室蘭カレーラーメン
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室蘭カレーラーメン(むろらんカレーラーメン)とは、北海道室蘭市・登別市・伊達市・洞爺湖町の「室蘭カレーラーメンの会」に加盟するラーメン店を中心に提供されるラーメンである[1]。2015年5月3日現在、室蘭管内(室蘭・登別・伊達・洞爺湖町)の約6割のラーメン店で提供されている[2]。2016年8月時点では室蘭カレーラーメンを提供している「味の大王 室蘭本店」は時間帯、時期によっては入店待ちの行列ができる[3]。
歴史
室蘭カレーラーメンの原形が開発されたのは1965年春、苫小牧市でのことであった。食堂「味の大王」の店主が、年齢や性別にかかわらず人気のあるカレーと、ラーメンを組み合わせることはできないかと考え、カレーラーメンを考案した。しかしあまり売れず、1967年頃、店主は岩見沢市に移り住んだ[4]。
移住先の岩見沢でも「味の大王」を開店した。この店の味に惚れ込み、常連となった客の一人が1971年に店主に弟子入りし、カレーラーメンを含めた店のレシピを学び、この年の9月に室蘭市輪西町で開業した[4]。工場が近くにあり、一日200杯以上のラーメンが売れたが、味噌ラーメンが主で、ここでもカレーラーメンはあまり売れなかった[5]。1972年に店舗を中央町に移転、この店舗が「味の大王 室蘭本店」となった。当初はカレーラーメンは1日5杯程度と限定的であったが、1980年代には市内の複数の店がカレーラーメンをメニューに加えるようになった[6]。
1999年、室蘭市出身の元モーニング娘。のメンバー安倍なつみがラジオ番組で『カレーラーメンなら室蘭の「味の大王」さんがおいしい』と語ったことがきっかけで[7]、全国の安倍なつみファンとモーニング娘。のファンが来店するようになった[5]。
2005年に室蘭市の人口が10万人を割り[8]、室蘭カレーラーメンを観光資源とする試みも強化されるようになった。2006年4月25日、室蘭市公式による「室蘭カレーラーメンの会」が発足し、全国へ情報発信を開始した[9][10]。会長には「味の大王 室蘭本店」店長であり室蘭観光協会理事である小柳富資が就任した[11][12][13]。室蘭商工会議所も経済産業省が進める「地域資源∞全国展開プロジェクト」にブランド化支援事業として申請、7月に参入が決定した[14][15]。2007年1月には、マスコットキャラクターの名前が「めんばる君」に決定。名称の由来は「メンバー」「ほお張る」「頑張る」を組み合わせた造語となっている[13]。
特徴
具や調理法は店によって異なる。「室蘭カレーラーメンの会」会長は、カレーラーメンの定義は特になく、カレーの味がすればよいとしている[15]。2015年、室蘭市輪西町のラーメン店「蘭たん亭」はオリジナルスパイス(ガラムマサラやクミンなど8種類のスパイスをブレンド)を開発し、カレーラーメンを注文した客へ、自分の好みの辛さに調整できるようにと提供している[16]。
- 麺
- 北海道小麦を使用した、もっちりとした太縮れ麺である[17]。
- 味付け
- トッピング
- チャーシュー・わかめ・もやしなどである[2]。
関連製品
日清食品
1996年、日清食品は「北海道の御当地ラーメン」をコンセプトとして、旭川醤油・札幌味噌・函館塩の北海道三大ラーメンを袋麺にした製品を「日清のラーメン屋さん」の名称で発売[18]、後にカップ麺も発売し、袋麺は発売4年目に累計3億食、カップ麺は発売から1年で500万ケースと好調な売れ行きを記録した[19]。このシリーズの製品に加えられたのが「日清のラーメン屋さん 室蘭カレーラーメン」である[20]。
東洋水産
メディアでの紹介
脚注
- ^ “室蘭カレーラーメンの会公式ホームページ”. 2020年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月2日閲覧。
- ^ a b 室蘭カレーラーメン - 室蘭観光推進連絡会議 2015年5月3日
- ^ 石川昌希「「やっぱりこの味」…帰省客ら室蘭の名店に行列」『室蘭民報』2016年8月16日朝刊。
- ^ a b c 石川泰士・荒井友香・坂本友香「どうおう見聞録 カレーラーメン誕生50年 受け継がれる「大王」流 苫小牧で産声 室蘭、美唄にも」『北海道新聞』2016年(平成27年)2月20日付朝刊25面。
