マーカス・ストローマン

アメリカの野球選手 (1991 - )

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マーカス・アール・ストローマンMarcus Earl Stroman, 1991年5月1日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州サフォーク郡メドフォード英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBニューヨーク・メッツ所属。愛称はストロ・ショー[1]

マーカス・ストローマン
Marcus Stroman
ニューヨーク・メッツ #7
ニューヨーク・メッツ時代
(2019年9月12日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニューヨーク州サフォーク郡メドフォード英語版
生年月日 (1991-05-01) 1991年5月1日(33歳)
身長
体重
5' 7" =約170.2 cm
180 lb =約81.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2012年 MLBドラフト1巡目
初出場 2014年5月4日 ピッツバーグ・パイレーツ
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2017年
獲得メダル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2017 野球

経歴

プロ入り前

2009年MLBドラフト18巡目(全体532位)指名でワシントン・ナショナルズからされたが、デューク大学へ進学した。進学後は48試合に登板し、15勝13敗、290奪三振、防御率は3.27を記録した[2]

プロ入りとブルージェイズ時代

 
トロント・ブルージェイズ時代
(2019年6月1日)

2012年MLBドラフト1巡目(全体22位)でトロント・ブルージェイズから指名され、プロ入り。契約後、傘下のA-級バンクーバー・カナディアンズでプロデビュー。7試合に登板して1勝0敗、防御率3.18、15奪三振を記録した。8月にAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツへ昇格。8試合に登板して2勝0敗、防御率3.38、8奪三振を記録した。8月28日に薬物検査でメチルヘキサアミンが検出され、薬物違反で50試合の出場停止処分を受けた[3]

2013年はAA級ニューハンプシャーでプレーし、20試合に先発登板して9勝5敗、防御率3.30、129奪三振を記録した。

2014年はAAA級バッファロー・バイソンズで開幕を迎え、5試合に登板。2勝2敗、防御率1.69と結果を残し、5月4日にブルージェイズとメジャー契約を結んだ[4]。同日のピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーデビュー。6点リードの8回裏から登板し、先頭打者を抑えたものの、次打者のジョシュ・ハリソンに三塁打を打たれ、続くニール・ウォーカーには死球を与え、一・三塁のピンチを背負ってしまった。4人目のアンドリュー・マカッチェンに犠牲フライを打たれ初失点し、そのまま途中降板した[5]。その後先発ローテーションに入り、シーズンでは26試合中20試合で先発として登板。11勝6敗1セーブ、防御率3.65という成績を残し、メジャー1年目から二桁勝利を記録した。また、130.2回投げて被本塁打は7本だった。

2015年スプリングトレーニング中の3月10日、バント処理練習中に左膝の前十字靱帯を断裂し、シーズン中の復帰は絶望と報道された[6]。直後に手術を受け、4月5日に60日間の故障者リスト入りした[7]。その後、マイナーでのリハビリと調整登板を経て、9月11日にメジャー復帰した[8]。翌12日のニューヨーク・ヤンキース戦のダブルヘッダー第2戦で先発し、復活の白星を挙げた[9]ポストシーズンでは3試合に先発し、19.1回を投げ1勝0敗・防御率4.19であった。また、リハビリ期間中に大学に復学し、卒業に必要な単位を全て取得した。

2016年はフルシーズン先発ローテーションで投げ、チームトップ、ア・リーグ7位の204.0イニングを投げた。2ケタ勝利はならなかったが、防御率4.37・9勝10敗・166奪三振という成績を残した。プレーオフ緒戦を飾る一発勝負のワイルドカードゲームでは先発を任され、6.0イニングを4安打2失点6奪三振[10]と、最小失点で切り抜けてチームのサヨナラ勝ちを呼び込む好投を見せた。オフの12月3日に自身のTwitterにて、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について、母親の出身であるプエルトリコ代表での出場資格もあったために熟考した結果、アメリカ合衆国代表で参加する意思を表明した[11]

2017年開幕前の2月9日に第4回WBCのアメリカ合衆国代表に選出された[12]。自身が出場権を保持していたプエルトリコとの決勝戦に先発登板して6回まで無安打、7回に先頭打者に初ヒットを許し降板したが、無失点で勝利投手となり[13]、大会MVP[14]、大会最優秀投手賞を受賞した[15]。シーズンでは4月25日のセントルイス・カージナルス戦でメジャー初安打を記録した[16]。5月18日のアトランタ・ブレーブス戦にてMLB初本塁打を記録した[17]。33試合に先発して2年連続200イニングを投げ、ルーキーイヤー以来の二桁勝利かつチーム最多の勝ち星となる13勝を挙げ防御率3.09と、地区最下位に低迷したチームの中で奮闘を見せた。

2018年2月15日、Twitterで年俸調停により6900万ドルの契約の要求の代わりに、6500万ドルの契約を結んだと発表された[18]。5月11日に右肩の疲労で10日間の故障者リストに入った[19]

2019年シーズンは開幕投手[20]に指名されるなど、シーズン前半戦の17試合に先発し、防御率3.04の成績を残し、オールスターに選出された。しかし、怪我により田中将大と代わり出場を辞退した[21]

メッツ時代

2019年7月28日にアンソニー・ケイシメオン・ウッズリチャードソン英語版とのトレードで、金銭と共にニューヨーク・メッツへ移籍した[22]

