利用者:水凪唯維/水凪唯維の作業部屋2


麦角菌
麦角菌
分類
: 菌界 Fungi
亜界 : ディカリア亜界 Dikarya
: 子嚢菌門 Ascomycota
亜門 : チャワンタケ亜門 Pezizomycotina
: フンタマカビ綱 Sordariomycetes
: ボタンタケ目 Hypocreales
: バッカクキン科 Clavicipitaceae
: バッカクキン属 Claviceps


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C. ranunculoides の発生については、保存された標本の分生子および菌核の観察によれば疑問がある。


北アメリカ産の Claviceps 属菌は、中部から北部にかけての温帯性草原地域(たとえば C. purpurea var. purpureaや C. nigricans) から中部~南部(C. pusilla), あるいは湾岸地域 (C. purpurea var. spartinae,およびC. zizaniae), 北部の湿潤地域(C. grohii), 南部の温帯ないし亜熱帯性草原 (C. africana, C. paspali, C. tripsaci, C. yanagawensis), 南西部に成立している乾性草原 (C. cinerea)など、種々の分布パターンを持っている。

 


麦角菌(バッカクキン)はバッカクキン科バッカクキン属 (Claviceps) に属する子嚢菌の一属を指す。

本稿では、まず属のタイプ種である狭義の麦角菌(Claviceps purpurea var. purpurea (Fr.) Tulasne)と、その変種群について記述し、さらに同属に所属する代表的な種について概略を述べる。

形態

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有性世代(テレオモルフ)

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子実体(子座)は菌核から1個ないし数個が形成され、もろい肉質で全体としては太鼓のばち状をなし、ほぼ球状の頭部(径2-3.5ミリ程度:紅褐色~赤紫色または紫褐色)と細い円筒状の柄(長さ20-30ミリ、径1-2ミリ程度)とで構成され、頭部の表面には微細な粒状の隆起(子嚢殻の頸部)が無数に認められる。頭部の表層に埋没した子嚢殻は楕円形ないしフラスコ形をなし、上部は次第に細まって頭部の外面に突出するとともに、上端に小さな頂孔を開く。子嚢殻の内部には細長い円筒形の子嚢が無数に形成される。個々の子嚢は無色・薄壁(頂部のみ顕著に厚壁)で長さ70-80μm、径3-4μm程度、内部に8本ずつの子嚢胞子を含む。子嚢胞子は無色で細長い糸状(幅1-1.5μm)を呈し、未熟時には単細胞であるが、子嚢から射出された後には隔壁を生じる[7][8]。成熟した子嚢胞子は子嚢先端から射出され、さらに子嚢殻の先端に開いた頂孔から噴出し、風に運ばれたり雨水に交じったりして分散することにより、新たな宿主植物の花序に感染することになる[9]


無性世代(アナモルフ)

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菌核
長さ10-30ミリ、最も太い部分の径2-4ミリ程度の紡錘状ないし鰹節状をなす。外面は暗紫色を呈し、ときに縦に走る小じわを生じ、あるいは亀裂を有することがある。顕微鏡的には、外層は薄い外被層(rind:多角形で比較的小さく、互いに密に結合した細胞群からなる)と外殻層(Cortex:著しく厚壁で顕著にメラニンが沈着した壁を有する、多角形でやや大きな細胞で構成される)とに区別される。内部の組織は肉眼的には淡紫色ないし帯紫灰色を呈し、無味無臭で、硬く脆い木質、顕微鏡的には、菌核の長軸に沿って配列した無色で薄い壁を有する菌糸群で構成されており、菌糸は互いに密着し、細胞間隙は小さくて数少ない[7][10]。菌核は、休眠・耐久体として機能するものと推定されている[11]



分生子世代
Sphacelia型で、菌糸は無色であるが、肉眼的には黄白色にみえる[12]。分生子柄は分岐せず、単一のこん棒状で、多数が密集して分生子形成層となる。分生子は卵形ないし楕円形で無色・薄壁、隔壁を生じることなく単細胞で表面は平滑、大きさ4-6×2-3μm 程度である[7]。野外の罹患植物から得た蜜滴を観察した場合には、ときに蜜滴中に混在するコウボ類などと見誤られることがある[13]。分生子には二型性を欠き、二次分生子(secondaly conidia)の形成能も持たない[14]


分生子世代に対してはSphacelia segetum Lév. の学名が長らく用いられてきた[15][16]が、命名規約の改訂により、この名は現在では無効とされている。なお、Claviceps 属の各分類群の間では、その分生子世代の形質の違いはほとんど認められず、分生子世代のみによる分類群の同定はほとんど不可能である[17]


(Pažoutová, S., Kolarík, M., and R. Kolínská, 2004.Pleomorphic conidiation in Claviceps. Mycological Research 108:126-35.=REF NAME=CONIDIAinCLAVICEPS                      ↓ Abstract Types of asexual sporulation in 17 Claviceps species and the closely related Corallocytostroma ornicopreoides were revised in relation to the phylogeny of clavicipitaceous fungi. We observed: (1) 分岐したフィアライドからの内生分芽型の分生子形成enteroblastic conidiation from branched phialidic conidiophores typical of the genus (anamorph Sphacelia) in all species including Corallocytostroma; (2) widespread and often sequential formation of terminal holoblastic secondary conidia on tapering hyphae arising from sphacelia型の大分生子から伸長する菌糸の先端における、全分芽型の二次分生子形成、 macroconidia: and (3) sphacelia型の conidiation, sympodial holoblastic conidiation of the -type in cultures of


培地上での所見

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培地中の炭素源としてはマンニットが好まれ、培地処方の一例として、たとえばマンニット5パーセント、グルタミン酸1パーセント、リン酸二水素カリウム0.1パーセント、硫酸マグネシウム7水塩0.03パーセントを蒸留水に加えた後、アンモニア水を用いてPH5.2に調整したものが用いられる[18]。また、マンニットの一部をコハク酸アンモニウムに置き換える場合[19]もある。そのほか、表面培養法(液体培地の液面に、菌体が浮かぶような方式で培養する)を採用する場合には、グルコースあるいはスクロースを炭素源とする培地(グルコースまたはスクロース5パーセント、コハク酸アンモニウム0.8パーセント、リン酸二水素カリウム0.1パーセント、硫酸マグネシウム7水塩0.05パーセント)が使われる[20]スクロース10パーセント、L-アスパラギン1パーセント、酵母エキス0.01パーセント、リン酸二水素カリウムおよび硫酸マグネシウム7水塩それぞれ0.025パーセント、硫酸鉄(II)0.02パーセント、硫酸亜鉛(七水塩)0.015パーセント、塩化カリウム0.012パーセント、硝酸カルシウム(四水塩)0.1パーセントを1000ミリリットルの蒸留水に加え、PHを5.2とし、さらに寒天を加えた固形培地を用いても培養することができる[21]

培養による麦角菌類の発育に対しては、炭素源の濃度だけではなく、培地のモル浸透圧濃度も影響する[22]。また、通気に関しては表面培養法を採用するのが一般的で、振とう培養法(菌体が培地に沈んだ状態で、培養容器全体を振る)あるいはいわゆる通気培養(菌体が培地に沈んだ状態で、チューブなどで培地中に酸素を送り込む)方式では菌の発育がよくない場合が多く、もし菌糸体が発育したとしても培養液中への麦角アルカロイド産生がほとんど認められないこともある[19]


培地上での生育はいっぱんにあまり速くはなく、集落は初めは白色であるが、古くなるとしばしばピンク色ないし紫灰色を帯びることがある。菌核は、人工培地上では通常は形成されない[7]。液体培地に沈んだ状態で生育させると、栄養菌糸が膨らみ、数珠状に連鎖した無性胞子を生じる[23]ことがあり、あるいは菌糸の先端が膨れてその細胞壁が肥厚し、厚壁胞子(Chlamydospore)状の構造を形成することもある[24]


生態

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宿主

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日本では、ライムギコムギ六条オオムギエンバク などのほか、家畜用飼料としてのトールフェスクレッドフェスクメドウフェスクシープフェスクなどのフェスク類、ハーデインググラスチモシートールオートグラスリードカナリーグラスオーチャードグラスレッドトップペントグラスブロムグラスベルベットグラスブルーグラスメドウフォックステール[25][26]にも宿生する。また、野生植物としてはスズメノカタビラ[25]ヌカボヤマヌカボコヌカグサキツネガヤスズメノチャヒキオオカニツリナガハグサヒロハウシノケグサ[26]などに寄生性を示し、食用あるいは飼料用の栽培作物への伝染源となる。

