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'''第一次木津川口の戦い'''（だいいちじきづがわぐちのたたかい）は、[[天正]]4年（[[1576年]]）に[[毛利氏]]と[[織田氏]]との間に起こった戦 |
'''第一次木津川口の戦い'''（だいいちじきづがわぐちのたたかい）は、[[天正]]4年（[[1576年]]）に[[毛利氏]]と[[織田氏]]との間に起こった[[海戦]]である。戦闘は主に[[大阪湾]][[木津川 (大阪府)|木津川]][[河口]]で行われた。 |
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戦国時代、[[織田信長]]と[[本願寺顕如]]との間で十年にわたって争われた[[石山合戦]]における緒戦の一つ。毛利方の水軍の使用する[[焙烙火矢]]の前に織田方の水軍は壊滅的な打撃を受け、石山本願寺への兵糧など物資の搬入という目的を毛利方が果たす結果となった{{Sfn|村上元吉外十四名連署注進状}}{{Sfn|信長公記第九巻七月十五日}}<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASM4R22YMM4RPFIB003.html|title=愛媛）村上海賊「木津川口の戦い」描いた絵図公開 今治|publisher=朝日新聞デジタル|date=2019-04-24|accessdate=2020-08-06}}</ref>。 |
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[[織田信長]]軍の攻囲を受ける[[石山本願寺]]は、[[西国]]の大名・[[毛利輝元]]に兵糧や武器などの援助を求めた。 |
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「第一次木津川口の戦い」は本願寺への兵糧搬入を目的とした[[毛利水軍]]・[[小早川水軍]]・[[村上水軍]]を中心とする毛利側の[[水軍]]戦力と、それを阻止せんとする織田方の水軍戦力が[[大阪湾]][[木津川 (大阪府)|木津川]]河口（現在の[[大阪市]][[大正区]]に位置する[[木津川運河]]界隈）で激突した戦い。 |
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7月15日（『信長公記』）､毛利水軍が石山本願寺への兵糧搬入をはかると､織田水軍はこれを木津川口で阻止しようと試みるが、[[焙烙火矢]]をしかけられて船は焼かれ、応戦した8名の武将の内7名が討死するなど多くの戦死者を出し､毛利氏が勝利を得たとされる{{Sfn|信長公記第九巻七月十五日}}{{Sfn|宇田川|1986|p=127}}。 |
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[[村上元吉]]以下15名の注進状によると､7月12日、淡路島の岩屋を出発した毛利水軍は､泉州の貝塚に渡り､紀州の[[雑賀衆]]と同意して､13日､堺津から木津河口に進んだところ､井楼を組みあげた数艘の大船とそれを囲む警護船200余艘の織田水軍と接触、戦闘が開始された。戦いは13日から14日の早朝にかけておこなわれ、毛利水軍が織田勢を破り、大船をすべて焼き崩す戦果をあげ{{Sfn|村上元吉外十四名連署注進状}}{{Sfn|信長公記第九巻七月十五日}}{{Sfn|宇田川|1986|p=128}}、織田勢に包囲された本願寺に兵糧を入れることに成功した{{Sfn|村上元吉外十四名連署注進状}}{{Sfn|河合|1984|p=224}}。 |
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織田水軍は、横に幅広く隊形を組んで毛利水軍を待ち構えていたのに対し、毛利水軍、は縦に長い陣形を取って織田水軍に突撃していった。 |
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永禄11年（1568年）の上洛以後、敵城を包囲中の織田主力部隊が､敵の大集団に、外側から封鎖を強行突破をされた希有の例であるため、信長に強烈な打撃を与えたと思われる{{Sfn|藤本|1993|p=253}}。 |
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毛利水軍が織田水軍の死角から投げ込んだ[[焙烙火矢]]が、次々と主力の[[安宅船]]を炎に包んでいった。 |
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慌てた織田水軍の兵士たちは次々と川に飛び込み、船に残った織田軍兵士も次々に討ち死にしていった。 |
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<references /> |
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== 参考文献 == |
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さらに毛利軍兵士は、水中に潜って安宅船の船底に穴をあけるなど、あの手この手で織田水軍の軍船を沈めてった。 |
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* [[信長公記]] [https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920322/122 第九巻七月十五日] |
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* [https://clioimg.hi.u-tokyo.ac.jp/viewer/view/idata/850/8500/05/0801/0352?m=all&s=0352&n=20 村上元吉外十四名連署注進状] |
