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「扇動」の版間の差分

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国によっては扇動を行うことそのものが[[犯罪]]行為に該当する場合があり、[[ドイツ]]には[[民衆扇動罪]]という罪が存在する。歴史上では、極めて大きな異質な団体などが出現したのは、一人の特質な[[カリスマ性]]を持った指導者が大衆を扇動したことが最大の原因であったという例がしばしば存在する。
国によっては扇動を行うことそのものが[[犯罪]]行為に該当する場合があり、[[ドイツ]]には[[民衆扇動罪]]という罪が存在する。歴史上では、極めて大きな異質な団体などが出現したのは、一人の特質な[[カリスマ性]]を持った指導者が大衆を扇動したことが最大の原因であったという例がしばしば存在する。


また、[[ロシア]]の革命家[[ウラジーミル・レーニン]]の著作から、政治的宣伝や大衆を政治行動に動員する記述を含んだ論文や著述を、日本共産党宣伝出版局がレーニン全集から選択・編集して「宣伝・扇動」と名付けて出版した[[国民文庫]]があるほか、[[東方勤労者共産大学]]のカリキュラムには[[プロパガンダ]]や革命戦術も含まれていた。これだけでなく、[[社会主義国]]([[ソビエト連邦|ソ連]]・[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]など)の[[党の指導性|指導政党]]には「'''宣伝扇動局'''」という部門がある。
また、[[ロシア]]の革命家[[ウラジーミル・レーニン]]の著作から、政治的宣伝や大衆を政治行動に動員する記述を含んだ論文や著述を、日本共産党中央委員会宣伝がレーニン全集から選択・編集して「[https://dl.ndl.go.jp/pid/12248699/1/1 宣伝・扇動]」と名付けて出版した[[国民文庫]]<ref>{{Cite book|和書 |title=レーニン 宣伝・扇動(1) |year=1969 |publisher=大月書店 国民文庫 |author=[[レーニン]] |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/12248699 |location=[[国立国会図書館]]デジタルコレクション}}</ref><ref>{{Cite book|和書 |title=レーニン 宣伝・扇動(2) |year=1969 |publisher=大月書店 国民文庫 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/12246051 |author=レーニン |location=国立国会図書館デジタルコレクション}}</ref>があるほか、[[東方勤労者共産大学]]のカリキュラムには[[プロパガンダ]]や革命戦術も含まれていた。これだけでなく、[[社会主義国]]([[ソビエト連邦|ソ連]]・[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]など)の[[党の指導性|指導政党]]には「'''宣伝扇動局'''」という部門がある。


==日本==
==日本==
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*米国安全危害用途目的等米国軍隊機密探知収集煽動罪([[日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法|日米刑事特別法]]第7条第2項)
*米国安全危害用途目的等米国軍隊機密探知収集煽動罪([[日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法|日米刑事特別法]]第7条第2項)
*米国安全危害用途目的米国軍隊機密漏洩煽動罪(日米刑事特別法第7条第2項)
*米国安全危害用途目的米国軍隊機密漏洩煽動罪(日米刑事特別法第7条第2項)
教唆犯に類似するが、被煽動者が決意を有するに至ったことを必要とせず、煽動行為があればただちに処罰可能な独立共犯である点で異なる。そのため、[[日本国憲法第21条]]に規定された[[表現の自由]]と衝突する可能性もある。煽動罪に関する判例としては食糧緊急措置令違反事件や[[破防法事件]]がある。
教唆犯に類似するが、被煽動者が決意を有するに至ったことを必要とせず、煽動行為があればただちに処罰可能な独立共犯である点で異なる。そのため、[[日本国憲法第21条]]に規定された[[表現の自由]]と衝突する可能性もある。煽動罪に関する判例としては[[食糧緊急措置令事件]]や[[破防法事件]]がある。


== 脚注 ==
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==関連項目==
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*[[扇動者]]、[[諜報活動]]
*[[プロパガンダ]]、[[演説技術]]、[[マスコミ動員]]
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*[[噂|デマ]]、[[集団催眠]]
*[[噂|デマ]]、[[集団催眠]]
*[[陶片追放]]
*[[陶片追放]]
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*[[行動する保守]]
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*[[日比谷焼打事件]]
*[[日比谷焼打事件]]
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== 外部リンク ==
*{{Cite book|和書 |title=宣伝・扇動(1)(国民文庫) |year=1969 |publisher=大月書店 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/12248699/1 |editor= |author=レーニン |location=国立国会図書館デジタルコレクション}}
*{{Cite book|和書 |title=宣伝・扇動(2)(国民文庫) |year=1969 |publisher=大月書店 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/12246051 |editor= |author=レーニン |location=国立国会図書館デジタルコレクション}}


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2024年4月20日 (土) 14:29時点における最新版

ソ連スパイ扇動者尾崎秀実。彼の扇動が日中全面戦争太平洋戦争の一因となり、日本だけで約310万人が犠牲となった。

扇動(せんどう)とは、大衆の前で演説などをすることによって、人々の感情を高ぶらせ、意見を変更させたり、特定の行動を起こすように誘導することをいう[1]煽動せんどうとも表記される。英語アジテーションagitation)を略して『アジ』と言うこともある。視覚よりも聴覚を利用する方が効果的であるとされ[1]マスメディアを利用して動画や音声を放送する手法が用いられる。似たような概念としては、教育及び宣伝が挙げられる[1]

海外における扇動

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国によっては扇動を行うことそのものが犯罪行為に該当する場合があり、ドイツには民衆扇動罪という罪が存在する。歴史上では、極めて大きな異質な団体などが出現したのは、一人の特質なカリスマ性を持った指導者が大衆を扇動したことが最大の原因であったという例がしばしば存在する。

また、ロシアの革命家ウラジーミル・レーニンの著作から、政治的宣伝や大衆を政治行動に動員する記述を含んだ論文や著述を、日本共産党中央委員会宣伝部がレーニン全集から選択・編集して「宣伝・扇動」と名付けて出版した国民文庫[2][3]があるほか、東方勤労者共産大学のカリキュラムにはプロパガンダや革命戦術も含まれていた。これだけでなく、社会主義国ソ連北朝鮮など)の指導政党には「宣伝扇動局」という部門がある。

日本

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三島事件において、自衛官らの扇動を試みる三島由紀夫。彼の試みは失敗した。

日本法律では煽動について「他人に犯罪その他の違法行為をなさしめるよう刺激を与える行為」と定義され、煽動罪として以下のものが規定されている。

教唆犯に類似するが、被煽動者が決意を有するに至ったことを必要とせず、煽動行為があればただちに処罰可能な独立共犯である点で異なる。そのため、日本国憲法第21条に規定された表現の自由と衝突する可能性もある。煽動罪に関する判例としては食糧緊急措置令事件破防法事件がある。

脚注

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出典

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  1. ^ a b c 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,日本大百科全書(ニッポニカ), ブリタニカ国際大百科事典. “扇動とは”. コトバンク. 2021年2月17日閲覧。
  2. ^ レーニンレーニン 宣伝・扇動(1)』大月書店 国民文庫、国立国会図書館デジタルコレクション、1969年https://dl.ndl.go.jp/pid/12248699 
  3. ^ レーニン『レーニン 宣伝・扇動(2)』大月書店 国民文庫、国立国会図書館デジタルコレクション、1969年https://dl.ndl.go.jp/pid/12246051 

関連項目

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外部リンク

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