アラスカを含む北アメリカ国内における調査では、165種の植物を宿主とすることが確認されるとともに、その分生子のサイズは、宿主の種や発生した場所の地理的相違とはほぼ無関係に安定していると考えられている[27]


生活環

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麦角菌の生活環は、宿主植物の開花期に合わせて進化してきたものと考えられる[9] [28]。   宿主植物への感染はその開花期に限定され、菌の侵入は子房の側面から行われる[29]。感染するとまず胚珠が破壊され、子実の内部組織はしだいに菌糸に置き換えられ、充分に生育すれば無数の無性胞子(分生子)を形成する。同時に、菌糸は糖分を含んだ液体のしずく(蜜滴:Honey Due)を分泌し、分生子は蜜滴とともに花穂の表面に滲み出る。蜜滴は昆虫によってほかの花序に分散され、あるいは雨滴によっても飛散し、または乾いた蜜滴が剥離して付近の他の花へと伝染する[9]。なお、変種群を含め、分生子が発芽した菌糸から新たに分生子を形成する性質(二次分生子の形成)はない[14]


籾殻の内部に形成された菌糸塊はさらに肥大し、子房への感染から2-3週を経たころから着色した細胞からなる薄い皮層とほぼ無色の菌糸からなる髄層とに分化し、菌核として、外界に姿を現す。菌核は宿主植物から離れて地上に落下すると休眠に入り、翌年の宿主の開花期まで残存する[9]。休眠が破れれば、菌核内部に造精器が作られ、受精毛(trichogene)の形成なしに核融合が行われる。ついで鉤状構造の形成(hook-formation)を経て子嚢が作られ始める[30]


子嚢の形成過程と並行して、有性世代(テレオモルフ)の子実体(子座)が発達し始め、菌核の表層を破って小さな菌糸塊として出現する。実験的には、植物体から自然に分離・脱落した菌核を、2-3℃の低温下で一カ月ほど処理し、次いで湿らせた砂の上に並べ、室温で再び一カ月ほど保つことで、子座を発生させることができる[7]。 子座形成の至適温度は10-25℃[31]にあり、低温処理を施した後であっても、25℃以上では子座の形成は抑制され[32]、さらに35℃以上の温度のもとでは子形成されない[33]。また、照度の大小も子実体形成に影響し、約3000ルックスの照明下では子座は作られないという[33]


なおライムギの栽培農地における観察では、冬の寒気が厳しく、いっぽうで春から夏にかけての降水量が大きい場合に、麦角病が猛威をふるうという説がある[34]。これは、子座の形成と子嚢胞子成熟には多量の水分を要し、一方で子嚢胞子の分散には、空気が乾燥するとともにある程度の風力が供給される必要があるためではないかと推定されている[35]


分布

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ユーラシアを中心に全北区亜熱帯から寒帯まで広く分布し、イチゴツナギ亜科(Pooideae)・ダンチク亜科( Arundinoideae)・キビ亜科(Panicoideae)など、イネ科に属する宿主植物の分布域と重なって見出される[11][36]


分類学上の位置づけ

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宿主植物(ライムギ)への噴霧接種による人工培養では、菌核がまれに宿主の花穂以外の部位(宿主の茎の形成層内)に発達することもある[37]


属内では、分布域が温帯から亜寒帯にかけて広がることや、分生子に大・小の二型が区別されないことなど、典型的とはいえない性質を持っている。分子系統学的見地からは、Claviceps属内でも、C. paspali, C. zizaniae および C. grohii とともに小さなクレードを形成している[11]

肉眼的・顕微鏡的形態や生態学的性質が多少とも類似している菌群としてはEpichloë属(がまの穂病菌属)や Neoclaviceps属(コスタリカ産)などが挙げられるが、前者は菌核を形成せず、子実体は無柄で、宿主植物の花穂上に多数密生して形成される点で異なる。また後者は、子実体が球状の頭部と細く短い柄とで構成される点では麦角菌に似るが、やはり菌核を作らないこと・分生子の形成様式が異なることなどにおいて区別されている。これらは、分子系統学的解析によっても、麦角菌類との類縁関係が指摘されている[11][38] 。5.8SリボソームITS-1およびITS-2領域の分子系統学的解析によれば、Claviceps属は Corallocytostromaを祖先として進化してきたものと考えられる[14]


Claviceps属には、現時点では45種ほどが含まれるが、そのほかに、アナモルフのみが知られ、テレオモルフがまだ発見されていない種がいくつか報告されている[11]


和名・学名

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和名は、ムギ類をしばしば宿主とする生態と、宿主の花序に混在する紡錘状の菌核の外形とに因む。中国語でもこの名称が用いられるが、名称が中国渡来のものであるのか否かは明らかでない。属名Clavicepsは、ラテン語clavis (こん棒)とギリシア語ceps (頭)とに由来し、種形容名purpurea はラテン語purpureus(暗紫色の)からきている[12]


C. purpureaの変種群

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丹田誠之助、1977. 日本列島所産の麦角(第1報)ヨシ属Phragmitesの麦角病菌に関する検討.東農大集報 22: 193-201.


丹田誠之助、1977. 日本列島所産の麦角(第3報)スズメノテッポウの麦角病菌.東農大集報 22: 293-296.

丹田誠之助、1978. 日本列島所産の麦角(第6報)カニツリグサに発生する Claviceps purpurea Tul. var. alopecuri Tandaの1生理系統.東農大集報 23: 207-213.

丹田誠之助、1978. 日本列島所産の麦角(第7報)3種のヌカボ属(Agrostis)植物よりえた麦角病菌.東農大集報 23: 215-218.

丹田誠之助、1979. 日本列島所産の麦角(第8報)ノガリヤス属植物(Calamagrostis spp.)の麦角病菌.東農大集報 24: 67-75.


丹田誠之助・川谷豊彦、1980. 日本列島所産の麦角(第11報)ヒエガエリの麦角病菌.日本菌学会報 21: 97-101.

Tanda, S. and Y. Harada, 1989. Mycological studies on the ergot in Japan (XXII). A new ergot parasitic on Isachne globosa. Transactions of the Mycological Society of Japan 30: 105-109.

丹田誠之助、1991.日本列島所産の麦角(第23報)ススキ属(Miscanthus)植物に発生した麦角病菌の諸特徴と分類学的所属の再検討.東農大集報 35: 213-223.

Tanda, S., 1991. Mycological studies on the ergot in Japan (XXV). Determination of taxonomic position of ergot on Spodiopogon sibiricus. Journal of agricurture Science, Tokyo Nogyo Daigaku 36: 28-35.

Tanda, S., 1992. Mycological studies on the ergot in Japan (XXIX). Two ergot fungi parasitic on Paspalum grasses. Journal of agriculture Science, Tokyo Nogyo Daigaku, 36: 292-312.