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結果的に毛利水軍の大勝利となり、悠々と本願寺に兵糧を運び入れた。 |
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* {{Citation|和書|last=宇田川|first=武久|author-link=宇田川武久|year=1986|chapter=毛利氏の水軍編成|editor-last=河合|editor-first=正治|title=毛利元就のすべて|publisher=[[新人物往来社]]}} |
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* {{Citation|和書|last=河合|first=正治|year=1984|title=安芸 毛利一族|publisher=新人物往来社}} |
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== 主な参戦武将 == |
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* {{Citation|和書|last=谷口|first=克広|author-link=谷口克広|year=2010|title=織田信長家臣人名辞典 第2版|publisher=[[吉川弘文館]]|isbn=978-4-642-01457-1}} |
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=== 毛利方 === |
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* {{Citation|和書|last=藤本|first=正行|author-link=藤本正行|year=1993|title=信長の戦国軍事学―戦術家･織田信長の実像―|publisher=[[宝島社|ＪＩＣＣ出版局]]}} |
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毛利方の参戦部将として戦闘経過をまとめた当時の注進状に名を残している以下の部将が挙げられる。能島村上氏の当主[[村上武吉]]や、まだ幼かった来島村上氏の当主[[来島通総]]は参戦しなかったようであるとされている。 |
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* [[村上元吉]]（総大将）、（能島村上氏、村上武吉の長子） |
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* [[児玉就英]]（[[毛利氏|毛利氏警固衆]]） |
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* [[粟屋元如]]（毛利氏警固衆） |
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* [[桑原元勝]]（毛利氏警固衆） |
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* [[香川広景]]（毛利氏警固衆） |
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* [[乃美宗勝]]（[[小早川氏|小早川水軍]]） |
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* [[木梨元恒]]（小早川水軍） |
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* [[生口景守]]（小早川水軍） |
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* [[井上春忠]]（小早川水軍） |
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* [[包久景勝]]（小早川水軍） |
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* [[戸川秀安|富川秀安]]（[[宇喜多氏]]） |
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* [[村上吉充]]（[[因島村上氏]]当主） |
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* [[村上景広]]（能島村上氏、村上武吉の従兄弟） |
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* [[村上武満]]（能島村上氏） |
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* [[村上吉継]]（来島村上氏、来島村上氏の家老、[[河野氏]]の奉行人） |
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参加戦力7～8百隻 |
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=== 織田方 === |
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『[[信長公記]]』による参加武将 |
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*[[九鬼嘉隆]]（総大将） |
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*[[真鍋貞友]] (討死) |
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*[[沼野伝内]]（討死） |