投球スタイル

スリークォーターから、平均球速92mph(約148km/h)のツーシームを投球の中心に、平均93mph(約150km/h)のフォーシーム、平均89mph(約143km/h)のカッター、平均85mph(約137km/h)のスライダー、平均81mph(約130km/h)の横に大きく曲がるスラーブ、平均85mph(約137km/h)のチェンジアップの計6球種を使用する。フォーシームは最速96.5mph(約155km/h)を記録している[23]三振はあまり多くなく、ツーシームなどでゴロを打たせてとるピッチングスタイル。
2014年シーズンでは速球はフォーシームが中心であったが、2015年以降はツーシームが中心の投球に変わっている[24]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2014 TOR 26 20 1 1 1 11 6 1 0 .647 534 130.2 125 7 28 1 3 111 9 1 56 53 3.65 1.17
2015 4 4 0 0 0 4 0 0 0 1.000 103 27.0 20 2 6 0 1 18 2 1 5 5 1.67 0.96
2016 32 32 0 0 0 9 10 0 0 .474 855 204.0 209 21 54 0 4 166 9 1 104 99 4.37 1.29
2017 33 33 2 0 0 13 9 0 0 .591 834 201.0 201 21 62 1 6 164 3 1 82 69 3.09 1.31
2018 19 19 0 0 0 4 9 0 0 .308 449 102.1 115 9 36 0 2 77 3 1 68 63 5.54 1.48
2019 21 21 0 0 0 6 11 0 0 .353 513 124.2 118 10 35 0 0 99 4 0 50 41 2.96 1.23
NYM 11 11 0 0 0 4 2 0 0 .667 261 59.2 65 8 23 1 1 60 3 0 27 25 3.77 1.47
'19計 32 32 0 0 0 10 13 0 0 .435 774 184.1 183 18 58 1 1 159 7 0 77 66 3.22 1.31
MLB:6年 146 140 3 1 1 51 47 1 0 .520 3549 849.1 853 78 244 3 17 695 33 5 392 355 3.76 1.29
  • 2019年度シーズン終了時

年度別守備成績



投手(P)












2014 TOR 26 7 19 0 0 1.000
2015 4 5 5 0 0 1.000
2016 32 12 29 4 2 .911
2017 33 9 37 1 6 .979
2018 19 10 28 0 1 1.000
2019 21 11 20 3 1 .912
NYM 11 10 10 1 1 .952
'19計 32 21 30 4 2 .927
MLB 146 64 148 9 11 .959
  • 2019年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

MLB
国際大会

記録

背番号

  • 54(2014年)
  • 6(2015年 - 2019年7月27日)
  • 7(2019年8月3日 - )

代表歴

脚注

  1. ^ Joey Bats to be big part of Players Weekend MLB.com (英語) (2017年8月9日) 2017年8月14日閲覧
  2. ^ Marcus Stroman BIO”. Duke Athletics. 2014年5月5日閲覧。
  3. ^ Blue Jays Marcus Stroman suspended”. MLB.com Blue Jays Press Release (2012年8月28日). 2014年5月5日閲覧。
  4. ^ Gregor Chisholm (2014年5月4日). “Stroman makes bullpen debut for Blue Jays”. MLB.com. 2014年5月5日閲覧。
  5. ^ Scores for May 4, 2014”. ESPN MLB (2014年5月4日). 2014年5月5日閲覧。
  6. ^ ブルージェイズのストローマンが今季絶望 左膝の前十字靱帯断裂”. スポーツニッポン (2015年3月11日). 2015年9月22日閲覧。
  7. ^ Creech, Edward (2015年4月5日). “Blue Jays Designate Juan Oramas For Assignment”. mlbtraderumors.com. 2015年9月22日閲覧。
  8. ^ Blue Jays activate Stroman, transfer Travis to 60-day DL”. Sportsnet (2015年9月11日). 2015年9月22日閲覧。
  9. ^ Kennedy, Brendan (2015年9月12日). “Marcus Stroman makes long-awaited season debut for Jays”. thestar.com. 2015年9月22日閲覧。
  10. ^ October 4, 2016 ALWC - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年10月5日閲覧
  11. ^ [1] Marcus Stroman (@MStrooo6) - X(旧Twitter) (2016年12月3日) 2016年12月15日閲覧
  12. ^ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster Archived 2017年2月12日, at the Wayback Machine. USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
  13. ^ American Beauty: USA dominates PR in final World Baseball Classic (英語) (2017年3月22日) 2017年3月23日閲覧
  14. ^ Stroman dazzles en route to Classic MVP World Baseball Classic (英語) (2017年3月22日) 2017年3月23日閲覧
  15. ^ Yadi, Balentien among All-Classic Team standouts World Baseball Classic (英語) (2017年3月22日) 2017年3月23日閲覧
  16. ^ Stroman's double leads to Toronto win in 11th MLB.com (英語) (2017年4月25日) 2017年5月2日閲覧
  17. ^ Stroman goes opposite field for 1st career HR MLB.com (英語) (2017年5月18日) 2017年5月20日閲覧
  18. ^ Blue Jays’ Marcus Stroman reveals he lost arbitration case”. Sportsnet (2018年2月15日). 2018年2月15日閲覧。
  19. ^ Chisholm, Gregor (2018年5月11日). “Marcus Stroman lands on DL with shoulder fatigue”. MLB.com. 2018年5月11日閲覧。
  20. ^ ブルージェイズ、開幕投手はストローマンに決定”. 日刊スポーツ (2019年3月14日). 2019年7月17日閲覧。
  21. ^ 田中将大、代替選出で5年ぶり2度目の球宴へ”. 日刊スポーツ (2019年7月7日). 2019年7月17日閲覧。
  22. ^ Anthony DiComo (2019年7月28日). “Mets land Stroman from Jays for 2 prospects” (英語). MLB.com. 2019年7月29日閲覧。
  23. ^ 2014年シーズン計測。
  24. ^ FanGraphs PITCHf/x(2017年3月20日閲覧)

関連項目

外部リンク