ヨシの麦角に寄生するヒメバッカクヤドリタケ:分生子の形成とその伝染環における役割 原田幸雄・田中和明・佐野輝男、2011. 日本植物病理学会報77:1 ページ:51.


var. agropyri Tanda
var. alopecuri Tanda
var. dactylidis Tanda
オーチャードグラスおよびオオイチゴツナギに寄生する

[26] [39]

var. sasae Tanda
ササ類(イトザサイブキザサイワキザサエゾスズタケエゾミヤコザサオゼザサクマイザサクマザサスズタケタカヤマザサネマガリタケニッコウザサミヤコザサヤマトザサなどに寄生する[26][40][41][42]。本変種は、その命名にあたってラテン語記載およびタイプ標本の指定が行われておらず、命名規約に適合した正式名となっていない[26]


var. spartinae R.A. Duncan & J.F. White
アイルランド[43]および北アメリカ(ロードアイランド州[44][45]ミシシッピ州[33][46]メリーランド州ジョージア州ニュージャージー州フロリダ州モンタナ州メイン州マサチューセッツ州サウスダコタ州メイン州サウスカロライナ州ルイジアナ州[10]カリフォルニア州北部[47])やカナダに分布し、塩分を含んだ土壌に好んで生育するイネ科のヒガタアシSpartina alterniflora Loisel.)およびその同属種(たとえばS. patens (Aiton) Muhl やS. cynosuroides (L.) Roth、S. foliosa Trin. など)に寄生する。基本種(var. purpurea)とは、菌核がはるかに大きく、その外皮層が厚いことで区別される[10]。また、基本種では、その菌核の含有成分の一つであるエルゴクリプチンに、アルファおよびベータの二型が共存するのに対し、var. spartinaeではベータ型のみしか存在しない点も、両者の重要な相違であるとみなされている[48]


なお、var. spartinae の菌核は、低温処理を経なくても子座の形成がみられる。また、基本種のそれとは異なって皮層が著しく厚い。いっぽうで菌核内部の細胞間隙が大きいこともあって、菌核の見かけ比重は var. purpurea のそれよりも小さい。これらの性質について、菌核が水流に運ばれることによって分散をはかるための適応であるという説がある[10]




Clavicepsに属する主要な種

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C. africana Frederickson, Mantle & de Milliano
熱帯性で、初めはアフリカ大陸から見出された種で、近年ではインドでも分布を広げつつある。さらに、メキシコにも産し、遺伝子型を異にする三つの系統が区別されている[49]
モロコシ属を宿主とし、罹患した花穂から分泌される蜜滴は淡桃色で、その表面は無数に形成された二次分生子によって白粉状を呈するために Sugary desease の病名で呼ばれる。アナモルフはSphacelia sorghi McRae である[50]
日本でも


C. amamiensis Tanda
現在までのところ、日本奄美諸島の特産種で、イヌメヒシバ(Digitaria microbachne (J.Presl) Henrard)を宿主とする[51][52]。菌核は長さ1.2-5.6ミリ、もっとも太い部分の径0.4-1.0ミリ程度、黒紫色ないしほとんど黒色を呈する。子座は暗紫色の頭部と明るい帯褐紫色の柄(基部は綿毛状の菌糸を欠く)とからなり、子嚢胞子は長さ91-133μmである。分生子には大(紡錘状ないしやや三日月状で、大きさ9.8-14.6×2.0-4.1μm)・小(楕円体状ないし類球形、大きさ2.4-5.6×2.0-3.5μm)の二つの型がある。
台湾から報告されたC. miscanthi Sawada(Miscanthus japonicus

および Digitaria ciliaris(Retz.) Koel. 澤田兼吉, 台湾産菌類調査報告 10:1944. →書誌事項再確認


C. syntherismae Sawada(日本語記載のみ:命名規約に違反)
Syntherisma sanguinalis var. ciliaris

澤田兼吉, 台湾産菌類調査報告 10:1944. →書誌事項再確認


C. annulata Langdon
オーストラリアクィーンズランド)産の標本に基づく種で、他の地域からは見出されていない。宿主はウンヌケ属(Eulalia)のナンゴクササガヤモドキ(日本には自然分布しない)である[53]
菌核はクリ褐色を呈し、子座はクリ色の頭部とオレンジ褐色の柄とからなり、頭部と柄との境界部には環状に密毛を生じる。分生子は一側が偏圧され、大きさ8.5-12.5×3.5-6μmである。
本種については、C. pussila の地方変異型ではないかとする見解もある[52][54]


C. balansioides Möller
ブラジルから新種記載された種で、ヒエ属(Echinochloaを宿主とする。菌核はやや不正形で、黒褐色を呈する。子座の頭部は球状、柄は長さ8センチにおよび、ともに淡黄褐色である。別に楕円体状の分生子を形成する[55]
本種をClaviceps flavella(後述)と同一種であるとみなし、命名規約上の優先権を持つflavellaの種形容名を適用すべきであると主張する見解もある[56]が、これは比較検討に用いられた標本の同定ミスが原因となった誤りであると考えられる[52]。なお、この両者をそれぞれ独立して扱うとともに、C. balansoidesを別属Balansiellaに移す意見[57]がある。


C. bothriochloae Tanda & Y. Murayama
ヒメアブラススキを宿主とする日本特産種で、菌核は暗褐色または暗紫色を呈し、子座は頭部も柄も鮮やかな硫黄色である。子嚢胞子は長さ71-104μm程度、分生子は楕円体状ないし卵状で大きさ2.6-5.9×1.8-3.2μmである。[58]
C. caricina Griffiths
スゲ属Carex)の一種(C. nebrascensis Dewey)に寄生する。

子座はまだ見いだされていない(?)[59][60][61]


C. chloridicola Pažoutová
On Chloris:[62]


C. cinerea Griffiths
北アメリカ(中南部~南西部)からメキシコにかけて分布する(タイプ標本はアリゾナ州産)もので、宿主はHilaria属(たとえばH. mutica (Buckley) Benth. やH. cenchroides Kunth など)[63]およびコメガヤ属[52]の植物である。
菌核は狭紡錘状でしばしば僅かに湾曲しており、長さ1.5-3センチ、もっとも太い部分の径1.7-2.5ミリ程度、暗灰色(頂部は淡灰色ないし類白色)を呈し、成熟までの間は著しい粘質物におおわれる。子座は全体が淡灰色で、頭部には粘性があり、子嚢殻はほとんど突出しない。子嚢は細長い円筒状で、8個の子嚢胞子を含み、大きさ135-150×4-5μmである。子嚢胞子は不明瞭な油滴状の小粒を多数含み、糸状・無色で大きさ100-120×1.0-1.5μmである。菌核は秋季に成熟するとみられ、10月半ばに野外で見出された菌核を用い、室内での追培養を試みた実験によれば、11月下旬には子座の形成と子嚢胞子の成熟とが確認されたという[63]。この性質は、宿主が有する短いライフサイクルに適応したものであると推定されている[52]
なお、原記載文においては、分生子の形質についての記述がない[63]が、分生子の顕微鏡的写生図が添えられてあり、その図でみる限りでは、本種もまた大・小の二型の分生子を形成するものと考えられている[52]


C. citrina Pažoutová, Fucík., Leyva-Mir & Flieger
メキシコテスココ湖周辺)に産し、牧草の一種Distichlis spicata Greene(俗称 australian saltgrass、あるいは seashore saltgrass)に寄生する。菌核は大きさ4-12×1-2ミリ程度で褐色または灰色を呈し、子座はレモン色の頭部とより淡い黄色を帯びた柄とからなる。子嚢胞子は大きさ78-136×0.45-0.6μm、分生子は楕円形で大きさ3.65-7.2×2.5-2.7μmである[64]
菌核は、低温処理を経ずとも、湿った砂の上で子座を形成するが、これは原産地周辺の、冬季における厳しい気象条件に適合したものではないかと言われている。また、クラビンやリゼルグ酸(ないしはそれらの誘導体)をまったく含有していない点も特徴的である[52]。さらに、

培養下におけるその分生子形成様式は、シンポジオ型(かつ全分芽型)でEphelis-タイプと称される特殊なものであり、形成された分生子は二次分生子の形成能を欠いている[14]


C. clavispora Pažoutová & Odvody

[62]


C. cynodontis Langdon
はじめはアフリカ大陸で見出された菌である[65]が、インド・ミャンマーを経てフィリピンにも分布し、ヨーロッパにも産することが知られている[52]。牧草の一種であるCynodon dactylon(L.) Pers. (俗称 bermuda grass)を宿主とする。菌核は長さ5ミリ以下で濃褐色を呈する。分生子は腎臓形をなし、大きさ10-20×4-6μmであるという[65]
C. cyperi Loveless
南アフリカに分布し、カヤツリグサ属Cyperus)の植物(たとえばC. esculentus L. やC. rotundus L. など)を宿主とする。菌核は円筒状ないし楕円体状で長さ5-8ミリ、もっとも太い部分の径1ミリ程度、暗褐色~黒色を呈する。子座は類球形で径1ミリ前後の頭部と細長い柄(長さ6ミリまで、径0.2-0.4ミリ程度)とで構成され、頭部の表層に多数の子嚢殻が埋没する。子嚢は大きさ90-120×2.5-3.5μm、子嚢胞子は細い糸状で大きさ70-80×1 μm程度である。分生子は狭楕円体状ないし円柱状をなし、無色で大きさ(5.5-)8-10.5(-13)×2-3.5(-4)μm である[66]


