業務妨害・特殊窃盗・一般交通妨害・建築法違反

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主文

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原審判決を破棄し,事件をソウル南部地方裁判所に差し戻す。

理由

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被告人及び国選弁護人の上告理由をともに判断する。

1. 特殊窃盗罪についての上告理由について

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窃取とは,他人の占有する財物を,占有者の意思に反してその占有を排除し,自己又は第3者の占有に移転することをいい,ある物が他人の占有下にあるといえるか否かは,客観的な要素としての管理範囲ないし事実的管理機能性のほか,主観的要素としての支配意思を参酌して決定するが,究極的には,当該物の形成その他の具体的な事情によって社会通念に照らし規範的観点から判断しなければならない。(最高裁 1999. 11. 12. 言渡 99도3801 判決 参照)。

原審判決理由を記録に照らし検討するに,被告人は,被害者から賃貸契約終了を原因とする明渡要求を受け,2006. 9. 3.頃本件食堂建物から退去しはしたが,本件食堂建物外壁側に設置し使用していた大型冷蔵庫は,その電源が接続された状態にしておいた事実,被害者側は,被告人の退去直後明渡状況を点検する途中,右大型冷蔵庫が電源が接続された状態で存置されていることを確認し,被告人にその撤去を要求し,これに従い被告人が2006. 10.頃右大型冷蔵庫を撤去したが,その期間内の電気使用量が22,965圓程度である事実を各認定することができる。

事実関係がこの通りであるとすると,仮に被告人が本件食堂建物から退去しはしたが,右大型冷蔵庫の電源を接続したまま存置しておいた以上,その部分に対する占有・管理は,そのまま保有していたと解するべきであり,被告人が右大型冷蔵庫を通じて電気を使用し続けていたとしても,これは当初から自己の占有・管理下にあった電気を使用したものに過ぎず,他人の占有・管理下にあった電気を使用したものとはいえず,被告人に窃盗の犯意があったともいえないのであるから,被告人を窃盗罪として擬律することはできないといえる。

それにも拘らず,原審は,被告人の右電気使用行為が窃盗罪に該当すると判断したのであるから,原審判決には,窃盗罪に関する法理を誤解し,判決の結果に影響を及ぼす違法があり,本点を指摘する上告理由の主張は,理由がある。

2. 各余罪についての上告理由について

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被告人が第1審判決に対して量刑不当とともに他の控訴理由を立てて控訴したとしても,その後原審判決言渡し前に量刑不当以外の控訴理由を撤回した場合においては,原審判決に対して事実誤認又は法理誤解の違法があるということを上告理由とすることはできない(最高裁 2006. 10. 26. 言渡し 2005도9825 判決, 最高裁 2007. 10. 25. 言渡し 2007도6868 判決等参照).

記録によれば,被告人は,第1審判決に対して控訴しつつ,各余罪について,その控訴理由として量刑不当とともに事実誤認等を主張した後,原審第1回公判期日で量刑不当以外の控訴理由を撤回したことが確認できるから,各余罪に関する原審判決に事実誤認,法理誤解,審理未尽等の違法がある旨の主張は,適法な上告理由となりえない。

3. 結論

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従って,原審判決中判示特殊窃盗の部分は,破棄すべきものであるところ,これは,その余の有罪部分と刑法第37条前段の競合犯の関係にあり,一の刑が言い渡されたから,原審判決全部を破棄し,事件を再度審理・判断するよう,原審裁判所に差し戻すこととし,関与裁判官一致の意見で主文のとおり判断する。

裁判官 パクシファン(裁判長) ヤンスンテ パクイルファン キムヌンファン(主審)

 

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