アリスとテレスのまぼろし工場
『アリスとテレスのまぼろし工場』（アリスとテレスのまぼろしこうじょう）は、2023年公開のMAPPA制作による日本のアニメーション映画。岡田麿里の脚本・監督によるオリジナル作品であり、公開に先駆けて6月13日からKADOKAWAの角川文庫より小説が出版された（#小説を参照）。
| アリスとテレスのまぼろし工場 | |
|---|---|
| 監督 | 岡田麿里 |
| 脚本 | 岡田麿里 |
| 原作 | 岡田麿里 |
| 出演者 |
榎木淳弥 上田麗奈 久野美咲 |
| 音楽 | 横山克 |
| 主題歌 |
中島みゆき 「心音（しんおん）」 |
| 制作会社 | MAPPA |
| 製作会社 | 新見伏製鐵保存会 |
| 配給 |
ワーナー・ブラザース映画 MAPPA |
| 公開 |
 2023年9月15日 |
| 製作国 |
日本 |
| 言語 | 日本語 |
概要
脚本・監督を務める岡田麿里の初監督作品『さよならの朝に約束の花をかざろう』のメインスタッフが再集結して制作される[1]。岡田の監督作としては2作目となる[2]。また、MAPPAとしては初のオリジナル劇場アニメである[1][2]。
あらすじ
製鉄所の企業城下町である見伏（みふせ）。その製鉄所である夜爆発事故が起き、事故を境に見伏は時が進まず、住民が外部に出ることもできない町となった。住民に対しては「元の世界に戻ったときに齟齬を生じないため」という理由で定期的に自身についての調査書の記入が求められ、「元の世界に戻れなくなるのを避ける」ために「変化しない」ことが了解事項となっていた。
製鉄所員の父を持つ中学3年生の菊入正宗は、そうした状況に鬱屈を感じる日常生活を送っていた。そんな中、正宗は同級生の佐上睦実に誘われる形で、事故が起きた製鉄所の第五高炉に足を踏み入れる。禁足地となっていたそこには、普通の会話ができない野生児のような少女がおり、睦実から彼女の世話をする手伝いを命じられる。「五実」と名付けた少女と接しながら正宗は同級生たちとの生活を続けていくが、父はある日を境に家に戻らず、同級生が不思議な煙によって消える場面にも遭遇する。やがて正宗は自分たちのいる世界と五実についての手がかりを得る。
登場人物
- 菊入正宗（きくいり まさむね）
- 声 - 榎木淳弥[3]
- 本作品の主人公。中学3年生。趣味は絵を描くこと。作中で普通自動車免許を取得。
- 佐上睦実（さがみ むつみ）
- 声 - 上田麗奈[3]
- 謎の同級生。しょうもないことでよく嘘をつく。
- 五実（いつみ）
- 声 - 久野美咲[3]
- 物語の鍵を握る、睦実によく似た容姿の謎の少女。製鉄所の第五高炉に幽閉されている。年恰好は正宗たちとあまり変わらないが、幼児程度しか喋ることができず、無垢で奔放。
- 笹倉大輔
- 声 - 八代拓[4]
- 正宗の同級生。いわゆるスケベ少年。
- 新田篤史
- 声 - 畠中祐[4]
- 正宗の同級生。
- 仙波康成
- 声 - 小林大紀[4]
- 正宗の同級生。作中、将来のある目標ができる。
- 園部裕子
- 声 - 齋藤彩夏[4]
- 睦実の友人。ぽっちゃり体型で、惚れっぽい。
- 原陽菜
- 声 - 河瀬茉希[4]
- 睦実の友人。気が強そうだが、睦実曰く「乙女」。
- 安見玲奈
- 声 - 藤井ゆきよ[4]
- 睦実の友人。
- 佐上衛（さがみ まもる）
- 声 - 佐藤せつじ[4]
- 睦実の義父で製鉄所従業員。見伏神社の社家も兼ねる。「変わり者」と評され、この世界の「掟」を決めた人物。昭宗、時宗のことを「昭宗氏」「時宗氏」と呼ぶ。
- 菊入昭宗（きくいり あきむね）
- 声 - 瀬戸康史[4]
- 正宗の父。製鉄所従業員。爆発事故が起きた夜現場にいた。ある日夜勤に出かけたきり、二度と戻らなかった。
- 菊入時宗（きくいり ときむね）
- 声 - 林遣都[4]
- 正宗の叔父で、昭宗の弟。製鉄所従業員。
- 菊入美里（きくいり みさと）
- 声 - 行成とあ
- 正宗の母。時宗とは大学の同期だった。
- 菊入宗司（きくいり そうじ）
- 声 - 多田野曜平
- 正宗の祖父。かつて製鉄所の従業員だった。
スタッフ
- 脚本・監督 - 岡田麿里[3]
- 副監督 - 平松禎史[1]
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 石井百合子[3]