キュー植物園標本庫に所蔵されているエチオピア産の Cyperus rigidifolius Steud. やマレー半島産のC. latifolius Poir. の標本上からも、本種のものではないかと思われる菌核が見出されているが、子座もアナモルフも形成されていないため、これらの地域に C. cyperi が分布するのか否かについては未確認の状況にある[67]


アフリカ西部のウシ麦角症流行地において、カヤツリグサ属の植物から得られたC. cyperiの菌核に含まれるペプチド系アルカロイドを、高速液体クロマトグラフィーおよびタンデム質量分析によって分析した結果、その主要成分は α-エルゴクリプチンであることが明らかになった。またエルゴシンも見出されたが、エルゴコミンおよびエルゴクリスチンの含有量は少量にとどまるものであった。固体培地上では、α-エルゴクリプチンの産生がごく僅かに認められたが、液体培地中でこれを産生する菌株は見出されなかった。なお、C. cyperi が分泌する蜜滴中に普通に見出されるCladosporium cladosporioidesFusarium heterosporum(ともに真菌類の一種)に対し、α-エルゴクリプチンは抗菌活性を示さなかったという[68]


C. diadema (Möller) Diehl
南アメリカに分布する種で、キビ属その他に寄生する[69]。菌核は非常に発達が悪く、密に集合した菌糸塊状をなすにとどまり、宿主の花序に付着して脱落しないままに子座を形成する。この性質は、Claviceps属の菌としては原始的なものであると考えられている[52]
子座は


C digitariae Hansf.
ウガンダを基準産地とする種で、宿主はメヒシバ属の植物である[70]。菌核は卵形ないし長楕円体状で大きさ 1-4×1.5ミリ程度、暗褐色またはほとんど黒色を呈する。子座は、適当な湿度の下に菌核を保つことにより2-3か月後に形成され、頭部は黄色(子嚢殻の突出部は成熟に伴って紫色を帯びる)を呈し、柄(黄色~黄白色で、基部に白綿状の菌糸堆を備える)との接続部には襟状の隆起を有する。子嚢は細長い円筒形で大きさ115-140×100-145μm、子嚢胞子は糸状・無色、大きさ90-120×1μmである。分生子は楕円体状、大きさ10.5-17.5×3-5.5μmである。


C. flavella (Berk. & M. A. Curtis) Petch 1933
これも南米(キューバ)に産するもので、キビ属などを宿主とする[71]。菌核もC. diademaのそれと同様に未発達で、白く柔らかい菌糸塊として宿主植物の子実組織を置き換えるにとどまるのが特徴である[72]
はじめは冬虫夏草の一種としてCordyceps flavella Berk. & M.A. Curtis in Berkeley の学名が与えられた[73]が、のちに Claviceps 属に移された[56]


C. fusiformis Loveless
アフリカ(ジンバブエ)とインドとから見出されており、Pennisetum 属(たとえばP. glaucum)および Cenchrus 属 (たとえばC. ciliaris)の植物を宿主とする[6][11][74]
分生子には大・小の二型が区別され、大分生子が細長い紡錘状(まれにわずかに湾曲して三日月状をなす)となること[6][74][75]や、産生するアルカロイドはいずれもクラビン系である(カノクラビン・アグロクラビン、およびエリモクラビン)が、フェスツクラビンやピロクラビンは見出されないのが特徴である[6]。なお、本種については、いまだにテレオモルフが発見されていない[6][74]。本種は、一時はC. microcephalaと誤同定されていた[76]が、後者はクサヨシ属を宿主とし、その分生子には大・小の区別がなく、C. fusiformisとはまったく異なる菌である。

パールミレット心皮への C. fusiformis 感染の組織学的研究[77]


C. gigantea S.F. Fuentes, Isla, Ullstrup and A.E. Rodr.
メキシコミチョアカン州)原産の種で、トウモロコシ に寄生する[78]。いまのところ他の地域からは見出されておらず、その発生は、気温が13-15℃の時期に限られるという[79]

大・小の二種類の分生子を形成するが、本種の大分生子は、他の多くの種のそれとは異なり、二次分生子を形成した後には死滅する[11]

C. glabra Langdon
オーストラリア原産で、宿主はメヒシバ属の一種(Digitaria longiflora ( Retz.) Pers.)である[80]。黒色・類球形の菌核を形成し、子座は紫赤色ないし赤褐色(クリ褐色)の頭部と淡黄褐色~クリーム色の柄とからなる。子嚢胞子は長さ70-110μm程度、分生子は楕円形あるいはわずかに湾曲し、大きさ12.5-20.5×4.0-7.0μmである。幼い子座の周囲に、ゆるく絡み合った菌糸マットを持たない点が特徴であるとされている[80]。形態的特徴や生態は、C. amamiensisのそれと共通点が多く、前者をC. glabraの異名として扱う意見もある。
C. grohii J. W. Groves
カナダおよび北アメリカに分布し、スゲ属(たとえばCarex stellulata Good. var. angustata Carey[81]C. brunnescens Poir., C. scirpoides Schkuhr., C. angustior Mack., C. stipata Muhl., あるいはC. tribuloides Wahl. など[61])に寄生する[11][61]。分生子には大・小の二型の区別を欠き、二次分生子(secondaly conidia)を形成しない[11]。はじめはC. purpureaと同一視されていた[81]が、菌核も子座もより小形であり、柄が暗紫色を呈することと、宿主を異にすることによって独立種として記載された[61]


C. hirtella Langdon
現在まで知られているかぎりではオーストラリアの特産種で、Cenchrus 属・コゴメビエ(Paspalidium)属・ナルコビエ(Eriochloa)属[82]あるいはUrochloa 属やEntolasia 属などを宿主とする[6]C. fusiformis と同様に細長い紡錘状の大分生子を形成するが、その長さは前種よりも明らかに短い。アルカロイドについては、カノクラビンやアグロクラビン、およびエリモクラビンを産生する点ではC. fusiformisと共通するが、その他にフェスツクラビン・セトクラビンやピロクラビン、あるいはエルゴメトリンをも含む点で区別される[6]。本種についても、C. fusiformisと同様にテレオモルフはまだ発見されていない。


C. imperatae Tanda & Kawatani
日本原産の種であり、フシゲチガヤを宿主とする。菌核は紫褐色ないし暗褐色で、長さ10ミリに達することもある。子座の頭部は帯赤褐色を呈し、柄は帯赤灰色であるが下方に向かって帯褐紫色となり、基部は帯紫色の菌糸をこうむる。子嚢胞子は大きさ32-63×0.4-0.7μm程度、分生子は楕円形~卵形をなし、6.7-27.5×3.7-9.2μmである。菌核には、アルカロイドとしてアグロクラビン・エルゴメトリン・エルゴタミン・エルゴコルミンおよびエルゴクリスチンを含有している[83]


C. inconspicua Langdon
オーストラリア原産で、Hyparrhenia属の植物(たとえばHyparrhenia filipendulaなど)を宿主とする[84]が、菌核は暗褐色ないし黒色で、宿主の植物体の花穂に散発的に生じるにすぎない。子座の頭部は赤みを帯びた黒色を呈し、柄は帯褐紫色である。分生子は一側が偏圧された長楕円形で、大きさ 15-20×5-10μmである[52]。南アフリカにも、本種に近い形態学的所見を有する菌が分布する[85]


C. junci J. F. Adams
アイルランドダブリン郊外において、イグサ属Juncusの一種(J. inflexus L.)の花穂上から記載された種である。ただし子嚢は見出されておらず、アナモルフ世代(楕円形~卵形で大きさ 7-10×2.8-3.5μm の分生子を生じる)の記載のみにとどまっている[86][87]


C. langdonii Pažoutová & Odvody
On Dichanthium annulatum: Texas

[62]


C. litoralis Kawatani
日本原産の種の一つで、北海道・千島列島からサハリンにかけて分布し、ハマニンニクを宿主とする。菌核は長さ3.5-28ミリ程度、初めは淡灰褐色であるが、成熟すれば紫褐色ないし暗紫黒色となる。子座は一個の菌核あたり1-40本発生し、クリーム色~淡黄褐色の頭部と、淡い赤褐色ないし肉色の柄とで構成される。子嚢は大きさ75-160×2.2-4.2μm程度、子嚢胞子は長さ65-140μmである。分生子は卵状楕円形で無色・平滑、隔壁を欠き、大きさ3.1-18.5×2.3-7.1μmである[88]
[89]


