大阪拘置所

日本の大阪府大阪市都島区にある拘置所

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大阪拘置所(おおさかこうちしょ)とは、法務省矯正局大阪矯正管区に属する拘置所。所在地は大阪府大阪市都島区友渕町一丁目2番地5号[1]。通称「大拘(だいこう)」。

大阪拘置所
所在地 日本の旗 日本大阪府大阪市都島区[1]
座標 北緯34度42分54.101秒 東経135度31分26.501秒 / 北緯34.71502806度 東経135.52402806度 / 34.71502806; 135.52402806
現況 運用中
許容人数 2,500名
管理運営 法務省矯正局大阪矯正管区[2]
管轄 法務大臣
根拠法令 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
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日本全国に8箇所(東京立川名古屋京都・大阪・神戸広島福岡)ある拘置所の一つで[2]、東京拘置所に次ぐ規模である。

2013年平成25年)5月16日から尼崎拘置支所[注 1]を所管している[3]

アクセス

被収容者

  • 未決拘禁者(刑事被告人)
  • A級受刑者[2](当所執行受刑者)

定員

  • 2,500名 - 建て替え中の為今は人員を減らしている。

組織

所長の下に4部を置く。

  • 総務部(庶務・会計・用度)
  • 処遇部(処遇・作業・教育)
  • 分類部(考査・審査・保護)
  • 医務部(医療・保健)

外観・設備

 
建て替えられた新棟部分
 
建替予定図面
  • 完成後数十年経ち、施設は全体的に老朽化が進んでおり、現在改築工事中である。

確定死刑囚

刑場を有し、死刑(絞首刑)の執行が行われている[注 2][5]。一部例外はあるが、基本的には大阪高裁大阪矯正管区管内の2府4県[注 3]および、高松高裁高松矯正管区)管内の四国4県[注 4]で死刑が確定した死刑確定者(死刑囚)を収監している[5]

※は第一審・裁判員裁判による確定死刑囚。なお死刑囚の人数は特記なき場合、1事件につき1人である。

死刑判決を受け上訴中の被告人

最高裁上告中、もしくは大阪高裁・高松高裁へ控訴中の死刑判決事件被告人を記載する。※は第一審・裁判員裁判の被告人

過去の死刑囚

同所にて死刑を執行された、あるいは過去に収監されていた死刑囚(獄死した死刑囚・恩赦を受け減刑された死刑囚・冤罪により釈放された死刑囚)のうち代表的な者を記載する。

面会・差入れ

面会は1人の被収容者に対して1日1回(10分)までで1回の面会に3人1組までが規則で、面会者はその日のうちに別の被収容者への面会はできない。

食物(菓子弁当、その他)については未決囚に限り、拘置所隣の差入店から食物日用品等を差し入れることができる。尚売店に代金を、渡しておけば、勝手に差し入れてくれる。(受刑者の差し入れについては日用品に限り可能)。衣類書籍現金に関してはほぼ差し入れることができる。差入れ受付時間は8時30分 - 11時30分、および13時00分 - 15時30分(2007年4月9日現在)。

出来事

新型コロナウイルス感染

2020年令和2年)4月には新型コロナウイルス感染症の流行により、刑務官5人の感染が確認された[36]

看守殺傷事件

1972年(昭和47年)7月31日覚醒剤の密売に失敗して拘留されていた未決囚が看守をハサミで襲撃して1人を死亡させ、別の1人を負傷させた。動機は出所後に暴力団から報復されることを回避するため、拘置期間の延長を目論んだためだった[37]

覚せい剤の差し入れが発覚

1978年(昭和53年)、在監中の暴力団関係者に覚せい剤が差し入れとして持ち込まれ、房内で数人が回し打ちをしていたことが発覚。注射器ボールペンを改造したものが用いられていた[38]

脚注

注釈

  1. ^ 尼崎拘置支所の所在地:兵庫県尼崎市崇徳院一丁目5番地[1]。かつては「神戸刑務所尼崎拘置支所」だったが、「刑務所、少年刑務所及び拘置所組織規則の一部を改正する省令」(平成25年法務省令第6号)により、2013年5月16日に大阪拘置所管下「尼崎拘置支所」となった[3]
  2. ^ 現拘置所での死刑執行開始は1965年(昭和40年)以降[5]
  3. ^ 大阪高裁の管轄区域(=大阪矯正管区の管轄区域)は[5]大阪府(大阪地裁・高裁)および兵庫県神戸地裁)・京都府京都地裁)・奈良県奈良地裁)・和歌山県和歌山地裁)・滋賀県大津地裁[6]
  4. ^ 高松高裁の管轄区域(=高松矯正管区の管轄区域)は[5]香川県高松地裁・高裁)および愛媛県松山地裁)・徳島県徳島地裁)・高知県高知地裁[7]
  5. ^ 上告中の2004年7月末時点では[15]共犯2人とともに名古屋拘置所に収監されていた[16]。共犯のうち1人は2016年1月に病死、もう1人は引き続き名古屋拘置所に収監中[14](2019年10月1日時点)[17]
  6. ^ 著書に『死刑判決は「シルエット・ロマンス」を聴きながら』『和歌山カレー事件 獄中からの手紙』(共著)がある[18]
  7. ^ 共犯死刑囚3人のうち母親・弟(次男)は引き続き福岡拘置所に収監されているが、父親は確定後に広島拘置所へ移送された[23]