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*[[沼野伊賀]]（討死） |
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*[[沼野大隅守]] |
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*[[宮崎鎌大夫]]（討死） |
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*[[宮崎鹿目介]]（討死） |
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*[[小畑大隅守|尼崎の小畑氏]]（討死） |
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*[[野口某|花隈の野口氏]]（討死） |
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参加戦力3百余隻 |
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== 関連作品 == |
== 関連作品 == |
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*[[石山合戦]] |
*[[石山合戦]] |
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*[[第二次木津川口の戦い]] |
*[[第二次木津川口の戦い]] |
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2024年4月24日 (水) 22:03時点における最新版
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| 第一次木津川口の戦い | |
|---|---|
 「難波船軍図」（村上水軍博物館寄託） | |
| 戦争：戦国時代 (日本) | |
| 年月日：天正4年7月13日（1576年8月7日） | |
| 場所：木津川口 | |
| 結果：瀬戸内水軍衆の勝利、石山本願寺への補給路確保 | |
| 交戦勢力 | |
毛利水軍  小早川水軍  村上水軍 宇喜多水軍 雑賀衆[1] |
織田水軍 
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| 指導者・指揮官 | |
| 乃美宗勝 村上元吉 村上景広 村上吉充 児玉就英 戸川秀安（宇喜多氏） 他、計15名[1] |
真鍋貞友[2] 沼間伝内[3] 他、計8名[4] |
| 戦力 | |
| 約700～800隻 | 約200[1]～300隻[4] |
| 損害 | |
| 不明 | 壊滅的打撃 |
第一次木津川口の戦い（だいいちじきづがわぐちのたたかい）は、天正4年（1576年）に毛利氏と織田氏との間に起こった海戦である。戦闘は主に大阪湾木津川河口で行われた。
戦国時代、織田信長と本願寺顕如との間で十年にわたって争われた石山合戦における緒戦の一つ。毛利方の水軍の使用する焙烙火矢の前に織田方の水軍は壊滅的な打撃を受け、石山本願寺への兵糧など物資の搬入という目的を毛利方が果たす結果となった[1][4][5]。
概要
[編集]7月15日（『信長公記』）､毛利水軍が石山本願寺への兵糧搬入をはかると､織田水軍はこれを木津川口で阻止しようと試みるが、焙烙火矢をしかけられて船は焼かれ、応戦した8名の武将の内7名が討死するなど多くの戦死者を出し､毛利氏が勝利を得たとされる[4][6]。
村上元吉以下15名の注進状によると､7月12日、淡路島の岩屋を出発した毛利水軍は､泉州の貝塚に渡り､紀州の雑賀衆と同意して､13日､堺津から木津河口に進んだところ､井楼を組みあげた数艘の大船とそれを囲む警護船200余艘の織田水軍と接触、戦闘が開始された。戦いは13日から14日の早朝にかけておこなわれ、毛利水軍が織田勢を破り、大船をすべて焼き崩す戦果をあげ[1][4][7]、織田勢に包囲された本願寺に兵糧を入れることに成功した[1][8]。
永禄11年（1568年）の上洛以後、敵城を包囲中の織田主力部隊が､敵の大集団に、外側から封鎖を強行突破をされた希有の例であるため、信長に強烈な打撃を与えたと思われる[9]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f 村上元吉外十四名連署注進状.
- ^ 谷口 2010, p. 454.
- ^ 谷口 2010, p. 334.
- ^ a b c d e 信長公記第九巻七月十五日.
- ^ “愛媛）村上海賊「木津川口の戦い」描いた絵図公開 今治”. 朝日新聞デジタル (2019年4月24日). 2020年8月6日閲覧。
- ^ 宇田川 1986, p. 127.
- ^ 宇田川 1986, p. 128.
- ^ 河合 1984, p. 224.
- ^ 藤本 1993, p. 253.
参考文献
[編集]- 信長公記 第九巻七月十五日
- 村上元吉外十四名連署注進状
- 宇田川武久 著「毛利氏の水軍編成」、河合正治 編『毛利元就のすべて』新人物往来社、1986年。
- 河合正治『安芸 毛利一族』新人物往来社、1984年。
- 谷口克広『織田信長家臣人名辞典 第2版』吉川弘文館、2010年。ISBN 978-4-642-01457-1。
- 藤本正行『信長の戦国軍事学―戦術家･織田信長の実像―』ＪＩＣＣ出版局、1993年。
関連作品
[編集]関連項目
[編集] | この項目は、日本の戦国時代に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（プロジェクト:日本の戦国時代／Portal:歴史）。 |
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