さんだる

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さんだる』は、日本のバンド、たまのメジャー1stアルバム。1990年7月10日にクラウンレコードにて製作され、アクシックより販売された。

『さんだる』
たまスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル フォーク
プログレッシブ・ロック
時間
レーベル アクシック
プロデュース たま
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1990年度年間35位(オリコン)
たま アルバム 年表
さんだる
(1990年)
ひるね
1991年
『さんだる』収録のシングル
  1. さよなら人類
    c/w らんちう」

    リリース: 1990年5月5日
  2. オゾンのダンス
    c/w ワルツおぼえて」

    リリース: 1990年9月21日
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解説

たまのメジャー1stアルバム。初回限定版はステッカー付きでボックスジャケット仕様。ジャケットイラストはメンバーの知久寿焼。大ヒットした「さよなら人類」がオリジナル・ヴァージョンで収録されている。

なお、前年にナゴムレーベルから発売されたアナログレコード「しおしお」から5曲リメイクされている。

また、当譜は1997年8月21日に再リリースされている。2012年12月12日にはブリッジから「たまCD再発企画シリーズ」の第一弾として次作『ひるね』紙ジャケットで再リリースされた。ボーナストラックとして「さよなら人類」と「らんちう」のシングルヴァージョンは勿論の事、初CD化となる「さよなら人類/らんちう」のカセットシングルにしか収められていなかった「さよなら人類」と「らんちう」のカラオケヴァージョンが追加収録された[1]