[90]

C. purpurea の異名として扱う見解もある[52]


C. loudetiae Pažoutová & Frederickson
On Loudetia flavida: Zimbabwe

[62]


C. lutea Möller
ブラジル東部から記載された種で、菌核は淡褐色で表面はざらついており、ときにわずかに湾曲し、径3ミリ程度である。子座の頭部は淡い黄褐色を呈し、柄は淡黄色で長さ4センチに達する[55]。宿主は、原記載においてはスズメノヒエ属の植物であるとされたが、その後の再検討によってPancium 属を誤ったものとされた[71]


C. maximensis T. Theis
タイプ標本プエルトリコであるが、宿主(スズメノヒエ属の一種Panicum maximum Jacq.)とともにアフリカから移入されたものと考えられている[91]
菌核は長さ2-9ミリ、径1ミリ程度で褐色ないし灰褐色を呈し、子座の頭部は淡黄色~褐色、柄は幼時には淡緑色を帯びるが、成熟すれば淡い黄色となる。子嚢は大きさ105-139×2.5-3.0μm、子嚢胞子は大きさ95-126×0.5μmである。分生子は大きさ10-30×3.5-11μm程度、無色でおおむね楕円体状をなす[92]。なお、本種の菌核は、麦角アルカロイドを含有しないという[92]
C. microcephala (Wallr.) Tul.
[93]
ヒメバッカク C. microcephala (Wallr.) Tul. var. microcephala
クサヨシ属を宿主とし、菌核はC. purpurea(およびその変種群)のそれと比較して小形である[12]。子嚢の形成過程はC. purpurea と同様[94]で、後者の異名として扱う意見もある[36][52]。また、C. fusiformis を誤って本種と同定した例もある[95]が、C. fusiformisにおいては、その分生子は明らかに二型性を示し、まったく別物である。
C. microcephala var. acus Desm.


C. microspora Tanda
日本原産種の一つで、トダシバを宿主とする。菌核は黒紫色ないし黒色で、子座は頭部・柄ともに黒紫色~暗灰黒色を呈する。子嚢は大きさ95-161×3.9μm、子嚢胞子は88-133×1μm程度である。分生子は楕円形ないし類球形を呈する。菌核に麦角アルカロイドを含まないことや、C. purpureaの宿主となる多くの植物に対して感染しないことが特徴である[96]
なお、アブラススキを宿主とする麦角菌について、菌核や子座・子嚢殻、あるいは子嚢や子嚢胞子がより大きい点を根拠として、C. microspora の一変種 kawatanii Tanda として扱う意見があった[97]が、後者を区別せずに変異とみなす見解もある[52]


C. nigricans Tul.
ヨーロッパに広く産し、形態学的にはC. purpureaにきわめて類似している。Eleocharis およびホタルイ属Scirpus)の植物を宿主とする[36][98]。菌核は全体が暗紫黒色を呈し、子座の頭部は初めは帯橙褐色であるが成熟すれば暗紫色となる。子座の柄は初めは暗い青紫色を帯び、後に紫黒色になる[99]。分生子には大・小の別はなく、卵形で大きさ8-12×3-4μmである[100]


C. panicoidearum Tanda et Harada
タイプ標本は青森県弘前市で採集された(1979年11月1日)ものである。チゴザサ(Isachne globosa)を宿主とし、菌核は長さ2.0-6.6ミリ程度で暗紫色ないしほぼ黒色を呈する。

[101]→ディスク!


C. paspali F. Stevens & J.G. Hall
北米(ノースカロライナ州)で見出された標本を基に記載された種である。スズメノヒエ属Paspalum)の P. laeve Michx.や P. dilatatum Poir.などを宿主とし、種小名は宿主の属名にちなんでいる。[102]

,1910. Botanical Gazette


C. platytricha Langdon
オーストラリアから記載されたもので、宿主はIschaemum 属の一種(I. australe R. Br.)である[82]。菌核はクリ色を呈し、子座はくすんだ帯緑褐色の頭部(径0.6-1.2ミリ程度)と帯橙褐色を呈する柄とで構成されている。分生子は狭円筒状で時にわずかに湾曲し、両端は丸みを帯び、大きさ7.5-11×3.5-5μmである。本種は、いまのところオーストラリア以外からの記録がないが、アジアにも分布する可能性が考えられる[71]


C. pusilla Ces.
C. purpurea によく似るが、子座の頭部は赤みを帯びた黄褐色を呈し、柄も淡黄色~帯褐淡黄色である。また、頭部と柄との境界付近には、環状に微毛を密生する[16]。分生子はやや三角形状をなす[85]

Langdon, R. F. N., 1950. Studies in Australian Ergots 1. Claviceps pusilla Cesati[103]


C. queenslandica Langdon
オーストラリア(クィーンズランド)から報告された種で、タイプ標本スズメノヒエ属の一種(Paspalum orbiculare G. Forst.)の穂上に見出されたものである。
C. ranunculoides Möller

[104] [55]



C. rolfsii Stevens et Hall
北米に産し、宿主はスズメノヒエ属Paspalum dilatatum(dallisgrass または sticky heads の名で知られ、南米原産だが、広く北米・ヨーロッパ・アフリカ・オーストラリアおよびニュージーランドに帰化)である。菌核は類球形・帯褐白色で、成熟すると小じわを生じる。子座の頭部は淡黄褐色、柄は白っぽく、子嚢は円筒形で大きさ375×3μm、子嚢胞子は糸状で大きさ260-275×0.5-1μmである。C. paspali との異同についての議論があるが、前者に比べ、子嚢殻・子嚢・子嚢胞子がいずれもはるかに大形である[102]


C. rhynchelytri Herd & Loveless
アフリカ(ローデシア)産。ルビーグラスRhynchelytrum repens (Willd.) C. E. Hubb.)を宿主とする。
C. sesleriae Stäger
ヨーロッパに産し、宿主はSesleria caeruleaである。子嚢殻は大きく、子座の頭部はこんぺいとう状をなし、初めは帯黄白色であるが、次第に紫色を帯びてくる。子嚢殻・子嚢・子嚢胞子についての記載は、原記載では与えられていない。分生子は卵状楕円形で大きさ10.5-14×3.5-7μmである[102]

1906. Zentbl. Bakt. ParasitKde, Abt. II 17: 784.


C. setariicola Pažoutová & Odvody
C. setariiphila
On S. geniculata in Brazil
On Setaria vulpiseta: Texas[62]


C. setariiphila Pažoutová & Odvody
On Setaria geniculata: Rio Grande do Sul[62]


C. sorghi Kulkarni, Seshadri. & Hegde
主にインドに分布する亜熱帯性ないし熱帯性の種で、C. africanaと同様にモロコシ属を宿主とする。アナモルフの形態なども後者と同様で区別しにくいが、菌核に含まれるアルカロイドとしてジヒドロエルゴシンを生成しない点で別種とされている。
罹患した花穂から分泌される蜜滴の表面はC. africanaと同様に白粉状を呈するため、前者と共通した Sugary desease の病名で呼ばれる[105]。アナモルフにはC. africana のそれと同様にSphacelia sorghi McRae の学名が当てられている[106]


C. sorghicola Tsukibohi, Shimanuki, & Uematsu
これもモロコシ属に寄生する種であるが、罹患した花穂から分泌される蜜滴は淡褐色を呈する。また、蜜滴の表面は白粉状を呈するものの、分生子には大小の区別がない点[107]や、二次分生子の形成がみられない点が特徴的である[14]
1895年に宮崎県から初めて見出された[107]が、その後の調査によれば、日本国内の11の県にも分布することが明らかにされている[108]


C. sulcata Langdon
アフリカ(南ローデシア)産で、タイプ標本の宿主はビロードキビ属Brachiaria)の一種である。


C. tenuispora Pažoutová, Odvody & Frederickson
On Pennisetum glaucum: Texas
On Cenchrus and Pennisetum in Brazil, USA, and Zimbabwe

[62]