- ^ a b ぽっちゃり~な・森「なっちファンの聖地?カレーラーメンが人気「味の大王なかじま店」」『北海道ファンマガジン』2015年2月25日。
- ^ 阿部浩二「現代かわら版 注目!新ご当地グルメ 3 カレーラーメン(室蘭市) 「第4の味」一丸で磨き 豚串、冷やし…個性競う」『北海道新聞』2010年(平成22年)8月12日付朝刊23面。
- ^ 「ラーメン人気 安倍なつみさん火付け役 ファン集う店 取り壊し 室蘭の味の大王 3月、道路拡幅で移転へ」『北海道新聞』2006年(平成18年)1月13日付夕刊14面。
- ^ 「減る人口 年度末ついに… 10万人割れ 室蘭市、57年ぶり」『北海道新聞』2005年4月2日付朝刊1面。
- ^ “カレーラーメンを全国区に 室蘭など21店がPRの会=北海道”. 読売新聞 道社A版: p. 27. (2006年4月30日)
- ^ “室民も室蘭カレーラーメンを応援しています!”. 室蘭民報 (2009年4月13日). 2009年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月9日閲覧。
- ^ “北海道のラーメン地図を塗り替える第4勢力「カレーラーメン」の実力とは?”. マイナビニュース (2012年8月15日). 2015年5月22日閲覧。
- ^ “一般社団法人 室蘭観光協会役員名簿” (PDF). 室蘭観光協会 (2015年6月). 2015年5月22日閲覧。
- ^ a b “ロゴマーク愛称「めんばる君」に室蘭カレーラーメン”. 室蘭民報 (2007年1月26日). 2007年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月9日閲覧。
- ^ 室蘭商工会議所 (2006年6月30日). “「地域資源∞全国展開プロジェクト」平成18年度採択案件一覧表(商工会議所分)”. 中小企業庁. 2015年5月22日閲覧。
- ^ a b 本郷昌幸「室蘭名物PR 室蘭商工会議所が室蘭カレーラーメンのマップ6万部を製作」『日刊スポーツ』2007年3月14日付北海道版。
- ^ 石川昌希「室蘭・蘭たん亭カレーラーメンの辛さを好みに調整」『室蘭民報』2015年6月19日付朝刊。
- ^ a b c d 日清 北海道のラーメン屋さん室蘭カレー ラーメン5食パック2010年2月15日
- ^ 「日清食品、本場北海道の味わい「日清のラーメン屋さん」3品9月2日から発売」『日本食糧新聞』1996年8月16日付。
- ^ 「日清食品 第五グループ ブランドマネージャー 服部秀樹 強いブランドを育成する鍵は開発から販売までの“社長業〟」『週刊ダイヤモンド』第87巻第46号、1999年11月6日、62-63ページ。
- ^ 「日清食品、「日清のラーメン屋さん 室蘭カレーラーメン」発売」『日本食糧新聞』2008年6月2日付。
- ^ a b c “北海道限定「室蘭カレーラーメン」” (PDF). 日清食品 (2011年1月31日). 2015年5月21日閲覧。
- ^ “「室蘭カレーラーメン」 2品 (2月14日、3月14日北海道限定発売)”. 日清食品 (2011年1月31日). 2015年5月21日閲覧。
- ^ “「日清北の太麺堂々 醤油豚骨 / 熟成味噌 / 室蘭カレーラーメン」(1月23日発売)”. 日清食品 (2012年1月10日). 2015年5月21日閲覧。
- ^ “室蘭カレーラーメンのチルド麺、関東や東北で発売”. 室蘭民報 (2017年9月9日). 2017年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月10日閲覧。
- ^ “ドクター月尾・地球の方程式 第228週「北海道を変えるご当地B級グルメ」 2009年8月12日放送”. ドクター月尾、TBSニュースバード. TBS (2009年8月14日). 2015年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月6日閲覧。
- ^ CNN Adventures in ramen: Japan's ever-changing soup scene
- ^ 石川泰士「室蘭カレーラーメン 世界へ 「辛すぎず風味豊か」「北海道第4の味」 米CNN、旅行サイトで紹介」『北海道新聞』2014年(平成26年)10月24日付28面(室蘭)。