伝燈寺里芋は、サトイモの品種のひとつ。一般的なサトイモに比べて小太りでこくと甘味があり、粘り強くもちもちとした食感が特徴。

概要

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「伝燈寺」が存する夕日寺地域において、200~300年前から、「伝燈寺里芋」が、米に代わる自家用の食糧として栽培されていたが、昭和40年以降、農家数の減少に加え、安定した生産が難しいことから、ほとんど生産されなくなっていた。  しかし、近年、伝統的な野菜が見直されており、この地域でも平成16年以降、「伝燈寺里芋」復興の気運が高まり、希少性や甘くもちもちとした品質を活かした特産物化など地域振興の取り組みが、生産者と地域住民との連携により行われている。

歴史

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伝燈寺里芋の誕生

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200~300年前に食物があまり無かった伝燈寺に、京都から来たが村人にすすめたことから広まった。戦時中はサツマイモと並んで代用食として、また戦後も、福井県大野市里芋が作られる以前の、昭和40年代までは栽培が盛んであった。

名前の由来

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石川県金沢市御所町の奥に伝燈寺町があり、そこには伝燈寺という寺がある。一向一揆の時代、ここは真言宗派の門徒が集結する「北の砦」であった。門徒が集まるようになると食糧が必要になってきたが、この辺りは湿田地帯で、レンコンクワなどしか栽培することができなかった。そこで米の代わりに里芋の栽培を始めた。これが伝燈寺里芋の始まりである。

栽培

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栽培の流れ

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1、3月下旬~4月中旬 種イモの伏せ込み(芽出し)
2、5月中旬~6月上旬 植えつけ
3、6月下旬      追肥
4、7月下旬      追肥
5、8月下旬      土寄せ
6、10月中旬~12月上旬 収穫

近年の取り組み

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栽培農家数の減少と安定した生産が難しいことから、ほとんど栽培されなくなっていたが、近年、伝統的な野菜が見直されており、この地域でも「伝燈寺里芋」復興の気運が高まり、地域特産物として振興を図る取り組みが、生産者と住民、大学との協働により行われている。

関連項目

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サトイモ
加賀野菜

外部リンク

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