C. tripsaci Stevens et Hall
トウモロコシの近縁種(Tripsacum dactyloides)を宿主とし、北米南部から記載された。菌核は両端がやや尖り、もっとも太い部分の径4-5ミリ程度、初め帯橙白色であるが成熟するとほぼ黒色となる。子座は頭部(灰白色ないしほぼ白色)と長さ1-1.5センチ程度の柄(白色であるが、部分的に淡紫色を帯びる)とからなり、表層部に埋もれた子嚢殻の突出部によってざらつく。子嚢は円筒形で大きさ145-175×2-3μm、子嚢胞子は糸状で長さ130μm程度である。分生子は無色・紡錘状で時にやや湾曲し、大きさ17.4-37.7×2.9-8.7μmである[102]


C. truncatispora Pažoutová & Frederickson
On Hyparrhenia: Zimbabwe[62]


C. uleana P. Henn.

はじめブラジルから見出された菌で、エノコログサ属Setaria)の植物が宿主となる。

[55]
C. viridis Padwick & Azmatullah
[109]
C. yanagawaensis Togashi
現在までのところ日本特産で、シバZoysia japonica Steud.)に寄生する。秋(9-10月)の放牧地に見出されることが多く、家畜の麦角中毒を起こす事例が懸念される
野外または室内で越冬させた菌核からの子座の形成率は58-100パーセントを示し、子座の頭部は径0.4-2.0ミリ程度である。子嚢は大きさ90-205×3.0-7.0μm,子嚢胞子は細長い糸状で両端(特に下端)に向かって細まり,わずかに湾曲し、ときに1-2枚のの隔壁を有することがあり,無色で大さ70-175×0.8-2.2μmである。分生子は晩春から初秋にかけて形成され、楕円形ないし卵形で無色・平滑、外壁はやや厚く、内容物はやや顆粒状を呈し、全体の大きさは6.0-18.5×3.0-9.0μmである[110]
青森・岩手・長野の各県から記録があり、北日本(あるいはそれ以外の地方でもやや標高が高い地帯)にはかなり広く分布するもののようである[110]

書誌事項要確認⇒Togashi, K., 1936. Transactions of the Sapporo Natural History Society 14:281-282 + fig. 3-4.


C. zizaniae (Fyles) Pantidou ex Redhead, M.E. Corlett & M.N.L. Lefebvre
北アメリカの湾岸地域に産し、マコモ属のZizania aquatica L. や Z. plusturis を宿主とする[111][112][113][114]。少なくとも培養時には、シンポジオ型(かつ全分芽型)の、いわゆる Ephelis-タイプの分生子形成様式を有する点が特徴である[14]
初めはSpermoedia zizaniae の名のもとに記載された[115]が、のちにClavipes属に移された[116]。ただし、新種としての記載にも際してもClaviceps属への転属に際しても、手続きが国際藻類・菌類・植物命名規約に違反していたため、C. zizaniaeの学名は長らく無効名とされており、2008年にいたってようやく有効名としての体裁が整った[117]
古くはアメリカ合衆国あるいはカナダ先住民族(たとえばオジブワ族にも知られており、「凍った米」[118] とか「凍った穀物」[119]を意味する土語で呼ばれていたという。科学的な記述が初めてあらわれたのは19世紀末のことで、従来から知られていた麦角(今日の分類学上での、広義のClaviceps purpurea)とは異なる外観(より太くて帯桃褐色)を呈する菌核がマコモ属の一種から見出されたことについてふれている[120]




クサヨシ(Phalaris arundinacea L.)麦角→菌核は弓状に湾曲し、比較的細い点で特徴的である[121] 。 チガヤ(Imperata cylindrica P. Reauv. var. koenigii Durand et Schinz)麦角→菌核皮層の着色部において、細胞壁は比較的に淡色で、個々の細胞の形態が容易に観察できる[121]。 カモジグサ(Agropyron tsukushiense Ohwi var. transiens Ohwi)麦角→皮層の細胞は、紫褐色の内容物を含む。髄層を構成する糸状菌糸は比較的太い[121]。 ハマニンニク(Elymus mallis Trin.)麦角→内部の髄層は肉眼的に橙黄色を呈し、その構成菌糸は細いのが特徴である[121]。 オゼザサ(Sasa oseana Makino)およびササ属の一種(Sasa sp.)麦角→菌核はわりあい大形で、質はもろく割れやすい。その表面は赤みが強く、比較的粗面でしばしば亀裂を生じることがある[121]

滋賀県大津市・伊吹山麓・樺太:クサヨシ・シマクサヨシ:子嚢胞子は糸状で大きさ22-25(-35)×1-1.5μm:分生子は楕円形で5-7×2-3μm:パラジメチルアミノベンズアルデヒド反応は陽性:蜜滴中の分生子は翌年まで生存して感染源となり得る.[122]

5.85リポソームDNAの塩基配列の解析によれば、属内において、C. paspaliC. zizaniaeC. grohiiC. sulcataC. fusiformisおよびC. purpureaの6種が一つのクレードを形成し、C. citrinaC. phalaridisC. sorghicolaC. giganteaC. sorghiC. africanaC. viridisおよびC. pusillaと種名未詳の2種(いずれも、主として熱帯域に分布)が、いま一つのクレードをなすとされていた [123]が、現在では、前述のようにC. zizaniaeおよび C. fusiformisの二種は前者のクレードから除外されている[11]

アルカロイドの生合成に関与する酵素系の解析結果からは、Claviceps属は南アメリカにその起源を有し、宿主たる植物に合わせて進化をとげ、さらに宿主植物に随伴して分布を広げてきたものではないかと推定されている。C. flavellaC. diademaのように、典型的な菌核を形成しない種が南アメリカのみに分布し、同様の形質を有する分類群はアフリカ地域やアジアには産しないことも、この説を補強する実例の一つに挙げられる[123]

スークロースの代謝系や、多糖類あるいはオリゴ糖類の生合成経路の類似度は、麦角菌類分子系統学的解析やアルカロイド生合成に関与する酵素系をもとにした類縁関係の推定結果との間には顕著な相関がないが、あるいはそれ以下のランクにおける系統関係を推測する上では意義があるといわれている[124]。さらに、もしくはそれ以下の分類階級の定義に際しては、AFLP法(Amplified Fragment Length Polymorphism)やRFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism、制限酵素断片長多型)法も有効な手法であるとされている[125]




C. fusiformis C. gigantea C. grohii C. nigricans C. paspali C. phalaridis C. pusilla

C. sorghicola C. sorghi C. africana

Claviceps属から除外された種

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Balansiella orthocladae P. Henn.

南アメリカから報告されており、宿主はOrthoclada属(アフリカおよび南米に分布するイネ科の一属)の一種である。菌核は黄褐色で不規則なしわを有し、4-9個の子座を発生させる。子座の頭部は半球状をなし、径1-2ミリ程度でごく淡い黄褐色、柄はやや濃色である。子嚢は大きさ150-180×3μm程度、子嚢胞子は無色かつ糸状で、内部に多数の油滴を含み、幅0.5μm程度である[55]
はじめはC. pallida var. orthocladae P. Henn.[126]の学名で記載・発表されたが、のちに独立種に昇格された。

Diehl, 1950. Agriculture Monograph US Dept Agric. 4: 61

????さらに、今日ではClaviceps属から外されて、Balansiellaに移された P. Hennings, 1904. Hedwigia 43: 85.

