レモネード
レモン果汁に甘味料などを加えた飲料水
レモネード、ないしレモンエード(lemonade)は、レモンの果汁に蜂蜜やシロップ、砂糖などで甘味をつけて冷水で割ったエード。冷水の代わりに熱湯を用いればホットレモネードになる。また飲料とは別にレモンの品種の一つに「レモネード」という果物があり、果実は皮をむいてそのまま食べることができる[1]。
世界のレモネード
編集「レモネード」は世界各地で飲まれているが、その中身は国や地域によって異なる。
- アメリカとカナダ
- 炭酸の入っていない砂糖入りレモン水で、 インディアンの伝統飲料に由来する「ピンク・レモネード」もよく飲まれている。
- 子供がレモネードの露天販売を行うのは古くからアメリカで見られる夏の風物詩であるが、原材料費節約のためにレモンではなく粉末クエン酸(子供でも薬局で簡単に安価で購入出来る)で代用することも多い。
- イギリス
- 砂糖かあるいは甘味料入りのレモン炭酸飲料、もしくは薄める前の原液のことをいう。アメリカやカナダでいうレモンスカッシュである。
- アイルランド
- レモン風味の炭酸水を指すが、「白レモネード」と「赤レモネード」がある。白レモネードは他国にある無色の炭酸入りレモン水と同じだが、炭酸で泡立つ赤レモネードはアイルランド特有である。
- オーストラリアとニュージーランド
- 無色透明の炭酸レモン水のことをレモネードと呼ぶ。これはイギリスやコモンウェルス圏で用いられる。Spriteや7Upのラベルに「lemonade」と書かれていたこともあった。これがレモン果汁などで濁っていると「レモンスカッシュ」(Lemon Squash) と呼ばれ、Soloやリフトといった商品がある。希に、ただのレモン果汁のことを「レモンスカッシュ」と呼ぶこともある。
- フランス
- フランス語では limonade という。イギリスと同様の炭酸飲料で、LorinaやPschittといった商品が該当する。ビールと limonade のカクテルは「パナシェ」(Panaché)と呼ばれ、これはイギリスのシャンディ・ガフと同類とみなされている。また類似の飲料として、レモンを皮ごとミキサーにかけたものに水や砂糖を加えて飲むシトロネード(Citronnade)がある。
- イタリア
- レモン果汁またはレモン水に砂糖や蜂蜜などの甘味料を加えた炭酸が入ってない飲料を呼ぶ。アマルフィからシチリアにかけての南イタリア沿岸で多種類のレモンが栽培されている。レモンを漬けたリキュールはリモンチェッロ(Limoncello)と呼ばれる。
- フィンランド
- フィンランド語では "limonadi" あるいは "limu" という。コカコーラのような炭酸飲料全般をレモネードと呼ぶ。例えば "Omena Limonadi" というのは、英語でいうと "Apple Lemonade" のことである。
- ドイツ
- ドイツ語では "Limonade" あるいは "Limo" という。炭酸飲料全般をいうが、特に甘いレモン風味の飲料は "süßes Sprudel" と呼ばれる。ビールとこのレモネードのカクテルはドイツ南部では "radler"、ドイツ北部では "Alsterwasser" で、白ワインとレモネードのカクテルは "Limoschoppen" または "Süßgespritzter" と呼ばれる。
- オランダ
- 甘い濃縮果実酒を水で割ったもの全般を指す。
- 日本
- アメリカなどと同様にレモン果汁に水と砂糖を加えたものを指すことが多い。レモン水とも呼ばれる。はちみつレモンはそのバリエーションである。また、ラムネはこのレモネードの名前が訛ったもの[2]。
- 香港
- 茶餐廳と呼ばれる飲食店では、シロップで甘くした水にスライスされたレモンを添えたもので、"檸檬水" などと呼ばれる。
- インドとパキスタン
- アメリカと同じレシピの砂糖入りレモン水で "nimbu pani'" と呼ばれる[3]。
- ブラジル
- レモン水そのもののことを指すか、あるいは、皮を剥いてないレモン・氷・冷水と砂糖(あるいはクリーム)をシェイク[要曖昧さ回避]したものを言う。このシェイクしたものは特に "swiss lemonade" と呼ばれる。
- 中東
- アメリカと同じ砂糖入りレモン水だが、ミントの葉が入る("Lemonana"と呼ばれる)。大量の氷と共にブレンダーで粉砕し、スムージーのようにして供することもある。また、Ouzoなどのアニス系のリキュールを加え、アルコール飲料とする場合もある。
歴史
編集炭酸の入っていない方のレモネードは商業用ソフトドリンクの中でも最も古い部類にあり、少なくとも17世紀には販売されていた。1676年、パリにおいて "Compagnie de Limonadiers" と呼ばれる業者団体が結成され、レモネード販売の専売権を取得している。業者たちはレモネードを作りそれをタンクで運び、カップに注いで販売していたという。[4]
脚注・出典
編集- ^ 静岡新聞 (2016年10月15日). “寿太郎に続け「レモネード」JAなんすんがブランド化推進”. 静岡新聞SBSオフィシャルサイト. 2017年7月26日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “ラムネとは”. トンボ飲料. 2020年6月27日閲覧。
- ^ Feature Story - History of India & Indian Cuisine (Part-3)
- ^ soft drink