- 演出チーフ - 城所聖明
- 美術監督 - 東地和生[1]
- 色彩設計 - 鷲田知子
- 3Dディレクター - 小川耕平
- 撮影監督 - 淡輪雄介
- 編集 - 髙橋歩
- 音楽 - 横山克[1]
- 音響監督 - 明田川仁
- 音響制作 - dogout
- 製作プロデューサー - 木村誠
- アニメーションプロデューサー - 野田楓子・橘内諒太
- 企画・プロデューサー - 大塚学
- 主題歌 - 中島みゆき「心音（しんおん）」[5]
- 制作 - MAPPA[1]
- 配給 - ワーナー・ブラザース映画・MAPPA[3]
- 製作 - 新見伏製鐵保存会
製作
2021年6月27日に開催された「MAPPA STAGE 2021 10thAnniversary」にて制作が発表され、超特報映像が公開された[1]。
2023年5月21日に開催された「MAPPA STAGE 2023」にて公開日とキャスト、メインスタッフの情報が公開され、特報映像がお披露目された[3]。
6月29日に主題歌が中島みゆきの新曲『心音』となることが発表された[5]。中島に対しては監督の岡田からオファーがあり、台本を読んだ中島がその内容に強く心を打たれ、アニメ映画に対しては初となる楽曲提供に至ったという[5]。
7月13日に、キャスト8人が追加で発表された[4]。
小説
| アリスとテレスのまぼろし工場 | |
|---|---|
| ジャンル | 青春、ファンタジー |
| 小説 | |
| 著者 | 岡田麿里 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| レーベル | 角川文庫 |
| 巻数 | 単巻 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | ライトノベル |
| ポータル | 文学 |
監督・脚本の岡田麿里自身が手掛け、2023年6月13日にKADOKAWAの角川文庫より出版された。
書誌情報
- 岡田麿里 『アリスとテレスのまぼろし工場』 角川文庫、2023年6月13日発売[6]、ISBN 978-4-04-113774-1
封切り
評価
脚注
- ^ a b c d e f g “岡田麿里 監督の最新作映画『アリスとテレスのまぼろし工場』特報映像が公開 アニメーション制作はMAPPA、『さよ朝』スタッフ再集結”. SPICE（スパイス）. イープラス (2021年6月28日). 2023年5月22日閲覧。
- ^ a b “「あの花」脚本家・岡田麿里、監督2作目「アリスとテレスのまぼろし工場」制作決定！ MAPPA初のオリジナル劇場作品”. アニメ!アニメ!. (2021年6月28日) 2023年7月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g “岡田麿里監督×MAPPAの映画「アリスとテレスのまぼろし工場」9月公開！キャスト、PV解禁”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年5月21日) 2023年5月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “「アリスとテレスのまぼろし工場」に八代拓・畠中祐ら、瀬戸康史＆林遣都の出演も”. コミックナタリー. (2023年7月13日) 2023年7月23日閲覧。
- ^ a b c “中島みゆき、初のアニメ映画へ楽曲提供 岡田麿里の虜に「絶大なる“推し”です!」 『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌担当”. ORICON NEWS. oricon ME (2023年6月29日). 2023年6月29日閲覧。
- ^ “アリスとテレスのまぼろし工場”. KADOKAWA. 2023年5月22日閲覧。
外部リンク
- 映画「アリスとテレスのまぼろし工場」｜maboroshi
- 映画「アリスとテレスのまぼろし工場」公式 (@maboroshi_2023) - X（旧Twitter）
- 映画「アリスとテレスのまぼろし工場」公式 (@maboroshi_2023) - Instagram