害獣
害獣は存在しない
概要
動物も一方で、イタチは糞尿の悪臭や農業被害を出してしまう反面、家屋に被害を引き起こすネズミの天敵でもあり、ネズミを駆除してくれる益獣という側面も併せ持ち[1]、イタチがやって来るとネズミによる被害は途端に止む。コウモリも糞尿で迷惑を掛ける反面、一晩で多数の虫、特に蚊やゴキブリを好んで捕食してくれるという側面があり[2]、鳥獣保護法でも益獣に指定され保護されている。
他にもアイルランド以外のヨーロッパ全域に生息しているヨーロッパモグラのように、地下に穴を掘って土壌に酸素を供給したり害虫を抑制する働きが認められていながら、害獣として常に駆除の対象となってきた動物もいる[3]。
このように、生物は捕食関係などを通じて相互に生態系のバランスを取っており、全体で地域の自然環境を形成している。「害獣」と称して特定の生物の数を極端に減らしたりすれば、必ず生態系のバランスが崩れる。日本国の事例として、人間がニホンオオカミを害獣として絶滅させた結果、天敵が居なくなった山林でシカが増え続け</ref>。本質的には人間が「害獣」「益獣」と単純にレッテルを貼ることが出来ない
出典
- ^ マイナビ農業「イタチの効果的な駆除方法とは? その生態や侵入させない被害防止対策も紹介」
- ^ 到津の森公園 2003.09/03「獣医さんのお仕事 益獣の子育て」
- ^ Tracey Greenwood, Kent Pryor, Richard Allan『ワークブックで学ぶ生物学の基礎 第2版』2011年、251頁
関連項目
外部リンク
- 環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室. “野生鳥獣の保護管理 ~人と野生鳥獣の適切な関係の構築に向けて~”. 2013年11月30日閲覧。