観測問題

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観測問題(かんそくもんだい)とは、量子力学において「状態は波動関数(確率に関係する量)でしか表現されえず、むしろ様々な状態の重ね合わせである」とされ、この様々な状態(縮退)は観測することで一つの状態(波動関数)に変わってしまう収縮という現象を解釈することは常識から考えれば困難である(例としてシュレーディンガーの猫が挙げられる)ことである。 理論的には、波動関数の時間発展は決定論的であるのだが、 どの波動関数に収縮するかということは確率論的なものであるために、 量子力学の枠組みで再現できないという問題点がある。

これには、様々な解釈がある。コペンハーゲン派は基本的に収縮を認める立場であるが、収縮を道具(実用的な利用価値だけを認め、解釈には触れない)と見做す道具主義的な立場である現代コペンハーゲン派の立場と、収縮の詳細を積極的に解釈すべきであるという立場に分かれる。エヴェレット解釈多世界解釈)は字面からか、一般に平行世界説という誤ったイメージが先行しているようであるが、内容はそうではない。 もともとは、観測者を特別視せず、観測者も記述の中に含めようという考え方から生まれた解釈である。アルベルト・アインシュタインは、どの波動関数になるかは、人間の英知が追い付いていないだけで、実際は決まっている(隠れた変数の存在)とした。神はサイコロを振らない1926年12月にアルベルト・アインシュタインからマックス・ボルンに送られた手紙の、"He does not throw dice" 日本語訳、「彼(Old One、創造主)は賽を投げない」という記述)は有名な言葉である。しかし、この解釈はベルの定理によりクラスター分解性を失うことが知られている。

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