収録曲

  1. 方向音痴(3:01)
    (作詞・作曲:知久寿焼
    イントロはタムだけだが、ライブや「しおしお」ではアコーディオンのフレーズが入る。冒頭の歌詞は知久が当時「朝の日記」を書いている時に浮かんだものだという[2]。また、知久によれば、当初はもっとテンポが速かったが、それでは歌うのが難しかったためテンポを落としたという[2]
    イカ天初登場時のキャッチコピーである、「かなしい気持ちはとっても不安定」は、この歌の歌詞の一部に由来する。
    後に8thシングル「星を食べる」のカップリングとしてシングルカットされる。JACMソング。
  2. おるがん(5:07)
    (作詞・作曲:知久寿焼)
    知久が古道具店で3000円のオルガンを見つけて買ってつくった曲。オルガンを弾く柳原は、ギターもオルガンも知久からの借り物なので「楽器を返すことを考えると、たまから離れられない」と冗談めかして語っていた。
    知久によれば、病気で死にそうな子供が、頼んでもいないのに勝手にオルガンを弾き始めた祖父に対して、礼儀として嬉しい顔をしようとするという歌であるらしい[2]
  3. オゾンのダンス(2:41)
    (作詞・作曲:柳原幼一郎
    後にシングルカットされた。2005年に柳原がセルフカバーし、ソロアルバム『ふたたび』に収録された。
    元は「野球拳」、「青大将に気をつけて」という曲であり、一部は「夜はなぞなぞ」という曲に由来するらしい[2]。柳原によれば、「蒲田行進曲」のようなリズムの曲を作るという意図で制作されており、最後の太鼓は1960年代のソウルに由来しているという[2]。また、最後の「まんじゅしゃか」という歌詞は山口百恵の楽曲「曼珠沙華」を元にしているとも語っている[2]
  4. 日本でよかった(5:06)
    (作詞・作曲:滝本晃司
    インディーズ時代のカセットテープ「たゆたひ」にも収録されている。
    滝本によれば、市役所で戸籍謄本を取りにいったときに「日本でよかった」と思ったことがきっかけで制作されたという[2]
  5. 学校にまにあわない(8:02)
    (作詞:石川浩司 / 作曲:たま)
    間奏の語りは、ライブ毎に違う。当譜の中で最も収録時間が長い曲であるが、この曲の作詞/ボーカルの石川本人によると、本来は更に長い曲であるとのこと。
    また、石川は、周囲の大事件よりも目先の瑣末なことが気になってしまうという状況を表現する意図で作った曲であり、「夢の連続性」で歌詞を書いたとも語っている[2]
  6. どんぶらこ(6:19)
    (作詞・作曲:柳原幼一郎)
    たま結成当初からの曲。当初はお祭りみたいに愉快な曲で「あらよっと、どんぶらこ〜」と唄われていた。2005年に柳原がセルフカバーし、ソロアルバム『ふたたび』に収録された。
    このアルバムでは意図的に変化をつけないアレンジを施しているという[2]
  7. ロシヤのパン(3:46)
    (作詞・作曲:知久寿焼)
    いか天の第4週目の演奏曲。失われた家族の風景を回想するかのような内容となっている。この曲で曲中に登場するトラピストクッキーをライブでステージに投げる一部のファンがおり[3]、しばらくはたまのライブにおいてトラピストクッキーは持ち物検査の対象物となっていた。
    知久曰く「エロチックな曲」であり、「アルトの声で」という歌詞は長田弘の「ねこに未来はない」から影響を受けているという[2]。柳原はこの曲を「ロシアン・サンバ」と勝手に呼称していたという[2]。また、「ロシヤのパン」としてピロシキを送ってきたファンがいたらしい[2]
  8. さよなら人類 (オリジナル・ヴァージョン)(5:35)
    (作詞・作曲:柳原幼一郎)
    たまの代表曲の一つ。シングルとはバージョンが異なる。ライブでは間奏の部分がアドリブで披露される。このバージョンの間奏にある「さるー、さるー、さるー、さるー」の部分が川崎製鉄のCMソングに使われた。2005年に柳原がセルフカバーし、ソロアルバム『ふたたび』に収録された。
  9. ワルツおぼえて(4:05)
    (作詞・作曲:滝本晃司)
    後のシングル「オゾンのダンス」のカップリング曲としてシングルカットされる。
    滝本によれば、曲を先に作り、歌詞は「パリの女」という言葉から語呂合わせのように作っていった楽曲であり、サラリーマン時代に営業で車に乗っている間に断片的に作っていったという[2]
  10. らんちう(4:34)
    (作詞・作曲:知久寿焼)
    シングル「さよなら人類」のカップリング曲。本作には、シングルと異なるバージョンである記載はないが、シングルとは異なるバージョンである。イントロとエンディングの「いよ〜っ」や間奏の柳原の語りが違う等の違いが見られる。
  11. れいこおばさんの空中遊泳(3:29)
    (作詞:柳原幼一郎・作曲:たま)
    本アルバム中、この曲のみ知久と柳原が両方共ボーカル表記されている。れいこおばさんが空に浮かんでしまい、その家族らしき人が心配するという内容の歌詞。本作は元々「ねこばば」に収録されていた楽曲だが、曲構成が大きく変更されている[注釈 1]

2012年版

  1. 方向音痴
  2. おるがん
  3. オゾンのダンス
  4. 日本でよかった
  5. 学校にまにあわない
  6. どんぶらこ
  7. ロシヤのパン
  8. さよなら人類 (オリジナル・ヴァージョン)
  9. ワルツおぼえて
  10. らんちう
  11. れいこおばさんの空中遊泳
  12. さよなら人類 (シングル・ヴァージョン)
  13. らんちう (シングル・ヴァージョン)
  14. さよなら人類 (カラオケ・ヴァージョン)
  15. らんちう (カラオケ・ヴァージョン)

脚注

注釈

  1. ^ 例として、「『ねこばば』版にあった3番の歌詞がカット」「『ねこばば』版でのイントロと1番から2番に行くまでの間奏→本作での歌い出しからのメロディー」「『ねこばば』での2番から3番に行くまでの間奏→本作での1番から2番に行くまでの間奏」

出典

  1. ^ たま「さんだる」「ひるね」がボーナストラック追加で再発”. 音楽ナタリー. 音楽ナタリー (2012年11月29日). 2018年9月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 月刊カドカワ 8 (9): 71-75. (1990-09-01). 
  3. ^ この様子はライブビデオ「野球」で確認できる

関連項目