チバニアン

地質時代の区分
地質時代新生代[* 1][* 2]
累代 基底年代
Mya[* 3]
顕生代 新生代 第四紀 完新世 メガラヤン 0.0042
ノースグリッピアン 0.0082
グリーンランディアン 0.0117
更新世 後期更新世 0.129
チバニアン 0.774
カラブリアン 1.8
ジェラシアン 2.58
新第三紀 鮮新世 ピアセンジアン 3.6
ザンクリアン 5.333
中新世 メッシニアン 7.246
トートニアン 11.63
サーラバリアン 13.82
ランギアン 15.97
バーディガリアン 20.44
アキタニアン 23.03
古第三紀 漸新世 チャッティアン 27.82
ルペリアン 33.9
始新世 プリアボニアン 37.8
バートニアン 41.2
ルテシアン 47.8
ヤプレシアン 56
暁新世 サネティアン 59.2
セランディアン 61.6
ダニアン 66
中生代 251.902
古生代 541
原生代 2500
太古代[* 4] 4000
冥王代 4600
  1. ^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
  2. ^ 基底年代の更新履歴
  3. ^ 百万年前
  4. ^ 「始生代」の新名称、日本地質学会が2018年7月に改訂

チバニアン(英語: Chibanian)は、77.4万年前から12.9万年前にあたる、地質時代の一つ[1]。2020年1月15日に国際地質科学連合により「チバニアン」(Chibanian、千葉時代)と命名され、翌々日の1月17日に国立極地研究所で命名決定の記者会見が開かれた[2][3][4]。2022年5月21日に現地の地層に時代境界となるゴールデンスパイクが設置された[5]

千葉県市原市田淵養老川沿いにある「千葉セクション

総説

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千葉セクションに設置された、チバニアンとカラブリアンの時代境界を示すゴールデンスパイク。右側の色分けされた杭は、地球の地磁気が逆転していた事を示す地層の境界を示している。

チバニアン(期/階)[注 1]もしくはイオニアン(期/階)[注 2]と命名することが国際地質科学連合国際層序委員会(IUGS-ICS)で検討され[6]、2020年1月、チバニアン(Chibanian、千葉時代)に決定した[3]

カラブリアンとチバニアンとの境界は、地球史上最後の地磁気逆転である松山‐ブリュンヌ逆転の起きた時期である[7]。これを示す国際標準模式層断面及び地点の候補として、以下の3か所の地層が挙がっていた[7]

国際層序委員会に提出された提案申請書に用いられた論文の中には古地磁気データの削除(改ざん)等の疑義が出ているが、告発を受けた茨城大学と国立極地研究所は「査読付き学術誌に掲載済みの論文であり、結論には影響しないため研究不正ではない」として調査を実施しない方針を固めている[11]

チバニアンの決定を受け、2021年度から2026年度にわたり総事業費約15億円をかけて現地のガイダンス施設等を整備する計画であり[12]、2022年8月には隈研吾建築都市設計事務所が設計を受託した[13]
事業費のうち、8億円がガイダンス施設の建物本体、2億円が展示関係、5億円が地層まで約500メートルの遊歩道整備として計上されている[14]

気候

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脚注

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注釈

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  1. ^ Chibanian。「千葉セクション」に由来する。
  2. ^ Ionian。バルカン半島南部とイタリア半島南部との間に広がるイオニア海に由来する。

出典

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  1. ^ INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)” (PDF). 日本地質学会 (2020年3月). 2021年1月27日閲覧。
  2. ^ 日本地質学会 地質系統・年代の日本語記述ガイドライン_改訂履歴”. 日本地質学会 (2021年12月2日). 2021年12月30日閲覧。
  3. ^ a b 命名「チバニアン」 77万4000~12万9000年前の地質時代 国際学会決定”. 毎日新聞 (2020年1月17日). 2020年1月17日閲覧。
  4. ^ チバニアン正式決定!”. 千葉県立中央博物館. 2020年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月3日閲覧。
  5. ^ “「チバニアン」待望の「ゴールデンスパイク」設置 千葉 市原”. NHK. (2022年5月23日). https://web.archive.org/web/20220523090001/https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/article/003/83/ 
  6. ^ 地質時代 「チバニアン」命名申請 国際連合、来年結論”. 毎日新聞 (2017年6月7日). 2017年11月22日閲覧。
  7. ^ a b 千葉県市原市の地層を地質時代の国際標準として申請 認定されれば地質時代のひとつが「チバニアン」に”. 国立極地研究所 (2017年6月7日). 2017年11月22日閲覧。
  8. ^ 市原市 (2017年11月17日). “市原市田淵の地磁気逆転期地層のGSSPへの認定について”. 2017年12月8日閲覧。
  9. ^ (英語)N. Ciaranfi, G. Aiello, D. Barra, A. Bertini, A. Girone, P. Maiorano, M. Marino, P. Petrosino (2014年4月24日). “The Montalbano Jonico Section (Southern Italy): A Candidate for the GSSP of the Ionian Stage (Lower–Middle Pleistocene Boundary)”. STRATI 2013. 2017年11月23日閲覧。
  10. ^ (英語)Luca Capraro, Patrizia Ferretti, Patrizia Macrì, Daniele Scarponi, Fabio Tateo, Eliana Fornaciari, Giulia Bellini, Giorgia Dalan (2017年6月1日). “The Valle di Manche section (Calabria, Southern Italy): A high resolution record of the Early-Middle Pleistocene transition (MIS 21-MIS 19) in the Central Mediterranean”. Quaternary Science Reviews. 2017年11月23日閲覧。
  11. ^ 「チバニアン」GSSP申請論文における特定不正行為の告発と、その後の研究機関の回答について”. 古関東深海盆ジオパーク推進協議会 (2020年12月26日). 2021年3月19日閲覧。
  12. ^ 「地磁気反転」の謎わかる? チバニアン観察施設を整備”. 朝日新聞 (2020年11月30日). 2021年1月22日閲覧。
  13. ^ 「チバニアン」案内施設、隈研吾氏が設計へ 26年度にオープン”. 毎日新聞 (2022年8月30日). 2022年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月31日閲覧。
  14. ^ チバニアン施設 里山に溶け込む「ジオルーフ」 隈研吾氏が設計「時代の転換点の象徴に」 シンポで概要発表”. 千葉日報 (2023年2月28日). 2023年3月1日閲覧。
  15. ^ a b c 青野靖之. “これまでの気候の移り変わり(第四版)”. 大阪府立大学緑地環境科学類生態気象学研究グループ. 2017年11月23日閲覧。

外部リンク

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