????Baransiella 属のタイプ種であるB orthocladae P. Henn. とC. pallida var. orthocladae とは、独立したタイプ標本に基づく学名であるが、それらの標本を比較した結果、両者は同一分類群に属すると判断され、先名権を有する後者の変種名が生かされて現在に至っている>ref<


Balansia pallida Winter in Rabenhorst
ブラジル(セントカタリナ)において、Luziola peruviana(Southern Watergrass)の花穂上に見出された菌である。子座は非常に小さく径2-3ミリ程度、しばしば無柄で、淡黄色を呈する。子嚢胞子は細長い紐状をなし、大きさ170-200×0.8-0.9μm、成熟すると多数の隔壁を生じ、のちに3~5片に分割されて二次胞子となる[127]

[52]。もともとBalansia 属の一種として新種記載された種である[128]。一時はClaviceps属に移されてC. pallida (G. Winter) Hennings の学名が用いられた[126]が、のちに再び Balansia へと戻された[129]。日本での発生は知られていない。


Cepsiclava phalaridis (J. Walker) J. Walker
オーストラリアニューサウスウェールスおよびビクトリアに産し、タイプ標本はオニクサヨシPhalaris aquatica L. )を宿主とするものであった[130] が、ボウムギイヌナギナタガヤオーチャードグラス、あるいはDanthonia 属など、さまざまなイネ科植物に寄生することや、寄生部位が花序にとどまらず茎や葉にもおよぶ(ただし菌核は花序に限って形成される)こと[131][132]など、Epichloë属(がまの穂病菌属)の菌と共通する性質を持っている[131][133]。これらの特徴から、C. phalaridis の先祖は植物の茎などに生息する寄生菌であり、その感染部位が次第に花のみへと特化していったものではないかと推定されている[123]。また、2-3個の細胞で構成されるとともに附属体(appendage)を備えた全分芽型分生子の形成が観察されており、Aciculosporium(タケ天狗巣病菌属)やNeoclaviceps属などとの類縁関係も推定されている[14]


初めはClaviceps phalaridis J. Walker の学名のもとに記載された[131]が、のちにClaviceps属から除外され、単型Cepsiclava が設けられた[134]


菌核は鹿毛色で球形ないしやや長形、大きさ1.5-2.5×1-2ミリ程度、子座の頭部は暗紫色ないしほとんど黒色を呈し、径0.6-1.4ミリである。子座の柄部は初めは白いが、後には帯紫オリーブ色となる。子嚢は大きさ130-270×4μm、子嚢胞子は長さ125-240μmである。分生子は紡錘状~円筒状でしばしばわずかに湾曲しており、大きさ5.5-15×2-4μm程度である[130]。菌核からの子座形成には、低温への暴露を要しないが、室温・乾燥条件下で5カ月を経ないと休眠が破れないという[52]


オニクサヨシは、日本においても帰化植物として決してまれではない[135][136][137]が、C. phalaridis が日本国内に産するか否かについては明らかではない。


バッカクタケ Neobarya aurantiaca (Plowr. & A.S. Wilson) Samuels & Cand.
Claviceps 属の菌に重複寄生し[138]、子座は、ときには宿主のClaviceps属の菌のそれと混じって発生する。子座は、こん棒状で淡オレンジ褐色ないし肉色の頭部と白色・円筒状の柄とからなり、高さ1-2センチ程度、頭部の組織に半ば埋没して濃いオレンジ色の子嚢殻を密生する。子嚢は薄壁であるが、先端部は顕著に肥厚する。子嚢胞子は細長い糸状を呈し、隔壁を欠き、子嚢から射出された後に分断されて二次胞子となることはない[36]。別に、楕円形で無色・平滑な分生子を形成する[52][139]


ドジョウツナギ属(Glyceria)の一種の花穂上で得られた標本に基づいて記載され、麦角菌の一種としてClaviceps wilsonii Cooke の学名[138](あるいはC. purpuracea の一変種としてClaviceps purpurea var. wilsonii (Cooke) W.G. Sm. なる学名)が与えられていた菌は、実際にはBarya aurantiaca Plowr. & A.S. Wilson(かつてはBaryella属に置いたり、あるいはCordyceps属、すなわち広義の冬虫夏草類に所属させる意見もあった)の異名であることが判明し、Claviceps 属からは除外された。さらに、Barya なる属名には、定義を異にする先行属名が存在することが判明したため、現在では表記の学名のもとに取り扱われている[52][139]


Neobarya 属には、現在までのところ13種が知られているが、いずれも寄生性である[36][139]樺太産の標本(ハマニンニクオオアブラススキおよびヨシ属の一種に生じた麦角上)に基づいて表記の和名が与えられたが[140]、現在までのところ北海道以南では発見されていない。スウェーデンにも産する[36]


Claviceps属に重複寄生する菌類

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前述のバッカクタケ Neobarya aurantiaca のほか、以下のようなものがある。

ササバッカクタケ Cordyceps clavicipiticola Tokunaga et Imai
[140][141]


成分・薬効・中毒症状とその対処

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★Secondary metabolites of Clavicipitalean Fungi.[142]

★Molecular genetics of Ergot Alkaloid Biosynthesis.[143]

★Ergot Alkaloid Toxicity[144]


薬用に供されるのは菌核で、宿主植物の罹患穂から摘み取った後で挟雑物を除去し、乾燥したものを用いる。従来は散剤煎剤またはチンキなどとして用いられることが多かった[145]が、毒性が強いうえに、生薬の常として菌核中の有効成分の含有量が必ずしも一定しないこと・菌核には、人体に対する作用機構および適応症を異にする複数の成分が含有されることなどから、近年では個々の有効成分を人工合成し、成分ごとに製剤化して用いるのが一般的になってきている。

成分

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麦角類(Claviceps)の有効成分は単一ではなく、麦角アルカロイドと総称される複数の化合物である。多くはエルゴリン骨格を有しており、ペプチド型アルカロイドとクラビン系アルカロイドとに大別される。前者はリゼルグ酸(Lisergic acid)の誘導体としての構造を持ち、エルゴタミン(Ergotamine)・エルゴクリプチン(Ergocriptine)・エルゴクリスチン(Ergocristine)・エルゴリン(Ergoline)・エルゴメトリニン(Ergometrinine)などが知られている。後者はアルカリを用いた加水分解によってリゼルグ酸を与えない化合物群であり、アグロクラビン(Agroclavine)・セコクラビン(Secoclavine)・エリモクラビン(Elymoclavine)・ファスツクラビン(Fastuclavine)・セカクラビン(Secaclavine)・トリセクラビン(Triseclavine)・ペンニクラビン(Penniclavine)・モリクラビン(Molliclavine)・ピロクラビン(Pyroclavine)・コスタクラビン(Costaclavine)[146]などが区別される。


当然ながら、菌核内における個々の成分の含有率は菌の種類によって異なり、同一種の麦角菌であっても、菌の生育条件(あるいは培養条件)によって変動が大きい。なお、C. purpureaの菌株の中には、アルカロイド産生能力をまったく持たないものも存在する[147][148]。一方で、アルカロイド産生効率と、菌株によるスークロースおよびクエン酸の代謝効率との間には、正の相関が認められるという報告がある[147]


さらに、各種アルカロイドの前駆体として、麦角にはリゼルグ酸そのものも含有されている[149]


アルカロイドのおおまかな定量には、まず麦角菌核を粉砕して石油エーテルで脱脂し、次いで溶媒を充分に揮散させ、これに酒石酸溶液を加えてとし、さらにファン・ウルク試薬で呈色させた後、比色法で測定する方法などがある[145]。この方法によってツルヨシおよびセイコノヨシに生じた麦角を分析した例として、粗脂肪含有率は20-30パーセントに達し、粗アルカロイドの含有率は0.4-1.9パーセントの範囲にあるとの結果が出されている[145]


個々のアルカロイドを単離するには、粉砕した麦角菌核、もしくは液体培地中での培養によって得られた菌糸体および培養ろ液を試料とする。これらの試料をまずクロロホルムで抽出した後、水酸化カリウムで種々のPHに調整する。さらにベンゼンエーテル酢酸エチルなどの有機溶媒による抽出を行うことで、個々のアルカロイドが得られる)[146][18]。その収量の一例として、スペイン産の麦角の培養菌糸体の乾物重量あたりアルカロイド総量はおおむね0.2パーセントであったという報告[18]がある。


かつては、一種のバイオアッセイ的手法として、ハツカネズミウサギなどから摘出した子宮をロック液などに浸し、これに麦角の水エキスを加えて子宮筋の収縮率を調べる方法なども考案された[150]が、現在ではかえりみられていない。


色素としてはエルゴクロム(Ergochrome)[151] が知られている。これにはいくつかの異性体が存在し、アントラキノンの開裂によって形成される何種類かのセコアントラキノン類の組み合わせによって各異性体が生成することが明らかにされている[7]

