力を発揮し、常にフリーマンを見つけることができる。しかしスペースが大きくなると彼にはまだそれを上手く埋めるだけの能力が無いため、彼は難しい状況になるんだ」[16]と彼のプレーがチームの状況に大きく左右されることを指摘した。

エピソード

  • 11歳当時、クラーシにはアヤックスも関心を持っていたが、クラーシはアヤックスについて後にこう語っている:

「突然アヤックスから手紙が来て、僕を獲りたいと言ってきた。距離から言えばずっと楽だったかもしれない。それにアヤックスは有名だからね。多くの選手がそこでブレイクして国外にステップアップしている。普通ならアヤックスを選ぶのは当然なんだろうけど、僕にはそうは感じられなかった。僕の心には最初の瞬間からフェイエノールトがマイン・クラブとして刻まれていたんだ」

  • クラーシは18歳の時に右腕に家族の名前と共に‘You mean everything in my life’の文字を馴染みのタトゥー屋に入れてもらったが、2012年に出演したオランダのTV番組で見せた際にネットに流れた画像から'everyting'となっているのを指摘され、何年も経って初めてスペルミスに気付いた。新聞等メディアでも取り上げられて話題になったが、クラーシは「僕の注意が足りなかった」とタトゥーを入れてくれた相手を責めず、後日同じ人に正しいスペルに入れ直してもらった。
  • フェイエノールトのカルチャーである『不言実行』を本人も大事にしており、大口を叩くことは皆無。その一方で感情的な人間であることを本人も認めており、ジルフェーレン・スヒューンを受賞した2012年のフットボール・ガラでのスピーチの際や、2014年ワールドカップ前にファン・ハネヘムからビデオ・メッセージを貰った際、フェイエノールトでの2013-2014シーズン最後のロナルド・クーマンとのお別れセレモニーの際、Southamptonの選手として2015年プレシーズンにデ・カイプでフェイエノールトとのお別れ試合を行った際などに涙を堪えられない姿を見せている。
  • 2015年プレシーズン、サウサンプトンがデ・ルテでトレーニングキャンプを行っていた際、ホテルに帰るマウンテンバイクにアヤックス・ステッカーが貼ってあったために(デ・ルテの施設はアヤックスも伝統的に使用している)乗るのを拒否、スタッフにステッカーを剥がしてもらった[17]
  • ファミリーネームのアクセントは第1音節にあるが、日本ではクラシーと表記されることもあり (-ieは通常長音では発音されない) 、その場合は本来の発音には存在しない母音にアクセントが置かれる。ただ2014年ワールドカップで出場した際にはTBSの実況が「クラッシー」と発音したことが大きな衝撃を与え、Twitterで試合中「ふなっしー」がトレンド入りした。

個人成績

クラブ シーズン リーグ リーグ カップ 国際大会 合計
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
エクセルシオール 2010-11 エールディヴィジ 34 2 1 0 - 35 2
合計 34 2 1 0 - 35 2
フェイエノールト 2011-12 エールディヴィジ 33 3 0 0 - 33 3
2012-13 33 2 2 0 4 0 39 2
2013-14 32 1 3 0 2 0 37 1
2014-15 31 2 1 0 12 0 44 2
合計 129 8 6 0 18 0 153 8
サウサンプトン 2015-16 プレミアリーグ 22 0 2 0 1 0 25 0
2016-17 10 0 3 1 2 0 15 1
合計 32 0 5 1 3 0 40 1
通算 196 10 12 1 21 0 229 11

脚注

  1. ^ http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail.aspx?contentcode=20130603_competitie_cijfers_speelminuten
  2. ^ http://www.feyenoord.nl/pages/newsdetail.aspx?contentcode=20130705_clasie_contract
  3. ^ http://www.feyenoord.nl/nieuws/nieuwsoverzicht/feyenoorders-scoren-hoog-in-individuele-klassementen
  4. ^ http://www.feyenoord.nl/nieuws/nieuwsoverzicht/jordy-clasie-tekent-bij-tot-2018
  5. ^ http://www.vi.nl/speler-van-de-week/clasie-de-kleine-spelmaker-ontgroeit-nederland.htm
  6. ^ http://www.vi.nl/speler-van-de-week/onverzettelijke-aanvoerder-geeft-feyenoord-zelfbewustzijn.htm
  7. ^ http://www.ad.nl/ad/nl/5619/Feyenoord/article/detail/3780720/2014/11/01/Clasie-speler-van-de-maand-met-dank-aan-Messi.dhtml
  8. ^ http://www.ad.nl/ad/nl/5619/Feyenoord/article/detail/3844206/2015/02/04/Clasie-Absoluut-geen-spijt-dat-ik-ben-gebleven.dhtml
  9. ^ http://www.fr-fans.nl/nieuws/clasie-wordt-tweede-in-klassement-algemeen-dagblad-17524/
  10. ^ http://www.telegraaf.nl/telesport/voetbal/feyenoord/24274053/__Clasie_heeft_heel_goed_gevoel__.html
  11. ^ http://www.fr12.nl/nieuws/32505-ad-feyenoord-ontvangt-128-miljoen-voor-clasie.html
  12. ^ http://www.fr12.nl/nieuws/32440-excelsior-ontvangt-45%25-van-transfersom-clasie.html
  13. ^ http://www.telegraaf.nl/telesport/28427884/__Clasie_levert_Feyenoord_exact_15_miljoen_op__.html
  14. ^ http://www.feyenoord.nl/nieuws/nieuwsoverzicht/52603
  15. ^ http://www.ad.nl/ad/nl/1049/Oranje/article/detail/3313859/2012/09/10/De-boel-opschudden-dat-kan-je-aan-Louis-wel-overlaten.dhtml
  16. ^ http://feyenoord.netwerk.to/nieuws/artikel/30580_Koeman%3A%20'Clasie%20momenteel%20een%20genot%20om%20naar%20te%20kijken'.php
  17. ^ http://www.ad.nl/ad/nl/10444/Offside/article/detail/4105737/2015/07/22/Clasie-weigert-op-fiets-met-Ajax-sticker-te-rijden.dhtml

外部リンク