出典

  1. ^ a b c 施設所在地及び面会受付時間一覧(平成29年12月1日現在)”. 法務省 公式ウェブサイト. 法務省 (2017年12月1日). 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
  2. ^ a b c 刑事施設一覧(平成25年1月15日現在)” (PDF). 法務省 公式ウェブサイト. 法務省 (2013年1月15日). 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
  3. ^ a b 用語の解説” (PDF). 法務省 (2013年). 2021年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月4日閲覧。 - 法務省ウェブサイト「用語の解説」→「矯正統計」→「2013年」。
  4. ^ 大阪拘置所 交通手段” (PDF). 法務省 公式ウェブサイト. 法務省. 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 村野 2006, p. 85.
  6. ^ 大阪高等裁判所の紹介”. 裁判所ウェブサイト. 最高裁判所. 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
  7. ^ 高松高等裁判所の紹介”. 裁判所ウェブサイト. 最高裁判所. 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月31日閲覧。
  8. ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 250.
  9. ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 254.
  10. ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 255.
  11. ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 256.
  12. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 260.
  13. ^ a b c d 年報・死刑廃止 2019, p. 261.
  14. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 262.
  15. ^ 年報・死刑廃止 2004, p. 299.
  16. ^ 年報・死刑廃止 2004, p. 296.
  17. ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 275.
  18. ^ a b c 年報・死刑廃止 2019, p. 266.
  19. ^ a b c d 年報・死刑廃止 2019, p. 267.
  20. ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 268.
  21. ^ 鈴木智彦 2017, p. 11.
  22. ^ 年報・死刑廃止 2019, p. 269.
  23. ^ a b フォーラム90 2012, p. 123.
  24. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 271.
  25. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 272.
  26. ^ a b c 年報・死刑廃止 2019, p. 273.
  27. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 249.
  28. ^ a b 読売新聞』1985年6月1日東京朝刊第14版第二社会面22頁「【大阪】老人8人連続殺人鬼 古谷に死刑執行」(読売新聞東京本社
  29. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 257.
  30. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 263.
  31. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 265.
  32. ^ 会長:小原正敏 (2018年3月15日). “勧告書(大阪拘置所長宛て)” (PDF). 大阪弁護士会 公式ウェブサイト. 大阪弁護士会. 2020年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月24日閲覧。
  33. ^ a b 年報・死刑廃止 2019, p. 270.
  34. ^ a b c d 年報・死刑廃止 2019, p. 259.
  35. ^ 地下鉄サリン23年 執行準備か分離目的か オウム死刑囚移送に広がる観測」『産経ニュース産業経済新聞社、2018年3月20日、1面。2020年8月30日閲覧。オリジナルの2020年8月30日時点におけるアーカイブ。
  36. ^ 細見卓司「大阪拘置所、刑務官の感染計5人に 自宅待機数明かさず」『朝日新聞デジタル朝日新聞社、2020年4月15日。2020年8月31日閲覧。オリジナルの2020年8月31日時点におけるアーカイブ。
  37. ^ 「未決囚 看守を殺傷」『朝日新聞』昭和47年(1972年)8月2日朝刊、13版、3面
  38. ^ 拘置所で覚せい剤 背広に隠し差し入れ『朝日新聞』1978年(昭和53年)7月29日朝刊、13版、19面

参考文献

  • 年報・死刑廃止編集委員会 著、(編集委員:岩井信・江頭純二・菊池さよ子・菊田幸一・笹原恵・島谷直子・高田章子・永井迅・安田好弘・深田卓) / (協力:フォーラム90実行委員会・国分葉子) 編『無実の死刑囚たち 年報・死刑廃止2004』(第1刷発行)インパクト出版会、2004年9月20日。ISBN 978-4755401442http://impact-shuppankai.com/products/detail/134 
  • 村野薫『死刑はこうして執行される』(第1刷発行)講談社講談社文庫〉、2006年1月15日、141-142頁。ISBN 978-4062753043 
  • 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90 著、(編集委員:可知亮、国分葉子、高田章子、中井厚、深瀬暢子、安田好弘、深田卓 / 協力=福島みずほ事務所、死刑廃止のための大道寺幸子基金) 編『死刑囚90人 とどきますか、獄中からの声』(発行)インパクト出版会、2012年5月23日。ISBN 978-4755402241http://impact-shuppankai.com/products/detail/208 
  • 鈴木智彦『全員死刑 大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記』(初版第1刷発行)小学館文庫、2017年11月12日。ISBN 978-4094064759  - 大牟田4人殺害事件の加害者次男による獄中手記
  • 年報・死刑廃止編集委員会 著、(編集委員:岩井信・可知亮・笹原恵・島谷直子・高田章子・永井迅・安田好弘・深田卓) / (協力:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90・死刑廃止のための大道寺幸子基金・深瀬暢子・国分葉子・岡本真菜) 編『オウム大虐殺 13人執行の残したもの 年報・死刑廃止2019』(初版第1刷発行)インパクト出版会、2019年10月25日、259頁。ISBN 978-4755402982http://impact-shuppankai.com/products/detail/286 

座標: 北緯34度42分54.1秒 東経135度31分26.5秒 / 北緯34.715028度 東経135.524028度 / 34.715028; 135.524028