麦角から得られたアミノ酸の一種エルゴチオネイン[152]は、その後、自然界に広く分布することが明らかになった(たとえば、担子菌類の一種であるオシロイシメジには、一種の誘導体[153]として含有されているほか、食用きのこの一種タモギタケからも0.5-0.9パーセントの収率で得られている[154]。また、同じく食用きのことして親しまれているエノキタケにも存在することが知られている[155][156])が、近年、その抗酸化活性の高さが注目され、高機能性食品や医薬品、あるいは食品添加物としての応用に向けて研究がすすめられている[153][154][155][156][157]



薬効

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薬用としての麦角の利用は、16世紀のヨーロッパにまでにさかのぼり、分娩の促進に適用されたという[158]。北アメリカでの利用は、より遅れて19世紀ごろのことで、1836年出版の医学書には、子宮の収縮をはかるための麦角の処方が記述されている[159]偏頭痛[149]陣痛促進[12]子宮の弛緩症[149]・出産時その他の止血[12]起立性循環障害老人性痴呆症不妊症プロラクチン分泌の過多などのほか、パーキンソン病にも適用される[149]。古くは堕胎にも用いられたという記録がある[160]が、現代では適用されていない。



中毒症状

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麦角を生じたムギ類の穂

麦角アルカロイドは、ヒトの循環器系神経系に対してさまざまな毒性を示す。

神経系に対しては、手足の冷感・灼熱感・痛覚減退(ないしは消失)などの知覚異常を与える。循環器系に対しては血管攣縮を引き起こし、重症例では手足の壊死に至る。脳への血行が阻害されることにより、間接的に、嚥下困難や流涎、振戦・精神錯乱・けいれん・視覚障害・言語障害・運動障害・意識不明、時には死に至る例がある。呼吸困難・口渇・胸痛・嘔吐などもしばしば発現する。妊婦が中毒した場合には、子宮収縮による流産などの原因ともなりうる[161]

麦角がヒト以外の動物にも毒性を示すことは、すでに20世紀初頭に見出されている[162]。古くはウマよりもウシのほうが感受性が強いという報告[163]もあり、ウシ[162]・モルモット[162]・キンギョ[164]・マウス[165]などを用いた研究がなされているが、被験動物の種類だけでなく、実験に供した麦角の宿主も異なっている(供試された麦角の、今日の体系における分類学的位置づけが必ずしも確かではない)ことから、その毒性の程度や症状については必ずしも一定の知見が集積されているとはいえない[166]


中毒への対処

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麦角アルカロイドを遠ざけるのが前提である。麦角(もしくはその製剤)が胃の中に残留していれば、胃洗浄を行った後、活性炭20グラムを水で泥状としたものを服用させ、併せて塩類下剤(たとえば硫酸ナトリウムなど)を投与する[161]。毒成分が吸収されてしまった場合、血管攣縮に対しては亜硝酸アミルの吸入や、血管拡張剤の投与(たとえばフェノキシベンズアミンニトロプルシドナトリウムなどの静注[161]、もしくはカプトプリルの経口投与[167])を行い、血管内での血液凝固を防ぐためにはデキストランおよびへパリンを静注する[161]。四肢の血液循環不全が疑われる場合には、トラゾリンの動脈内注射を試みる[161]


大量の1.5パーセントグルコース水溶液による腹膜透析(30分ごとに200ミリリットル:7リットルまで)とともに、10パーセントマンニットの内服によって強制利尿を行うのも効果がある[168]


人工増殖

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宿主植物への接種による方法

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天然産の麦角を、生薬市場の要求に合わせて採取し、充分な分量を得ることは容易ではないため、その人工増殖技術に関する研究がさかんに行われている[9]。宿主植物をあらかじめ栽培しておき、一方で純粋培養した麦角菌を、宿主の開花に合わせてその花序に接種することによって感染をはかる手法が研究されている。

接種源としては、すでに感染した宿主植物の花穂から分泌される蜜滴(無数の無性胞子を含む)を濾紙片に吸い取って用いる。採取した蜜滴は乾いて固化しても感染力を失わないが、紙片に吸収した後で生乾きの状態においたものは却って雑菌による汚染を招く可能性があることに注意を要する。この濾紙片を、清潔な鋏を用いて細かな断片とし、5-20倍に希釈した麦芽汁に無菌的に投入して培養する。麦芽汁の濃度が希薄であると充分な量の菌体が得られず、一方で濃厚な麦芽汁を用いた場合には、菌そのものの生育はよいが分生子の形成が遅れる傾向がある[9]。単純に菌株を保存するためであれば、麦角菌核から無菌的に組織の小片を切り出し、これを麦芽汁寒天培地などに植えつけてもよい[13]

感染した宿主植物から得られた蜜滴を、そのまま清水で希釈して接種源として用いてもよい。この場合、接種液1リットルを調製するのに要する蜜液の量は10滴ほどで充分であるとされている[9]。接種は噴霧法[9]でも注射法でも可能である。感染率については注射法のほうが高い[28]が、商業的生産に際しては、より作業効率のよい噴霧法が用いられる。ライムギに対して噴霧法での接種を行った結果として、ヘクタール当たり284キログラムの菌核が得られたという一例がある[35]


人工培地上での有効成分産生をはかる方法

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宿主植物の花穂に麦角菌の培養菌株を接種し、形成された菌核を薬用とする方法は、宿主植物の確保(栽培)についてある程度の耕地面積を必要とすること・宿主植物の開花時期にあわせて接種作業を行わなければならないこと・宿主植物の状態や接種作業後の気象条件などによって麦角菌核の収量が影響されやすく、収量の予測がしにくいこと・得られた麦角菌核中の有効成分の含有量も変動しやすいことなどが欠点となる。この観点から、人工培養した麦角菌株から、菌核形成なしに培地中に有効成分を産生させる手法が検討され、多数の菌株の中から、低コストで培養が可能であり、有効成分を高収率で培地中に産生するものを選抜することを主眼に研究が進められている [169][170]



歴史上にあらわれた麦角菌類の影響

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麦角中毒者を描いた16世紀の絵画

麦角菌の生活環は19世紀になって明らかにされたが、麦角と麦角中毒との関係はそれより数百年以前に知られていた。

中世(9-14世紀ごろ)のヨーロッパでは麦角菌の菌核が混入したライムギ穀粒を食用に供したことによる中毒例が頻発した。激しい痙攣とともに手足の冷感を起こし、次いで四肢の灼熱感と黒変・壊死をきたす病徴から、俗に「地獄の火」と称されて恐れられた[7]


聖アントニウス会の修道士が麦角中毒の治療術に優れるとされたことから、ヨーロッパでは麦角中毒は聖アントニウスの火 (St. Anthony's fire) とも呼ばれてきた。古くは治療法として転地療養や旅が良いとされたのは、別の土地へ行くことで麦角菌に汚染された食物を口にせずに済むようになるからとされている。

また、ヨーロッパ・アメリカの歴史上の事件・出来事の中にも、後年の調査や推測の中で、原因や要因として麦角中毒との関係が唱えられている様なものがある。

  • アメリカにおいて18世紀前半に起きた第一次大覚醒について、ニューイングランドを中心として発生した、ライ麦への麦角の混入による大規模な中毒事件が要因になったという説がある[171]。この地域の住民には、幻覚だけではなく激烈な痙攣・手足の壊死などの、典型的な麦角中毒の症状が見出されたという記録がある。麦角中毒がもたらした幻覚症状は、多くの住民によって神の啓示として受け止められ、宗教運動の原動力の一つになったとされている
  • 古代ギリシャエレウシスの秘儀に用いられた、キュケオン (Kykeon) と称される一種の飲料にも、麦角の成分が加えられていたのではないかという説[174]がある。


麦角菌属にはイネに寄生する種は知られていないためもあり、日本では、ヒトの麦角中毒の記録はほとんどない。ただし、食糧難の時代の岩手県下において、ササ類の子実を食用に供した妊婦流産する例があいついだという事件があり、これは麦角中毒が原因であろうと考えられている。


[175] [176]


行政面での対策

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輸入穀類等検疫要綱 [177]

麦角菌核混入穀類等取締り要領 [178]

麦角菌核混入穀類等加工消毒工場指定要領 [179]


★★★

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[180]

Comparative metabolism of Claviceps purpurea in vivo and in vitro. [181]

Alkaloids of Claviceps from Spartina. Mycologia 69: 838-840. [182]

Long-term preservation of a nonsporulating strain of Claviceps paspali. [183]



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関連項目

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外部リンク

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