日産・CDエンジンとは、日産自動車が1982年昭和57年)から2001年平成13年)まで生産していた水冷直列4気筒ディーゼルエンジンシリーズである。

日産・CDエンジン
生産拠点 日産自動車
製造期間 1982年9月 - 2001年3月
タイプ 直列4気筒SOHC8バルブ
渦流室式ディーゼルエンジン
排気量 1.7リットル
2.0リットル
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概要

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CA型系と同世代のPLASMA[1](プラズマ)エンジンシリーズで、先代のLD型系に替わり、主に横置きで、小型乗用車、小型商用車ミニバンに搭載された[2]
SR型系に相当する世代のディーゼルエンジンが作られなかったため、年ごとに厳しさを増す自動車排出ガス規制へ対応する改良が重ねられ、1985年昭和60年)には「副噴口」を追加[3]、末期には電子制御化もされ、長きに渡って生産された。

後継はYDエンジンであるが、日本国内では自動車NOx・PM法ディーゼル車規制条例の影響でディーゼル車市場が縮小したため、2.2 Lと2.5 Lがリリースされたのみである。

それ以下の排気量は、ルノー製ディーゼルエンジンが供給される[4]

バリエーション

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CD17系 1,680 cc

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  • 1,680 cc
  • スペック:(1-1)61 PS(45 kW)5,000 rpm 10.6 kg・m(104 N・m)2,800 rpm(グロス値)
  • (1-2):55 PS(40 kW)4,800 rpm 10.6 kg・m(104 N・m)2,800 rpm(ネット値)
  • 軽油   

CD20系 1,973cc

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内径×行程 : 84.5mm×88.0mm

  • 1,973 cc
  • スペック:76 PS(56 kW)4,800 rpm 13.5 kg・m(132 N・m)2,800 rpm
  • 軽油
  • 1,973 cc 電子制御式
  • スペック:76 PS(56 kW)4,800 rpm 13.5 kg・m(132 N・m)2,800 rpm
  • 軽油
 
CD20T
  • 1,973 cc ターボ
  • スペック:91 PS(67 kW)4,400 rpm 18.8 kg・m(18.4 N・m)2,400 rpm
  • 軽油

CD20Ti

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  • 1,973 cc インタークーラー付きターボ
  • スペック:100 PS(74 kW)4,000 rpm 21.0 kg・m(206 N・m)2,400 rpm
  • 軽油

CD20ET

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  • 1,973 cc 電子制御式 ターボ
  • スペック:(1-1)97PS(71kW)4,000rpm 20.0kg・m(196N・m)2,400rpm
  • (1-2)91 PS(67 kW)4,400 rpm 19.5 kg・m(191 N・m)2,400 rpm
  • 軽油

CD20ETi

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  • 1,973 cc 電子制御式 インタークーラー付きターボ
  • スペック:105 PS(77 kW)4,000 rpm 22.5 kg・m(221 N・m)2,000 rpm
  • 軽油

搭載された車種

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CD17(1-1)
CD17(1-2)
CD20
CD20E
  • ブルーバード(U14)1998年9月 - 2001年9月
CD20T
  • アベニール(W10)1993年1月 - 1998年8月
  • バネットセレナ/セレナ(C23)1991年6月 - 1996年12月
CD20Ti
CD20ET(1-1)
  • セレナ(C23)1997年1月 - 1999年6月
CD20ET(1-2)
  • アベニール(W11)1998年8月 - 2000年5月
CD20ETi
  • ラルゴ(W30)1995年8月 - 1999年6月

脚注

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  1. ^ Powerful&Econonomic Lightweight Accurate Silent Mighty Advancedの略。
  2. ^ C23型系セレナおよびW30型系ラルゴのみ縦置き
  3. ^ 杉原邦彦、田中利明、佐々木正博、上田隆正 (1988年5月5日). “(4)副噴口付き渦室式ディーゼル機関の開発” (PDF). 昭和62年度 日本機械学会賞(技術賞). 日本機械学会. 2024年7月11日閲覧。
  4. ^ 1.5 Lはルノー・K9K(英語版)(欧州向けマイクラ2002年から)、2.0 Lはルノー/日産・M9Rエクストレイルの欧州向けで2007年、日本国内向けで2008年から)が後継となっている。

関連項目

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